【ご紹介】『世界』6月号:特集「死の商人国家になりたいか」
- 2016年 5月 9日
- 交流の広場
- 杉原浩司
雑誌のご紹介です。本日5月8日発売の『世界』6月号の特集は、「死の商
人国家になりたいか」です。武器輸出をめぐる渾身の特集となっています。
武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)からは、私と満田夏花さんが座談会
「メイド・イン・ジャパンの武器はいらない」に参加しています。後ろに
特集の目次を貼り付けています。読みごたえ十分ですので、ぜひご一読く
ださい。そして、知人、友人にもお知らせください。
※『世界』ウェブサイトに掲載されている杉田弘也さんによる「執筆者か
らのメッセージ」をご紹介します。
<オーストラリア次期潜水艦、フランスに決定> 杉田弘也
本稿執筆中は未定であったオーストラリアの次期潜水艦の発注先は、4
月26日、国防省における「競争的評価プロセス」の結果、フランスのDCNS
社に決定したと発表された。1週間後に次年度予算発表、2週間後には上下
両院の解散を目前に、発表のタイミングはここしかなかった。
この決定の本質は、「オーストラリア製なんだ。オーストラリア人の仕
事と、オーストラリア製の鋼鉄でね。まさにこの場所、ここでだ」という
ターンブル首相の言葉に凝縮されている。予想以上に苦戦、激戦となりそ
うな選挙を控えた政権の選挙対策であり、他の分野とは異なり予算をふん
だんに使える国防費を用いた産業政策なのだ。潜水艦ではなく、医療や教
育、インフラなど他分野に予算を支出すべきとの風刺画がさっそく見受け
られる。
日本での報道は中国の影響を強調しすぎている。「史上最も親中派」の
ターンブル政権が、「中国の圧力に日和った」という筋立てがその代表で
ある。残念ながらそうりゅう級の国防省での評価は、仏・独に水をあけら
れて最低だったのだ。
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<特集:死の商人国家になりたいか>
・いまこそ軍縮の理念を語れ~武器を輸出しない国というプライド(河野洋平)
・武器輸出とアベノミクスの破綻~課題先進国日本の誤った選択(小野塚知二)
・国策化する武器輸出~防衛企業関係者は何を思うか(望月衣塑子)
・死の商人はどこから来る?~イラクの現実と軍需産業(高遠菜穂子)
・座談会:メイド・イン・ジャパンの武器はいらない
(江田正雄(仮名)、杉原浩司、満田夏花)
・オーストラリアの潜水艦新造計画と新興軍需大国・日本(杉田弘也)
・悪魔の成長戦略~民意が変質させられる前に(古賀茂明)
・国際テロの巣窟の街で眺めた素顔の軍産複合体(谷口長世)
・憲法への裏切り行為~死の商人の国にだけはなるな(小山内美江子)
全体はこちらから(右側の表紙の画像をクリックすると目次が出ます)
https://www.iwanami.co.jp/sekai/
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なお、ご紹介が遅れましたが、4月1日発行の『世界』別冊「2015年安保か
ら2016年選挙へ~政治を市民の手に」にも、「国会を市民の手に取り戻す
~「戦後最長国会」審議の内実」という文章を寄稿しています。
こちらは、集団的自衛権問題研究会の一員として取り組んだ、安保法制の
国会審議ダイジェストづくりを通して見えたことを綴りました。ダイジェ
ストづくりのノウハウをご紹介したり、非民主的な国会運営や傍聴者への
不当な扱いを改善させる必要性などにもふれています。
こちらも参議院選挙へ向けた多角的な特集となっていますので、まだの方
はぜひご一読ください。
目次はこちらから(左の別冊の表紙画像をクリックしてください)
https://www.iwanami.co.jp/sekai/
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