「ヘイト・デマ ニュース番組」の元凶・DHCとの闘いにさらなるご支援をー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第99弾
- 2017年 1月 29日
- 時代をみる
- 澤藤統一郎
よく晴れた、暖かい土曜日の午後。DHCスラップ訴訟勝利報告集会にご参集いただき、ありがとうございます。
本日講演いただいた田島泰彦先生、弁護団の皆さま、貴重な発言をいただいた皆さま、そしてこれまでのご支援をいただいた皆さまに心からの感謝を申しあげます。
元来が気の小さな私。多くの方からの応援の声に支えられて持ちこたえ、ようやく降りかかった火の粉を払うことができました。
嬉しいことに、この間多くの方から「DHCは怪しからん」「今後DHCの製品は絶対に買わない」「DHCのコマーシャルにはスイッチを切る」「機会あるたびに、周りの人にDHCや吉田嘉明の酷さを知ってもらうようお話ししている」と言っていただいています。不愉快な思いはさせられましたが、負けずにがんばった甲斐があったというものです。
とはいえ、考えてみれば、今のところは「降りかかった火の粉を払う」ことができただけ。もしかしたら、「斬りかかってきた刃を、ようやくかわした」だけというべきかも知れません。斬りかかった者には、相応の制裁がなされなければなりません。でなければ、この「犯人」からの再びの理不尽な攻撃の恐れは払拭されないからです。
斬りつけられ、あわや傷つくところだった被害者は、私一人ではありません。斬りつけられた刃が狙った真の被害者は、文明の基本原則である「言論の自由」であり、言論の自由に支えられた民主主義や人権など市民社会の普遍的な原理であったと思うのです。
DHCスラップ訴訟の勝訴によって、その被害は救済されたでしょうか。実は、多くの人が、DHC・吉田への批判に口をつぐみ、言論を萎縮している状況に変化はありません。DHC・吉田は刃を振り回すことによって、既に大きく「言論の自由」を傷つけているというべきではないでしょうか。
スラップとは、「勝訴による被害救済を目的とする訴訟」ではなく、「提訴自体がもつ批判の言論への萎縮効果を狙う訴訟」にほかなりません。ですから、DHC・吉田は、本件の提訴そのものによって既にその目的を遂げているのです。
DHC・吉田は、高額損害賠償請求訴訟の提訴で何人かの被告を恫喝し、そのことを通じて、自分を批判しようとしている多くの人たちの言論を萎縮させているのです。この事態において、「言論の自由」の被害を回復するには、反撃の訴訟が必要だと思います。
時はまさによし。この集会にタイミングを合わせた如くに、DHC・吉田嘉明のヘイト体質がいま大きな話題となっています。TOKYO MXテレビの「ニュース女子」沖縄ヘイト番組を制作放映した元凶はDHCにほかなりません。吉田嘉明とは、単に行政規制を嫌ってその緩和・撤廃を求めるネオリベ事業者であるだけでなく、在日差別の広言者として、また沖縄の平和運動への敵対者として私たちの目の前に姿を現しています。「澤藤被告始め数十名の反日の徒より、小生および会社に対する事実無根の誹膀中傷をインターネットに書き散らかされました」と、自分の批判者には「反日」とレッテルを貼る真正右翼以外の何者でもありません。
多くの方に、ご支援を得る条件が調っているではありませんか。私は、2年半の『被告業』を営んでまいりましたが、あらためて『原告業』『スラップ糾弾業』に転進することを宣告いたします。
新たな訴訟を通じて、スラップ訴訟が言論の自由に及ぼす害悪を告発し、闘い続けることで、スラップの「言論萎縮効果」ではなく、「反撃誘発効果」の成功例を作りたいと考えています。
もっとも、本日の議論でも繰り返されたとおり、DHC・吉田のスラップに対する制裁として、660万円程度の損害賠償請求訴訟では、経済的強者にとっては痛くも痒くもないだろう、という見方も当然にあり得ます。しかし、ホームページで自白しているとおり、吉田嘉明は自分への批判に対する耐性が脆弱なように見受けられます。他からの批判や反論が的を射たものであれば、十分に「痛くも痒くもある」ように思われます。訴訟という公正な場と手段による批判や反論は、それなりに有効で有益なスラップ抑制効果をもちうるのだと思っています。
もちろん、DHCのスラップやヘイトを阻止するために、真に実効性ある批判の手段としては、経済的な制裁が必要と考えるのが常識でしょう。スラップ常習企業として知られた武富士が結局は企業の体をなさずに没落したように、スラップやヘイトを繰り返す企業には、賢明な消費者による消費者主権の行使としての制裁が期待されるところです。そのことによってはじめて、現実的に企業の違法を是正することができると思うのです。
世論にそのような訴えを継続するためにも、DHC・吉田によるスラップの問題をいま獲得した勝訴の確定で終らせず、闘い続ける意義があると思うのです。私は、これまで『被告業』を営んでいる間を通じて、「幸せな被告」でした。ぜひ、皆さまの重ねてのご支援で「幸せな原告」にしていただけますようお願い申しあげます。
なお、下記のコンセプトで報告文集を作成します。
☆DHCスラップ訴訟の経過と勝利を記録し世に広める。
☆スラップ対策実務に役立つものとする。
☆読者対象は、市民+ジャーナリスト+弁護士。
☆発行主体はDHCスラップ訴訟弁護団(光前団長)
☆B5版横組み 本文144頁+表紙 1500冊を作成
頒価は1000円(+消費税)とし、利益は弁護団会計にいれる。
☆内容の概要(4部構成)
(1) 経過報告
(2) 感想・祝意・メッセージ
(3) 論文(弁護団長・田島先生・常任弁護団員)
(4) 資料(訴訟に提出されたものを主として)
本日の田島先生の講演は、論文として全文掲載いたします。
☆2月末発刊を目標とする。遅れても、3月上旬に。
まだ間に合います。この報告文集への寄稿をお願いします。論文・感想・エッセイ・メッセージ…、なんでも結構です。長さも問いません。こちらもよろしくお願いいたします。
(2017年1月28日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2017.01.28より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=8046
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye3875:170129〕
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