本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(130)
- 2016年 8月 13日
- 評論・紹介・意見
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バングラディッシュのテロ事件
「7月2日」に発生した「バングラディッシュのテロ事件」では、「7名の日本人」が犠牲になったが、「バングラディッシュの発展に貢献しようとした人々が、なぜ、殺されなければいけなかったのか?」を考えると、実に、「やりきれない思い」を抱かざるを得ない状況でもあるようだ。ただし、「IS(通称:イスラム国)が、どのようにして誕生したのか?」を考えると、「何が正義で、何が悪なのか?」についても、同時に、考えざるを得ないようにも思われるのである。
つまり、「2003年」に発生した「イラク戦争」により、「イラク」が、実質的に崩壊し、このことが、回りまわって、今回のテロ事件に繋がった可能性も存在するからだ。そして、このような「頻発するテロ事件」を見て感じたことが、「西暦400年前後の蛮族の襲撃」だったが、当時の資料では、「数百年間もの繁栄を誇った西ローマ帝国が、蛮族の襲撃などにより、短期間の内に滅んだ」とも述べられているのである。
ただし、この点については、「内憂外患」という言葉のとおりに、「外部からの攻撃」に加えて、「内部での崩壊」が存在したために、このような結果となったようだが、実際には、「啐啄同機(さいたくどうき)」という言葉のような状況が発生した可能性もあるようだ。つまり、「卵が孵化する時に、内側から雛鳥がコツコツとつつく様子を『啐』と呼び、親鳥が外側からつつくことを『啄』と呼ぶ」というものだが、この点については、「卵」だけではなく、「文明」や「金融システム」、あるいは、「大組織」などの崩壊時に起こる現象とも言えるようである。
つまり、頻発する「テロ事件」が、外部からの崩壊圧力であり、また、「通貨の堕落による、金融の弱体化」が、内部からの崩壊圧力だと考えているが、現在では、両方からの圧力が高まりを見せている状況とも考えられるのである。別の言葉では、「世界各国の中央銀行が、国債を大量に買い付けている状況」が、「民間金融機関の、実質的なマヒ状態を生み出す可能性」に繋がることを危惧するとともに、「紙幣の増刷」以外に、打つ手が無くなったと思われる「先進各国の現状」を鑑みると、今から1600年前の「西ローマ帝国」の崩壊を考えざるを得ないのである。
そして、この点が、はっきりと認識され始めるキッカケが、「国債価格の暴落」だと思われるが、現在では、この点を危惧する人々が、急速に、「貴金属」や「株式」などの「実物資産」を買い始めているようである。(2016.7.14)
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姿を現し始めた「インフレの大津波」
過去数年間の「世界的な金融情勢」を振り返ると、「2008年のリーマンショック」が、実際には、「金融の大地震」に相当し、その後の、「量的緩和」や「マイナス金利」については、「インフレの大津波が、水面下で進行していた状況」のようにも感じている。つまり、自然現象の「大津波」については、「3・11の大震災」からも明らかなように、「地震の発生後、数時間で大津波が襲った」という状況だったが、一方で、「インフレの大津波」については、「実際に姿を現すまでに、数年間という時間が必要だった」ようにも思われるのである。
しかも、自然現象の「大津波」については、「波の速さと高さ」に関して、「最初は、早いスピードで移行するものの、陸地に近付くにつれてスピードが緩む」、また、「波の高さは、高くなったり、低くなったりする状況」も説明されている。そして、「陸地に近付いた時に、引き潮のような状態が発生し、その後、急激に高波が押し寄せる」とも言われているが、この点を、「インフレの大津波」に当てはめると、現在の「マイナス金利」は、まさに、「インフレの大津波」が押し寄せる前の「引き潮」のようにも感じられるのである。
別の言葉では、「人類史上、初めての経験」とも言える、現在の「世界的なマイナス金利」については、「どのような理論をもってしても説明がつかない状況」であり、実際には、「1971年のニクソンショック」以降、「どれほどの金融資産が生み出され、そして、その資産が、現在、どのような状態となっているのか?」を、深く考えない限り、理解できない状況とも想定されるのである。
そのために、私自身としては、過去40年間、この点を考え続けてきたが、現在では、全ての出来事が繋がりを見せるとともに、すでに始まった「貴金属」や「株式」の価格上昇が、「沖に見え始めた津波」のようにも感じられるのである。つまり、今後は、「株式」や「商品」、あるいは、「土地」などの「実物資産」に関して、価格上昇のスピードが速まる可能性を考慮しているが、同時に、「国債価格の暴落」が始まった時には、「世界の中央銀行が、大量に、紙幣の増刷を始める状況」も想定されるのである。
そして、このことが、「ギャロッピング・インフレ」を意味しており、その後、「約6か月間のハイパーインフレ」に移行するものと考えているが、この点については、「過去と未来が交錯する日」である「8月21日」までに、「結論が出るのではないか?」とも考えている。(2016.7.15)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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