SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】171 砂漠に打ち水
- 2016年 8月 4日
- 評論・紹介・意見
- サハラモロッコ平田伊都子西サハラ
日本時間の2016年8月6日6時から11時にかけて、リオデジャネイロ・オリンピック開会式が行われるそうです。 ちょうど開会式の最中に、日本庶民にとって大事な瞬間、原爆投下の8時15分が訪れます。 <平和の祭典>と銘打った開会式の8時15分に黙祷を捧げるというのは、素敵なことだと実現を願っておりました。 が、日本庶民の期待を裏切って、平和の祈りを共有できないそうです。 その代わり、閉会式の8月21日に然るべき意思表示をするとか? なんだか、日向にほったらかしていたビールを飲めとつきつけられているみたい、、
一方、灼熱の砂漠で40年間ほったらかしにされていた西サハラ難民と国連との約束はどうなったんでしょうね? <砂漠に打ち水>となりませんように、、
(1)モロッコ占領地西サハラで職返せデモ:
2016年7月22日、モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンで、職場を追放された西サハラ鉱山労働者が「職返せ」と訴える平和デモをやった。OCP(モロッコ政府リン鉱石公社)というリン鉱石会社は、鉱山労働者や事務関係者を含め、約500人の職を西サハラ住民に割り振ってきたが、全員を追放した。平和デモには人権擁護活動家、失業者支援団体、卒業しても無職の学生たち、不法拘留されている政治囚を援助する会、等々が参加した。「職返せ、リン鉱石は西サハラ人の資源」と、声を上げたとたん、モロッコ占領治安部隊がデモの人々を襲った。数人が逮捕された。モロッコ占領当局は、「秩序と保安の維持のため、集合やデモに対しては治安部隊を動員する」という声明を出している。
モロッコ占領地・西サハラのリン鉱石は、鉱物資源に乏しいモロッコの外貨獲得源になっている。が、UN国連は西サハラ天然資源に手を付けることを禁じている。2015年12月10日にはEUヨーロッパ連合法務局も同様の決断を下した。(英国NGO/Adlak 発)
(2)国連事務総長の記者発表 8月1日:
2016年8月1日、ファルハン・ハック国連副報道官が記者会見で、「7月26日に国連安保理が西サハラ民族自決権に基ずく住民投票を目指し、モロッコとポリサリオ戦線(西サハラ人代表)両当事者に対して直接交渉の再開を正式に促した。クリストファー・ロス国連事務総長個人特使はこの数週間、両当事者や周辺諸国と数回にわたって連絡を取ってきた」と、発表した。さらに国連事務総長は、「私の個人特使クリストファー・ロスが西サハラ交渉再開のため現地へ行くようにと、(国連安保理)から求められた。既にロスは当該地域と連絡を取っている。ロス訪問の正式提案は、両当事者と近隣諸国に伝えられている」と、声明を出した。
(3)交渉再開に賛成の西サハラ、反対のモロッコ:
「我々は、国連事務総長と国連安保理が提案する<両当事者直接交渉>の席に着く準備は出来ている。クリストファー・ロスが我々に報告したところによると、モロッコは交渉再開に難色を示し、非協力的だそうだ」と、国連ニューヨーク本部に張り付いている国連西サハラ代表アハメド・ブハリは、モロッコの相変わらずな拒絶姿勢を非難した。西サハラ難民政府は「一日も早く両当事者交渉を再開すること、MINURSO国連要員の全員が職場復帰すること、モロッコが不法に拘束し拷問を続けている西サハラ政治囚の釈放を働きかけること、この3点を国連に強く求める」との要望書を、UN国連を始めとし、さらにはEU欧州連合やAUアフリカ連合にも送った。
泥棒、強盗、暴行、放火、、等々、リオデジャネイロ・オリンピックでは場外競技がますます熾烈になってきました。 物のない所で、色んな良い物や高級品を見せびらかすのだから、欲しくなるのは人情です。 盗られて当たり前です。
オリンピックに出かける人は、持ち込んだ物はみんなケチらず、上げてきちゃいましょう、、<平和な祭典>に相応しく逆らったりせず、<参加することに意義>を見いだしてください。
軽くなってすっきり無事にご帰国ください。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年8月4日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6206:160804〕
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