パナマ文書から読み取る納税回避の「手口」=セコい「セコむ」のオーナー2人がつくったタックスヘイブンのペーパーカンパニーが減らした相続税・贈与税、そのカラクリはこれだ!! どっちがセコいか、「セコむ」と舛添要一
- 2016年 5月 28日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
(最初にイベント情報)
●6・7秘密保護法廃止へ!国会前行動・院内集会
http://www.labornetjp.org/EventItem/1463704706092staff01
(場所は参議院議員会館のB107号室だそうです(電話で確認):田中一郎)
(次にいくつかのこと)
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1.刑訴法・盗聴法改悪法案が成立、民進・生活が与党案に
賛成(『週刊金曜日 2016.5.27』)
http://ameblo.jp/jcjk-now/entry-12162311447.html
(田中一郎コメント)
山本太郎議員の事務所へ本日電話、刑訴法・盗聴法改悪法案が参議院で
可決されたみたいだけど、生活の党も賛成して、タロー君も賛成したの? と聞きました。そしたら何と、「山本太郎は反対いたしました、生活の党は党議拘束がありません」との返答をもらい、胸にジーンと来た次第です。タロー君、疑ったりしてごめんね、これからも応援するからねー、がんばってよー。(山本太郎議員のみならず、最後まで反対を貫き、法案にNO! を投じてくれた社民・共産に感謝、どの党がどういう投票をしたかは上記サイトを見てください。
2.血税3兆円がムダに! 総務官僚が引き起こした、マイナンバーという名の「人災」 カードが発行できない、届かない… 賢者の知恵 現代ビジネス [講談社]
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48735
(一部抜粋)
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マイナンバーをめぐっては、「住民票に誤ってマイナンバーが記載される」「異なる
人に同じ番号が割り振られる」などめちゃくちゃなトラブルが起きてきたが、ここへ
きてさらに「カードが交付できない」という大問題が勃発している。
(中略)もともと問題だらけだった住基ネットのシステムを使ってマイナンバーのシ
ステムを構築すれば、また問題が起きて「第二の住基ネット問題」となるリスクがあ
るというのは素人にでもわかる。そして、実際に「それ」は起きた。
「住基ネットのシステムを無理に活かそうとしたために、中継サーバに不具合が発生
し、マイナンバーのシステム全体に障害が発生した。これが年始からのカードを届け
られないという大騒動を引き起こしているわけです」(前出・高橋氏)
こうした混乱を生んでいるにもかかわらず、地方公共団体情報システム機構は今春の
役員人事で理事らの再任などを決定。実はこっそりと、役員俸給の月額上限と地域手
当の支給割合を引き上げてまでいるのだから、開いた口がふさがらない。
(中略)「総務省は『電子政府をつくる』としてマイナンバーの利用対象を拡大して
いくつもりです。これで潤うのは、特需がもたらされるIT産業だけ。今後、3兆円規
模とも言われるマイナンバー市場が生まれると言われていて、関連する民間企業がど
んどん増えていく。そして、それらの企業が総務官僚の天下り先候補となっていくわ
けです」(白鴎大学法学部教授の石村耕治氏)
(中略)「今回のシステムトラブルは数百万件というアクセスで起きており、今後全
国民がアクセスするようになる段階でもっと大きなトラブルが起きかねない。その度
に新たなシステム費が税金で投入されることになるわけです」。マイナンバーとは、
終わることなく税金を吸い込み続ける、「ブラックホール」なのだ。
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3.田中龍作ジャーナル 【参院・青森選挙区】 脱原発、一時棚上げして「大同団
結」 アベを倒す
http://tanakaryusaku.jp/2016/05/00013691
4.脱被ばく実現ネット 活動ブログ 子ども脱被ばく裁判 速報! 子ども脱被ば
く裁判 第5回口頭弁論開催・弁護団の笑顔
http://fukusima-sokai2.blogspot.jp/2016/05/blog-post_26.html
(一部抜粋)
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本日(26日)、福島地裁で開かれた、第5回子ども脱被ばく裁判は、原告の皆様と
弁護団のがんばりで、本日の公判は門前払いされることなくうれしい状況が生まれ、
実質審議の可能性が見え、口頭弁論終了後の記者会見では、いつになく弁護団の顔が
ほころんだ。子ども人権裁判と親子裁判の実質審議に入る希望が見えてきたからだっ
た! 弁護団は3つの準備書面を用意し、裁判所に提出。受理された。公判での原告
の訴えはその場にいた誰もが胸を打たれたはず。
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(関連)脱被ばく実現ネット 活動ブログ 子ども脱被ばく裁判
http://fukusima-sokai2.blogspot.jp/
(田中一郎コメント)
東京大学先端科学技術センター教授の児玉龍彦氏が原告側から意見書を出してくださったようです。児玉教授、どうもありがとうございます。
5.世界一高い供託金の廃止を!!~選挙を市民の手に~ 宇都宮けんじブログ|希
望のまち東京を作る会
http://utsu-ken.seesaa.net/article/437972802.html
(関連)15分でわかる!公職選挙法(byママの会@いしかわ) 動きだそう!かながわ
http://action-kanagawa.net/archives/803
6.キャンペーンについてのお知らせ ・ 最重要キャンペーン:最高裁は、アメリカ
にお伺いを立てる裁判方針を止めてください。また、裁判官人事操作による日本中の
裁判官統制、裏金作りを止めてください。 ・ Change.org
https://www.change.org/p/%E6%98%A0%E5%83%8F%E8%A8%98%E9%8C%B2-%E6%86%B2%E6%B
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=yfyKr0AKkeRwcaRSpXiKaOgjpO_ZftsgZcPQD4DUDNc&utm_source=petition_update&utm_
medium=email
(ここから本文)
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本文の方が短くて恐縮ですが、(「セコムに見る税逃れのスキー
ム:タックスヘイブン経由で巨額の税減らし(大村大次郎『週刊金曜日2016.5.20』))をご覧ください。
ちなみに、この記事は先週の『週刊金曜日』(2016.5.20)の記事で、先週の『週刊金曜日』は「パナマ文書」が特集されていました。合田寛氏や金子勝慶應義塾大学教授らも執筆している興味深い記事が多く掲載されています。ぜひ、取り寄せてご覧ください。
(参考1)『週刊金曜日』(2016年5月20日号)
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002005.php
(参考2)『タックスヘイブンに迫る 税逃れと闇のビジネス』(合田寛/著:新日
本出版)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033155731&Acti
on_id=121&Sza_id=G1
(参考3)『税金を払わない巨大企業』(富岡幸雄/著:文春新書)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033150910&Acti
on_id=121&Sza_id=F2
(参考4)『税金を払わない奴ら なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』
(大村大次郎/著:ビジネス社)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033302860&Acti
on_id=121&Sza_id=B0
私からは次のことを「補足」コメントしておきます。
1.贈与税は相続税の補完税であり、相続税が尻抜けにならないよう、相続税よりも
厳しく課税され、かつ、税率も相続税よりも高い。たとえば、遺産所有者が生前に、
その財産を数回ないしは数十回にわけて金額を小さくして相続人へ贈与していけば、
累進税率になっている相続税の尻抜けが可能になる。なので、そういうことをさせな
いがため、税率を高く設定してある。
(しかし昨今は、景気対策だとか何とか屁理屈をつけて、1千万円を超える贈与税の
非課税枠ができ(1500万円)、教育費名目で無税の生前贈与がブームになっている。
信託勘定を使うらしいので信託銀行もウハウハらしい。ふざけた話である。教育費を
子供や孫の世代のために使うというのなら、いったん、こうした金持ち連中に相続税
や贈与税で納税をさせた上で、その税金を原資に、改めて国や自治体が子どもたちに
教育費を出せばいいだけの話である。それを(生前)贈与税の無税制度を創って行う
ということは、貧しい家庭に生まれた生前贈与を受けられない子どもと、金持ちの家
庭に生まれた生前贈与を受けられる子どもとで、大きな差がついてしまうことにな
る。きわめてタチの悪い金持ち優遇税制である。こんなことを繰り返しておれば、や
がて日本は「格差社会」どころではなく、半永久的な「階級社会」になってしまうだ
ろう)
(関連)祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあ
らまし|パンフレット・手引き|国税庁
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku-zoyo/201304/01.htm
2.上記の『週刊金曜日』記事のスキームの場合には、タックスヘイブンのペーパー
カンパニー(SPC:スペシャル・パーパス・カンパニー=特別目的会社)に、この
2人(セコムのオーナー)がセコムの持ち株を譲渡する際に、譲渡所得税がかかるは
ずだが、これが適正に申告されているかどうかが1つのポイント。申告されていれ
ば、相当な金額の譲渡所得税の納付が必要になる。その分を含めてトータルでどれく
らい「納税回避」(ほとんど脱税に近い)になったかはよくわからない(それでも数
百億円の納税回避か?)。逆に、きちんと申告していなければ脱税だ。
3.日本の税制には、いわゆる「法人格否認の法理」というものがあったはずだ。私
が知るところでは、中小零細企業の同族会社の納税事務においては、遠慮容赦なく適
用され、税務署が中小零細企業から税金を搾り上げる手段の一つだとも風のうわさに
聞く。では、このセコムのオーナーのやっていることに対しても、何故、「法人格否
認の法理」を使って、ペーパーカンパニーの法人格を否認してしまわないのか。ス
キームをよく見れば、要するに年老いた2人のセコムのオーナーが、ペーパーカンパ
ニーを通して遺産の所有権を相続人に移しているだけの話で、形式的には「法人」へ
の出資がからんではいるものの、その経済実態は単純な遺産相続、ないしは生前贈与
に過ぎない。にもかかわらず、そんな形式だけのことで、高税率の相続税が低税率の
所得税と入れ替わって、巨額の納税回避が実現している。ちょっと考えれば、こんな
バカな話はないだろう。
税務署の役人たちが、この「法人格否認の法理」をペーパーカンパニーその他の納
税回避スキームに対して使いやすくなるように、税法を改正しておけばいいのではな
いか。特に今回問題となっている相続税・贈与税の場合には、その遺産の動きを捕ま
えてやれば、そう難しい話ではないはずである。経済評論家の森永卓郎氏によれば、
日本の毎年の相続税は、それがきちんと捕捉され、きちんと納税されれば、おそらく
2桁兆円の税収になるであろう故に、消費税増税などは全く無用の税制改悪だそうで
ある。税務署には、納税すべき法人や人間から、きちんと税法が期待する金額の税金
を徴収していただきたいものである。我ら非力な貧乏人から搾り上げることばかり考
えているのではなく、税金をたくさん払える者たちから取れ、ということだ。
4.この納税回避行為や脱税などの場合の時効が、日本ではあまりに短く、あっとい
う間に時効になって、バレなければ万事OK,「ひたすら息をひそめてじっと時を待
つ」方式の納税回避が簡単にできてしまう。こうした「やり得」を防ぐためには、納
税関係の時効を10年に延長し、かつ大企業や大富豪・資産家については総資産や総所
得の報告義務を課して、いわゆる「マルサ」の調査力や告発力アップのための組織・
体制を抜本的に拡充する必要がある、特に富裕層・資産家については、所得税もしか
りながら相続税が非常に大きな金額となるので、しっかりと納税をしてもらう「文
化」を築き上げる必要がある(そのためには納税回避は絶対に許さない=脱税したら
身ぐるみはがされる、くらいの厳格な罰則も必要だ)。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
〔opinion6118:160528〕
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