SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】170 ゴネ続けるモロッコ
- 2016年 7月 27日
- 評論・紹介・意見
- サハラモロッコ平田伊都子西サハラ
筆者は相模原市緑区津久井の住人です。 7月26日未明、けたたましいヘリコプターの羽音で目が覚めました。 屋根のすぐ上を、米軍機が昼夜を問わず轟音を響かせるので、慣らされてはいるのですが、この日はパトカーや救急車も大合奏なので、ラジオを付けました。 そしたら、近所の<津久井やまゆり園障害者施設>が襲われたというのです。
事件を追う津久井署には知り合いのおまわりさんが働いています。 やまゆり園の皆さんは公園やお寺でよくお見かけするし、、やりきれませんね、、
とは言え、なかなか集中しない脆弱な精神に鞭打って、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の最新情報をお届けします。
(1)AUアフリカ連合がモロッコ出戻りを拒否:
2016年7月26日、国連本部の記者会見でオマル・ヒラール・モロッコ国連大使は、「モロッコのAU出戻りは、多くのアフリカ諸国が大歓迎している。我々はアフリカに新鮮な息吹を吹き込み、発展を助けようとしている。モロッコのAU出戻りとポリサリオ(西サハラ難民政府)のAU追放を明記したモロッコ王のご書簡を、アフリカ28か国の首脳に送りつけた」と語った。しかし、前日の7月25日に、アジスアベバAU本部が、「モロッコ国王の手紙は、ドラミニ・ズマAU事務総長とイドリス・デビ第27回AUサミット議長に渡された。が、ルワンダ首都キガリで開催されたこのAUサミットでは、この手紙に関して討議もされなかったし、総会で取り上げられる予定もない。AU委員会は参加国の条件に関して、第29条を参照することを求める」と、正式にモロッコの要求を否定している。
(2)国連安保理で別所浩郎・国連日本政府常駐代表特命全権大使の記者会見:
2016年7月26日、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)に関して、別所浩郎日本国連大使がニューヨーク本部で記者会見をした。要訳すると、「ミヌルソMINURSO要員の職場復帰に関して、キム・ボルドクMINURSO 国連事務総長特別特使とハーブ・ラドウスPKO西サハラ国連特別次席代表から報告を受けた。国連とモロッコの間で進展があり、25人のミヌルソMINURSO要員が職場復帰した。国連安保理は、モロッコから追放された要員が一日も早く職場復帰して、ミヌルソMINURSOの作業が完全に再開されることを期待している」と、語った。
さらにもう一点、「早期に両当事者の直接交渉が再開され、西サハラ人の民族自決権が行使されることを、多くの安保理メンバーが望んでいる」と、別所浩郎日本国連大使は付け加えた。
「ポリサリオ(西サハラ難民政府」による直接交渉の要望書は取り上げられたのか?」という記者の問いに、「要望書自体は議論されなかった」と、大使は答えたが、安保理としてこの問題を討議し続けていくと明言した。
(3)オマル・ヒラール・モロッコ国連大使:
7月26日、オマル・ヒラール・モロッコ国連大使は国連本部での非公式記者会見で、「モロッコと国連事務局が、モロッコの寛大で前向きな努力を通じて合意に達したことを喜ばしく思っている。この合意は各国から歓迎されていて、まことにめでたい。ミヌルソMINURSO要員25人の職場復帰を認めてやった」と、恩を着せた。
「ミヌルソMINURSO要員残り59人の職場復帰は何時になるのか?」との質問には、「数は問題じゃない。国連作業の正常化をモロッコと国連が検討中だ。合意内容の詳細は国連に聞け」と、具体的には答えなかった。「ミヌルソMINURSO高官の誰と交渉したのか?」という問いにも、「モロッコは国連事務総長と交渉している。その下の個々人のことは、事務総長に聞け。モロッコを否定的に疑ってかかるな。モロッコは信頼すべき王国だ」と、大見得を切った。
「無条件で国連安保理はモロッコに国連要員の復帰をさせるべきだ。国連の権威がないがしろにされている。国連はモロッコと西サハラの直接交渉を早急にやるべきだ」と、安保理に要望書を出したのはベイサット大使です。 覚えていますか? ベイサット大使は2011年に石巻の避難所を訪問しました。 今回の大量虐殺のことを報せたら、「あの優しい日本人が!」と、絶句していました。 ロイターやBBCも「平和な日本で信じられない
大量殺人事件」と、サブタイトルをつけていました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年7月27日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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