テント日誌12月2日…「核のゴミ」が資産?
- 2016年 12月 6日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
- 岡志憧さんライブ・ペインティング
- 井上めぐみさん講演・写真展示「福島の涙は、私たちの涙」
経産省前テントひろば1807日後
幾分か寂しい座り込みだった 12月1日(木)
いつもの通り、2人で準備。朝方雨があったけど、事務所に着いた頃にはすっかりあがりとても良い天気。「晴れてよかったね!」と言いながら事務所を出たが、先週のみぞれ模様での寒さに懲りて完全防寒の出で立ちで来た為歩き始めると暑い。
設定を終えて上着を脱いで座り始めた。ところが今日は良い天気なのにお巡りさんも来ず。暖かい日の光の下、2人各々雑誌を読み始めた頃、お疲れ様!と声をかけていく人も。今日は二人だけかと思いきや男性1人、女性一人参加。計4人の座り込みでした。(T)
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今日もいい天気 12月2日(金)
11時に事務所に到着。Tさんを待つが今日は遅いようだ。何しろ今年2回目の引っ越しをこの11月末に終わらせたばかりだから。忙しいのだろうと思っているうちに電話がかかってきた。「今、内幸町に着いたが、そこから事務所への行き方が分からない」と言う。「日比谷通りに出て、外堀通り出ればいいよ」と教える。それから間もなくしてから無事到着。2人で椅子7脚、ポール6本、トラメガ、テーブル1つ等々をキャスターに積んだ。かなり重い。ゴムのバンドがもう後2~3本あるとしっかりと固定できるのだが。荷物が崩れることなく経産省前に到着した。経産省の正門前に到着した頃は、汗ビッショリ。しかし、空気が乾燥しているから汗が引くのも早い。
荷物を下ろして、バナーや幟旗をセットして座り込み開始。ちょうど12時20分。お陰さまで、今週もよい天気。やや北風が強く、バナーを取り付けたポールが倒れるかもしれないと心配する。でも、陽射しが当たる位置ではポカポカ本当に気持ちがよい。日が傾いてくるとひんやりとする。時々物珍しそうにバナーの文字やチラシなどのぞきこんで行く人がいる。
制服警官が一人「車イスを撤去してください。」と言う。「えー?」と皆声をそろえて言う。「椅子を撤去してください」繰り返す。そんな警官に「抗議行動の座り込みに使う椅子だから撤去できない。」警察官もめげずに「よろしくお願いいたします」と言って行ってしまった。「上官に命令されて来るのだね」との声。まだ警察官なりたてのような感じである。
3時を過ぎるとOさん、Sさん、Yさん、Hさん、Fさん、がやってきた。10人を越える座り込みになった。各々が思い思いに座り込む。差し入れのチョコレートや柿やクッキーを頂きながら談笑する。金曜日の座り込みは人数が足りないと言うことはない。(S・S)
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師走って言葉はまだ生きているのだろうか 12月2日(金)
忘年会の季節だ。年の暮れになかなか実感がわかなくてもうそんな季節になったのか、という思いがする。季節の感覚に馴染んでいた暮らしの匂いなどが薄くなってきていて、なにかもう一つ落ち着かないという気がしてならない。師走って言葉は生きているのだろうか、と自問することもある。そんな日々の中で、身内だけで葬儀は済ませましたという「喪中のハガキ」もとどけられるが、これはスシリとくる。ありし日の友人の面影を思い浮かべるのだけれど、何とも言えない寂しさがある。この忘れ去られることの速い日々の中で、ありし日々を思い出している。僕らが生きた時代を去りゆく友とともに偲びたい。
テントの跡地の敷石を無造作にそして無神経にはぐ工事をやっている経産省というか、官僚権力の振舞いに何とも言えない怒りが湧いてくる。テントは市民や地域住民の原発問題を語り合う、あるいは行政権力の原発再稼働に反対の異議申し立ての場だった。それは市民や地域住民の共同の意思が現れる場だった。彼らはそれを「公共の福祉」の名において、排除した。その結末が花壇を創ることらしい。花壇を創ることが、原発についての意思表示よりも「公共の福祉にかなっている」。これが彼等の考えのだろう。これはささやかなことにみえるが、極めて重要で根本的なことを示している。いうなら、これは地域住民の意思に反して、その生活の場に軍事基地をつくることとかわりはしないのである。権力は人々の生活の場に支配し、「公共の福祉」の名において、その生活の場の破壊をやっている。こうして権力の動きに抗して、自己の生活の場を守ることはそれほど、公共の場を維持する行為だ。
経産省はテントの跡地を花壇にするなら、経産省内の他の場所を僕らに提供すべきだ。僕らは現在。議院会館でやっているようなヒアリング集会などを行うし、国民の目の届かないところで進められる原発再稼働や保存の動きを監視し、意義申し立てを行う。国民(市民や地域住民)の意思とは外れた密室で共同的な事柄が決められ、僕らにはそれを従うしか道がないこの日本の権力の構図を認めてはいないのだ。公共的なものが現れる、この日本的な様式を変えたいと思っている。それなしには日本では公的なものは出現しないのだ。国会は強行採決が常套化することで、国民の意思を実現する場としての機能を失っている。日本では国会(議会)という形態と官僚組織という形態で国民の場を破壊し、再編する様式があるが、闇の内にことを進める官僚機能と強行採決を連発する国会の機能でそれは進められる。いずれも「公共の福祉」の名においてだ。高江のヘリパッド建設も、原発再稼働や保持の政策も、カジノの認可もおなじである。国民の意思を通す場がない。僕らは、自分たちの意思を座り込みやスタンディングで現わすしか方法を持ってはいない。これはささやかで、きついものだ。かつてある時代を共に闘い、今、逝くし友を偲びながら、こんな風に僕らの道を行こうとしている、と告げる。僕の胸には師走という言葉がかすかに生きてあるのをかみしめながらだ。(三上治)
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経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その10
「核のゴミ」が資産?
~18000トンの使用済み高レベル放射性廃棄物は資産でなく巨大負債だ~
木村雅英(経産省前テントひろば)
11月25日の院内ヒアリング集会「使用済み核燃料と原発コストを問う」で、資源エネルギー庁の担当が次のことを認めた。
●使用済み核燃料は高レベル放射性物質である
●電力会社ではこれを「資産」として扱っている
皆さんは知っていましたか?
2014年4月に日本原燃の川井吉彦社長は、「国内に存在する約1万7千トンの使用済み核燃料を原発の燃料として再利用した場合、原油換算で約15兆円の資産価値がある」と言っている。
確かに電力会社は、海外から高価で買い付け加工処理した核燃料を数回発電に使った後に「核のゴミ」になるとは認めたくないだろう。しかしながら、これが現実だ。「トイレなきマンション」の「うんち」は本物のうんちと違って肥料にはならない。使用済み核燃料は10万年も保管・管理が必要なとんでもない高レベル放射性廃棄物であり「核のゴミ」だ。誰かが秘密裡に買うと言ってきても、核不拡散を考えれば絶対に許されない。
それゆえ、<電力会社は、使用済み核燃料は「再処理する」ということになっているので、バランスシート上では「資産」になっている。ところが.原発ゼロとなった瞬間、帳簿上、資産ではなく「ゴミ」になるので、債務超過に陥る。>(池上彰)
だからこそ、経産省が、「もんじゅ」をあきらめても、官民合同の「高速炉開発会議」を立ち上げて核燃料サイクルを維持しようとしているのだ。
原発は安全、原発は安い、原発無いと電力足りない、原発はクリーン(ゼロエミッション)、原料は「準国産」、などなどの大嘘をついてきた経産省。「原発は安い」の嘘には「核のゴミ」を「資産」扱いにするウルトラCの大嘘もあったのだ。
この数か月間拙速に検討されている「電力システム改革貫徹」(これも変な命名だ)では、イチエフ事故ゆえに増大した賠償金が足りなくなって「過去分」と命名し、発送電分離の目的に反して託送料金にかぶせようとする(その9)など、めちゃめちゃな「大嘘の上塗り」が今行われようとしている。
何としても止めないといけない。
12月7日(水)東電解体!東電本店合同抗議行動
日 時:12月7日(水)18時30分より19時45分
場 所:東京電力本店前
呼びかけ:「経産省前テントひろば」・「たんぽぽ舎」
賛同団体:東電株主代表訴訟など約126団体
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経産省前テントひろば・反原発美術館テント
丸木美術館「今日の反核反戦展2016」にて再建展示
イベント案内
2016年12月10日(土) 制作開始10時ごろ、作品完成予定13~14時ごろ
気鋭の現代アーティスト・岡志憧さんが、テントの布地に直接絵を描くライブ・ペインティング。
2016年12月18日(日) 開始13:00、終了予定15:00
名古屋在住の井上めぐみさんは、2011年5月より福島に通い、被災地・被災者支援を行っています。
12月9日(金)午後5時から経産省前抗議行動。テントひろば主催
再稼働反対官邸前抗議 18時~20時 首都圏反原
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