「安倍内閣退陣」「参院選野党勝利」を叫ぶ - 国会周辺の集会に約4万人 -
- 2016年 6月 6日
- 時代をみる
- 参院選安倍岩垂 弘
「明日を決めるのは私たち――政治を変えよう!6.5全国総がかり大行動」と銘打った集会が6月5日、全国各地で行われた。昨年から安全保障関連法に反対する運動を続けてきた「安全法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の呼びかけで行われたもので、主催者によると、全国約100所で集会などがあり、東京では、国会議事堂周辺で開かれた集会に約4万人が集まった。
呼びかけ団体の1つ、「市民連合」は安全保障関連法の廃止を求める学者、学生、女性など5つのグループの有志によって結成された団体。もう1つの「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、労働組合と市民グループが安全保障法案に反対するためにつくった団体だ。両団体とも、安倍首相が憲法改定に意欲を燃やし、そのために7月10日の参院選挙で改憲発議に必要な議員数(議員の3分の2)の獲得を目指していることに危機感を強め、参院選での野党勝利、安倍内閣打倒の機運を盛り上げるために、この日の大行動を企画した。
国会議事堂周辺の集会は、国会正門前、農水省・霞ヶ関郵便局前、日比谷公園かもめの広場の3カ所で行われた。
国会正門前の歩道は、 午後2時の開会前から、市民や労組員で埋め尽くされた。多くの市民がプラカードを掲げていたが、そこに書かれた文言は「政治を変える 市民が変える」と「市民が変える 選挙を変える」だった。そして、参加者が議事堂に向かって一斉に声を上げるコールは「戦争反対」「戦争法は直ちに廃止」「安倍政権はいますぐ退陣」「参院選で野党は勝利」……だった。これらブラカードの文面やコールの内容は、ここに集まった人たちの思いを端的に表しているように思われた。
国会正門の集会では、まず、市民連合の山口二郎・法政大学教授が登壇。山口教授は「参院選の32の1人区選挙区全てで野党統一候補が実現した。これは皆さんの力がもたらしたもので、まさに奇跡だ。安倍内閣は戦争をするために、国民をだまし、メディアを抑圧し、参院選での与党勝利を狙っている。こんどの参院選は戦後民主主義を守れるかどうかの決戦だ。何としても与党に3分の2を取らせてはならない」と述べた。
次いで、野党代表のスピーチに移ったが、最初に登壇した枝野民進党幹事長は「安倍首相は憲法改悪を目指しながら、参院選ではそれを表に出さない。これこそ争点隠しだ」と批判、さらに「聖徳太子の十七条憲法は、和をもって貴しと言っている。話し合いを通じて物事を解決せよということだ。なのに、安倍首相は話し合いを拒否し、美しい日本と平和を壊そうとしている。日本の伝統を壊している。安倍首相は保守ではない。我々の方こそ保守である 」と述べた。
共産党の山下副委員長は「野党の共闘が前進している。これは、市民の皆さんが、雨の日も風の日も、野党頑張れと声をかけ、背中を押してくれたからだ」と野党共闘が市民主導で行われたことに謝辞を述べ、さらに、「自民党は野党共闘に対し、野合だ、などと言っているが、2月19日の野党党首会談で、安倍内閣打倒、安保法制の廃止、国政選挙での協力など4項目で合意しており、断じて野合ではない」と話した。
社民党の吉田党首も「市民に背中を押されて野党共闘が前進した。参院選では何としても野党が勝利しなくては。一層の協力を」訴えた。
その後、市民団体代表や、学者・文化人、法律家のスピーチが続いた。
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