マンション生活で知り得た社会問題を考える(16) ― 羽田への刑事告訴は会計不正疑惑隠し
- 2016年 8月 15日
- 評論・紹介・意見
- マンション管理組合羽田真一
近時の3報[(13)~(15)]でやっと現実に直面している管理組合理事会との問題をリアルタイム的に論ずる段階に近づいた。即ち、理事会が提起した羽田の刑事告訴問題(マンション内外に配布する文書差止めへの抵抗)と、その基になった羽田の組合会計閲覧公開要求の不履行問題である。[大多数の組織管理組合]対[個人住民羽田]の対決となり、少しでも打開前進させるために、これらを今年の1月、2月に二つの公開質問状として理事会関係役員と後ろ盾の管理会社(大手不動産子会社と(建築)コンサルタントの2社)に宛てるとともにマンション全戸に配布した。さらに概要をちきゅう座へ[(15)報]として投稿し公にした。返答を強要するための「公開」でなく、内外の社会に広く知ってもらいたい意図を込めての公開だから、別に内容証明郵便にはしなかった。2月8日に今度の管理規約・諸細則改正の原案が公開されて3月19日にその説明会を開くから意見を2月末までに提出せよとの要請に応じたが、そのための努力の割にはアリバイ作りに使われただけの結果には失望している[(13)報]。揺るがぬ管理会社支配という根本が改まらないマンションの理事会に対し個人としてどんな対処が可能であろうか。これまでの経過から推して多くのマンション生活に潜んだ管理問題と思っている。我が思想力と言論力を強化して広く世間に訴えることにしたい。
1. この管理組合は社会問題が集積
築36年間の当マンション管理の変遷[管理会社の直轄管理(1999年まで)→エセ自主管理(2012年まで)→直轄管理復活(現在まで)]が今日の当管理会社マンションの紛争に繋がっているとの羽田の結論に至っている。特にエセ自主管理時代に管理会社は管理人を代理役として(現在はマネージャーを就けて)組合を統御し、コンサルタント会社(建物維持だけでなく組合管理運営補助も)紹介の弁護士・マンション管理士に委託して理事会を助け、羽田排除の法的対処を強化している。その間一貫して管理会社の支配は変わらず、それを支える有力住民集団が出来上がり、もの言わぬ一般住民を作り上げて全体を構成し、一人もの申す羽田(2,3の賛同者は存在するが)の排除にやっきとなっている。彼らは法律の専門家の助けを借りて、羽田の文書配布が「資産価値の下落」をもたらした、羽田を名誉・信用棄損する人物と虚構の作文で住民を味方につけ警察をも巻き込めば、邪魔者羽田を排除できるとの魂胆であろう。住民本位の正常な管理組合運営の実現を願い、マンション内外に実情を訴える文書配布を続ける一住民の羽田に、貴重な管理費を注ぎ込み、法律の専門集団を使ってまで排除を仕掛ける管理組合とは一体何であろうか。羽田には正しい [言論・表現・思想・居住の自由などの上位の法律(憲法)の縛り]が支えである。地区・市・県・法務局・警察・裁判所などの下級公共機関も不作為の態度(訴えを知ってもそれを仕事として採り上げない)で、結局は管理側の味方となることを体験した。管理会社は[鬼に金棒]状態が完成したと考えているのであろうが、根本は住民が納める[管理費]を巡る、管理運営不正、裏での会計不正疑惑の問題と考えている。経験した状況から、その背後に長年かかって築き上げた管理組合の[管理費]収奪の仕組みが存在すると見ている。その中身は次のような要素からなっている、
①有力住民による要職のたらい回し人事で、組織の機密・秘密を保持。
②会計は管理会社・一部理事会幹部のみ関与し完全密閉化、実証性のない総会決算で素
通り(監事監査はお飾り)、特に大規模修繕工事はどんぶり勘定で細目費用は非公開。
③管理運営では総会を形骸化し、不都合課題を採り上げず住民の意見は聞かず。順番
クジ引き制短期理事からなる理事会は住民を代表せず、管理会社の意向に沿う運営。
④情報操作で情報遮断を武器にする、議事録は中身なし。不都合ごとはいつも事後承諾。
⑤物言う住民には種々のバッシングで沈黙させ排除する。匿名の種々のいやがらせ。
⑥管理規約・諸細則の改正の動きは過去の管理不正を帳消しにする狙いである。
その結果、全てに管理会社に従順で、自分の姿が見えないガラパゴス的マンション社会、孤立した管理会社マンションが出来上がっても住民は納得している。羽田はこの2つの公開質問(文書配布禁止刑事告訴と会計閲覧非公開)は同根の問題であると考えている。
2. 公開質問状への、その後の動き
かなり具体的な項目での公開質問であるが、どうせいつも通り無視無回答を決め込むのだろうと回答を期待していなかったが、予想に反して反応があった。告訴問題に対しては配布直後の理事会(1月23日)で「管理組合、コンサルタント、管理会社としては回答しないことを確認した」と議事録に記載して、いやに早く(2月10日)回覧してきた。この回答は答えになっていないが、一切無視を貫いてきた理事会に公開質問に応えねばならぬ何かの動機があったのかと疑わせるものがあった。
2.1 文書配布差止め刑事告訴の動き
文書配布問題については毎月の議事録で相変わらず、「現況の説明と今後の見通しについて報告があった」と現F(訴訟)専門委(前々理事長)の具体性のない報告で情報のシャットアウトが続いていた。3月19日に管理規約・諸細則改正の原案説明会の後、公開質問無回答への直接対話の機会と考えてT理事長に話し合いを提案したら、意外にもそのF専門委も出席すると4月9日を指定してきた。しかし、彼らは公開質問には一切答えず、F氏は「質問に答えるとあんたの土俵に乗ることになるから答えない」「文書配布は法律違反だ」「手紙に名前を書かれた痛みが分かるか」と攻めてきた。彼は過去に理事長や専門委員として何度も強引な修繕工事を前倒し実施した有力管理中枢の一人であり、「あんたの要求は届いていない」と文書配布を否定し、羽田の理事会傍聴・資料配布要求を拒否したり、羽田出席の総会懇談会をいきなり中止した強硬派の人物である。T理事長は空々しく「理事会はもう管理会社の言いなりではない」と付け加え、結局、短い45分間の話し合いは全く不十分で平行線のまま終わった(羽田は前以て初回の自由な話し合いはそれでよいと断っていた)。
定期総会(5月29日)は前年総会の刑事告訴承認の経過や結果を質すよい機会として準備していたが、予期せぬ体調不良で欠席となった。1か月たっても議事録すら回覧しないので、新H理事長に電話で問い質すと「前年2015年4月24日に告訴は警察に受理された。その経緯結果は捜査中だから報告できない。」と、総会資料には書かず口頭で報告したとのことである(捜査は警察の行為のはず)。理事会は未だ議事録に「文書配布の近況報告と今後の対応」とだけ書いて羽田と住民を騙し続けており、4月9日の話し合いも騙し通したことになる。受理・捜査があれば、羽田に警察からの呼び出しがあると県警等から聞いていたが、1年以上も経っているのに現在に至るまで何の連絡もない。警察に問い合わせたが「何も答えられない」と剣もほろろに断られた。これでは告訴対象になっている本人には進行している事実すら確かめられず、受理が本当かどうかさえ相手の脅しの道具に使われても黙って待つしかないのか。こんな司法制度は納得できない。それで、文書(7月20日)でH理事長に「受理の何らかの証拠」を示せと要求したが、それには無回答で(7月28日)警察の問題と突っぱねてきた。再度この件についての話し合いを提案したが、H氏からF、T氏とも今度は会う必要がないと断ってきた。羽田は刑事告訴自体が無理筋の話であり、告訴状の受理もあまりにも理不尽な話と思っている。信用できない相手だから、証拠を見るまで警察の訴状受理を認める訳にいかないと考えている。
2.2 会計帳簿閲覧非公開の動き
会計閲覧については最近(7月16日)、H理事長から電話で「見たい会計書類のリストを示せ。そしたら対応する。」との上から目線の提案があった。これは本末転倒の危険な誘いの提案と考え「実施する前にもっと具体化条件を詰める話し合いをすべきだ。お互いに合意の書類を交した上で実施に応じる」と逆提案をした(7月20日、それにも未だに返事がない。そもそも2013年の簡易裁判所調停の合意事項が「実施条件は理事長が誠意をもって対応する」であるがそれを実行せずに来た)。過去にわざと当方の要求年度をずらして内部監査したり、当方が要求している閲覧書類名を具体的に記さず「公開を提案したのに見に来なかった」といちゃもんをつけて自分たちを正当化して現在に至っているからだ。当方が何度も具体的に会計疑惑項目を記述して指摘し、その関係書類の閲覧を要求しているのに、外部に情報を漏らせば6か月閲覧停止など制限条件付き閲覧試案で脅し時間稼ぎし、前以て理事会内部で勝手に保管文書リストを改ざんしておいて、「すべてを見せる」としか示さないところに羽田が不信感を持つのは当然であろう(これらもF氏が関与、絶対に証拠となる書類は避ける)。疑惑を晴らす義務は理事会側にある。それを怠っているのは誰かと問いたい。会計帳簿を保管しているのは管理会社・理事会であり、会計に疑いがあればそれを晴らすのは組合員でもある役員の義務である。自ら調査して結果を公開して納得させるべきである。裁判に貴重な時間と公金を使うなら、外部の公正な公認会計士に委託して疑問を質すべきである、裁判より費用が少なく早く結果が出る。これだけ上述の防御策略で閲覧実施を阻止する行為に、見せられない会計不正の疑惑がますます深まるばかりである。自らの管理規約第78条違反を正すことが、この紛争解決の早道であると確信する。
3. 管理組合中枢・理事会の管理犯罪を問う
正常なマンション管理を願う住民を、管理会社を中核とする理事会管理中枢が警察まで利用して刑事告訴を進めて脅し排除しようとしている。彼らの主張と行動が真に正当であるなら堂々と自分たちのやってきたことを文書にして外の世界に訴え賛否を問えばよい(羽田が[ちきゅう座]にそのまま記述して投稿することを提案する)。
これまでの羽田の公開質問以降の近時の理事会の動きをF専門委の行動を中心にまとめてみると、彼らの邪(よこしま)な行動が見えてくる。警察とともに告訴関係の情報を知っていながら、当事者羽田に情報を全くシャットアウトしている状況から、羽田が疑い推察することは許されてよいであろう。まず、彼らの訴状が前年4月に受理されたのは本当だろうか。受理されていないのに警察の捜査待ちと言って時間稼ぎすることも考えられる。さらに、受理されたが、警察は内容から事件の価値なしと放置しているのではないか(すでに1年4か月たつ)。羽田は理事会がこの総会まで警察の受理を公表しなかったこと(先の臨時総会での刑事告訴承認時は大々的に掲示した)、また、最近(7月14日)、役員が弁護士に相談を持ちかけていることを考慮すると、この件が検察の取り上げに至らなかったと見るのが自然であろう。管理中枢(特にF専門委)にとっては総会を使い管理費を注ぎ込みながら羽田告訴が間違いであったことになり、当然のことながら責任が問われることになる。対象者羽田がだまし脅しをいつまでも受け続ける状態は許されないであろう。でっち上げの総会資料とウソの報告作文で羽田と住民を騙してきたことになるからだ。
大きな管理不正をやってきて、それを問われると企業や集団や金や情報の力でもの言う個人を脅し黙らせ排除する。やってはならないことであるが、孤立マンション状態では可能となる。羽田はそれを内外に訴えている。結局、現実には文書配布差止め刑事告訴も管理不正特に会計不正疑惑隠しの狙いであると結論付けられる。管理会社マンションの管理中枢と羽田個人のどちらが正しいかは、社会でのこれからの経過結果が証明するだろう。[(16)報終り]
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion6216:160815〕
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