首相の「改憲勢力で3分の2」も夢ではない
- 2016年 7月 10日
- 時代をみる
- 参院選小原 紘改憲
韓国通信 特別号
高知新聞電子版 2016.07.05より
【参院選 土佐から】改憲への「3分の2」 高知で83%意味知らず
■争点が見事に隠れる■
今選挙注目の「3分の2」とは? 今回の参議院選挙は、憲法改正に前向きな勢力が「3分の2」の議席を確保できるか否かが一大焦点となっている。結果いかんでは戦後政治、人々の暮らしの大きな転換となる。が、この「3分の2」の意味や存在、有権者はどの程度知っているのだろうか。高知新聞記者が2~4日に高知市内で100人に聞くと、全く知らない人は5分の4に当たる83人、知る人17人という結果が出た。
「高知新聞」が改憲の条件「3分の2」を市民の83%が知らないという驚きの事実を伝えている。高知市民だけが特別なのか。全国的な傾向と考えていい。「争点隠し」が功を奏し安倍首相が改憲を狙っていることがあまり報道されていないからだ。
殆どの世論調査では改憲反対が多数を占めているにもかかわらず、自公圧勝の予測と大きな食い違いを見せている。
イギリスのEU離脱の国民投票と同じく、投票結果と現実に国民が苦しむのと同じ結果になりそうだ。政権側の究極の目標に警鐘を鳴らしブレーキをかける動きが少ないのが心配だ。
今年1月の読売新聞が安倍首相の意図をわかりやすく分析したが、もう一度確認しておきたい。
〇自公の非改選議員は76人。「おおさか維新」5と「こころ」3は改憲派なので改憲派非改選議席は実質84議席だ。ここからスタートだ。
〇定数242の3分の2は162議席。〇改憲勢力が162議席を達成するためには162-84(非改選)=78議席が必要。
自公の改選議員59+「維新」と「こころ」の改選議員3=62に16議席を上乗せすれば改憲ラインに到達する、という計算だ。
衆院選挙で与党が大勝した次の参院選では野党を勝たせる傾向がある。今回もそのような国民のバランス感覚に期待する向きもあるようだが、気まぐれな「無党派層」に期待は無理だ。彼らはマスコミ報道に影響を受けやすい人たちだ。
テレビを見ている限りでは、NHKも民放も選挙報道を意図的なほどに抑制しているように見えて不気味だ。猥雑なニュースの氾濫。「価値観」がまるで違う別世界のように感じられる。気がついたら改憲発議になりかねない状況だ。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
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