SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】167 ブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領誕生
- 2016年 7月 10日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子西サハラ
2016年7月10日、故アブデル・アジズ西サハラ難民政府大統領兼ポリサリオ戦線事務総長の喪が明けました。 西サハラ難民キャンプでもラマダン断食月が明けました。 7月8日と9日に西サハラ難民は、昨年の大洪水で大崩壊したダハラ難民キャンプで民族特別大会を開きました。 そして、ブラヒム・ガリ新大統領を選出。 熱いなんてもんじゃない、現地は55度を超す猛猛暑です。 しかし、どんな不幸や妨害に見舞われてもひるみません。 ブレません。 西サハラ難民の<正攻法の祖国復帰運動>に注目してください。
(1)モロッコの難民兵糧攻め:
CORCAS(モロッコ王立サハラ問題諮問評議会)は2016年6月29日に、「OLAFというNGO調査組織の報告書を参照して、欧州議員が欧州委員会に、アルジェリアとポリサリオが分配している西サハラ難民物資に関する意見書簡を送った。OLAFは、UNHCR(国連難民高等弁務官)も含め、アルジェリアとポリサリオは難民人口を水増しして支援物資を不正確保し、大量の余剰物資を横流ししていると、報告」と伝えた。さらにCORCASは、7月4日にアルジェリアの駐ブリュッセル大使に送ったジル・パーグノ欧州議員の書簡を引用し、「サハラ紛争はアルジェリア国内問題だ。モロッコ・サハラはモロッコの地方自治州になるのが一番」と、自説を展開。そのうえでCORCASは、しつこく西サハラ難民キャンプへの食糧削減を主張している。
(2)EUブリュッセルの西サハラ難民政府代表:
モロッコの難民食糧削減提案に、ブリュッセルのアルジェリア大使はすかさず、「西サハラは国連が扱う脱植民地化問題だ。西サハラ難民キャンプは国連と国際機関とアルジェリアが協力して支援している人道問題だ。モロッコは追放した国連職員を復帰させ、交渉の場に戻ってくるべきだ」と、強く反発した。
EUブリュッセルのシダテイ・モハンマド西サハラ代表は、「モロッコはEUに働きかけ、西サハラ難民物資援助を大幅削減して難民キャンプを兵糧攻めにしようとしている。西サハラ難民は、国連が約束した西サハラ住民投票を待って、国際社会の人道援助で命をつないでいる。モロッコはモロッコ占領地・西サハラで西サハラ住民を虐待し、モロッコが戦火で追放した西サハラ難民を渇死させようとしている」と、非情なモロッコを非難した。
(3)ブラヒム・ガリ新RASD(西サハラ・アラブ民主共和国)大統領、新ポリサリオ戦線事務総長:
2016年7月9日(日本時間7月10日)、西サハラ民族特別大会はブラヒム・ガリ氏を
RASD(西サハラ・アラブ民主共和国)大統領、ポリサリオ戦線事務総長に選出した。ガリ氏は、1895投票数のうち1766の票を獲得した。エルワリ初代、アブデル・アジズ二代目に続き、ブラヒム・ガリ氏は三代目のRASD大統領兼ポリサリオ戦線事務総長になる。
ブラヒム・ガリ新大統領は1949年8月19日、モロッコ占領地・西サハラのスマラで生まれた。彼はポリサリオ戦線創設者の一人で、1976年3月から1989年まで、西サハラ難民政府の国防大臣職に就いていた。1999年から2004年までは西サハラ難民政府スペイン大使、2008年から2015年までは西サハラ難民政府アルジェリア大使を務めていた。
1976年の創設後から2015年14回民族大会に至るまでポリサリオ戦線の要職にあった。
ブラヒム・ガリ新西サハラ大統領を選んだ西サハラ難民と被占領民は、「さあ~国連西サハラ住民投票実現に向け、やるぞ!」と、いつもより5倍張り切っています。 ラマダン明けの祭りで、貧しいけどたっぷり食べたし、ガリ新大統領は優秀な兵士であると同時に、スペイン語もフランス語も堪能で経験豊かな外交官だし、それに、日本は国連安保理で7月の議長国だし、、
ガリ新大統領から私たち日本人に向けた、短い挨拶を転送します。
「 Thank you for your solidarity
Enviado desde mi smartphone Sony Xperia
(連帯ありがとう、スマートフォンからの送信)
Brahim Gali ]
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年7月10日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6182:160710〕
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