石ころを孵化するのと等しい(六)
- 2017年 1月 10日
- 交流の広場
- 金剛力士
出所 【 民主中国 】 時間 : 12/24/2016
中国を市場経済国として認めないのは米日欧の間違いか?(六)
著者:高智晟
司法の審判は国家権力の重要な一極である。憲法を根拠に、国家の名目による行使は司法権の合法的な及び正当な行使の重要な要件であり、全世界一律である。経営者としての新疆生産建設兵団の各農場の「裁判所」は「憲法」の外で「司法審判」権を行使しているのは実に事実であり、更には実は彼らは国家の名目で行使しているのではない。私は嘗てこの出鱈目な現象を指摘したことがある。結果農六師の中級「裁判所」の人に責められて曰く「お腹いっぱいに食べて腹が張ったのではないか、兵団が設立されて半世紀、この事に疑問を呈した者はいない」と。特に内地の当事者が、兵団の農場と商売をして紛争が生じて訴訟事件になった後発見するのは、契約の一方が案件を審理する「裁判所」となることで、後悔と絶望は想像に難くない。しかしこれが現実である。兵団の師級の農場内には最終審の裁判所が設置されており、多くの経営者は常に怒りで吐血し、最後は吐血することしかできない。
新疆広袤不動産会社は農六師の下に属している単位で、最初の不景気の頃、農六師の下級農場は兵団に手紙を書いて不動産会社に農場を接収してくれるよう頼んだ。不動産会社は直ちに書面で拒否の回答を行った。後に広袤会社が千万近い巨額の資産を蓄積すると、農六師の下級農場は突然強行「接収」を行った。この会社は白益本父子3人が投資して発展させた会社で、農六師の財産略奪の暴行に対して告訴した。結果は一家破滅の災難を蒙った。指名手配されて逃亡した70歳余りの白益本老人は、年末の30日に私の故郷の墓で私を待ち、二人の息子白生俊、白生疆は無期懲役に処せられた。私の記憶では当時の農六師の検察院の起訴科長曹超は「公訴人」を任じ、彼はならず者の匪賊そのもので、私の前の二人の新疆の名弁護士は彼に剥き出しのならず者の手段で追い払われ、裁判が終了すると、彼は「法廷」の入り口で腕を伸ばして私を塞ぎとめ、「お前は犯罪の嫌疑があるので連行して調査を受けなければならない」と言い、下品にしつこく絡み続けた。白家の人が私に告げたのは、彼らの家から略奪した豪華な車は曹超の専用車になったと言う。
私が述べてきた上記の幾つかの経営者からの野蛮な略奪という暴行は、すべて中国がWTOに加入したのちの事であり、白益本老人一家の悲惨な境遇は、中国の持続的で普遍的な非「国有」経営者及び財産所有権者の悲惨な運命の縮図である。中国のWTO加入後、中国の非国有経営者及び私有財産所有権者のこのような恐ろしい境遇はその質において如何なる変化も生じておらず、このような恐ろしい国において、自由な経済制度を建立することが出来るというのは、ただの石ころを孵化する効果に等しい。
陝北の村で 2016年12月17日。
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