SJJA&WSJPOの【西サハラ最新情報】159 他人地は自分地?西サハラ開発を目論むモロッコ
- 2016年 5月 8日
- 評論・紹介・意見
- モロッコ平田伊都子西サハラ
2016年5月4日と5日に、モロッコのカサブランカで<日本アラブ経済フォーラム>が開かれました。 NHKなどの<ぶら下がり取材>に応じた、ベンキラン・モロッコ首相は、「パリやブリュッセルでのテロでモロッコ系移民のグループが主導的な役割を果たしたことをかんがみ、、若者たちがテロや過激な思想に影響されないよう外国からの投資を呼び込み、より多くの若者を雇用することにつなげたい」と、モロッコ系移民二世たちのISイスラム過激派組織・欧州細胞の存在を認め、日本の投資を促しました。 同じ4日にモロッコの首都ラバトでは、<大ダハラ大西洋港建設・第一回アフリカ会議>が始まりました。 ダハラって他人地(ひとん地)だよ!モロッコのもんじゃないよ!!
(1) CORCAS(王立サハラ問題諮問評議会)による、ダハラ大開発構想:
ラバトで始まった<ダハラ大西洋港建設・第一回アフリカ会議>に、「我らは
モロッコ・サハラ(西サハラのモロッコ呼称)を、商売と人物交流の中継地に発展させようと、全力を尽くしている」と、モロッコ国王陛下は王勅で参加者に語りかけられた。「我らはまた、ダハラに偉大な大西洋港を建設し、モロッコをアフリカ姉妹国に繋げるため、タンジェからラグイラまで鉄道を敷く積りだ」と、国王陛下の助言者アブドル・ラティフ・メヌーニは王勅を読み上げた。この総合的大計画は、モロッコ王国が南モロッコ奪還40周年記念に因んだ高速道路建設計画も含む。その近代的な高速道路はアガデイールからチズニット、ラユーンを経て、<ダハラ>まで続く。それは、南に国境を接するモーリタニアへ延びていく。王国の戦略的な総合20年計画は、アフリカの道路開発に重要な役目を担っている。国王陛下は、「我らが壮大な構想は、西アフリカ統合という戦略に根ざしている。かくのごとく、モロッコ南地方はモロッコとアフリカの懸け橋になり、かつまた、マグレブ高速道路の建設は近隣諸国との商売を容易にするものである」と、王勅で述べられた。
(2) モロッコ国王陛下が狙うダハラとは?:
王様に内緒で筆者が訪れたダハラは、ダハラ半島の先にある小漁村だった。2002年、ハンス・コレル元国連事務総長法務顧問は、「国連が規定している不確定地域に於ける採掘漁業などの生産活動は、明らかに国際法違反だ。行為を起こすに前に、住民の許可と住民の利益になるという保障が求められる」と、西サハラ領土・領海内での天然資源生産活動を違法だとしている。が、経済を優先事項とするモハンマド六世国王陛下はダハラを大西洋クロマグロの水揚げ港にしようと、欧州に声をかけた。ロシア漁船もダハラに停泊していたという。WSRW(西サハラ資源監視)というNGO団体によると、国王陛下はダハラ半島に関して、漁港だけではなく強烈な太陽と未開発の海岸線にも野望を抱いているそうだ。モロッコ国王陛下はトマト農園の園長でもあられる。ダハラ・リゾート計画にはサウジアラビアやアラブ首長国連邦が噛んでいたり、ダハラの白砂をドバイが盗搾したりと、不法行為は後を絶たない。
(3)WSRW(西サハラ資源監視団)は見張ってるよ!:
2015年12月10日、EUCJ(ヨーロッパ連合司法裁判所)は西サハラを含むEUモロッコ農業漁業協定を否決した。EUSJの決定を受けて、2016年2月2日、デンマークはモロッコ占領地・西サハラから海上輸送されている<塩>の原産地に対して、疑問を呈した。2016年5月7日、WSRWはダハラ沖で違法操業をするトロール船の映像を公開した。<ブランド>という名のトロール漁船は、イワシ操業の許可を持っていて、数トンの魚を乱獲し続けている。<ブランド>の船主は<アトゥネロス・デル・スル・サリ>で、運航支配しているのはモロッコの<イララ・ホールディング>だ。イララの社長はハッサン・ウワリト元モロッコ将軍閣下である。
そして、モロッコ国王陛下肝いりの<第2回クラン・モンタナ・フォーラム>が、3月17日から22日まで問題の地・ダハラで開催されたそうだ。テーマは<ダハラはモロッコサハラとアフリカの大中継点>で、131か国と27地域の有名外国人が集まり総計1,000人以上が参加したそうだ。WSRWは真相を探ったが、本年度はモロッコ王国がマスコミ報道を極端に制限したそうだ。<モロッコサハラ>とモロッコ王国が呼ぶ<西サハラ>は<ひとん地>で、モロッコのものではない。国際社会から<西サハラ占領>を非難されることを恐れたからだと、WSRWは結論づけている。
モロッコ国王陛下が湾岸諸国の首長や王に声をかけて、経済開発を話し合われるのは結構なことです。 自分地での商売繁盛、大いに結構、、ですが、「自分ちの麻薬中毒ドラ息子たちがテロリストになったのは職がないからで、日本や国際社会がモロッコに投資して、ドラ息子たちに職を作れ」と、自分たちの都合のいいように話しをすり替えるは、もう止めましょう。 かりに、善意で投資をしても、お金がドラ息子の厚生費用に回るとは思えません?
トランプ・アメリカ大統領候補に頼んでみれば? きっと、自分地のことは自分地で始末しろって言われるよ、、
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年5月8日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6077:160508〕
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