「瑞穂の國記念小學院」の敷地取得価格の怪は、戦前回帰を目指す一大勢力蟻の一穴
- 2017年 3月 4日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
瑞穂の國記念小學院創立を巡る一連の事件を概観し、中でも国有地払い下げ価格に注目していまして、たまたま、英国ガーディアン紙の東京発の報道が眼に止まり、他国から観たこの事件を参考にしようと読むうちにある表現が気になりました。 それは、記事冒頭でこの土地取引を“a sweetheart land deal”(恋人:転じて「馴れ合い」の土地取引)と書かれていたからです。
Shinzo Abe and wife under pressure over ties to ultra-nationalist school The Guardian Justin McCurry in Tokyo Friday 24 February 2017 08.01 GMT https://www.theguardian.com/world/2017/feb/24/shinzo-abe-wife-akie-under-pressure-ties-ultra-nationalist-school-japan
私は、当該土地払い下げを「仇花」と観ていたのですが、ガーディアン紙の英語表現は、語句そのまま実態であるのかも知れない、と気づきました。
どういう事か、と言いますと。 まず、最初に、本日の宮本たけし議員のfacebookを御覧頂きましょう。 其処には、こうあります。
(参照)
「森友事件の原点は「大阪府教育基本条例」をつくった頃の維新政治に根がある。2012年2月26日、安倍晋三氏を大阪に招いて教育シンポジウムを開いた主体は維新勢力であったことに注意。」
https://www.facebook.com/miyamototakeshi.jcp/?ref=page_internal&hc_ref=PAGES_TIMELINE&fref=nf
どういう事か、と言いますと、何時ものように「よどきかく」さんの事件一覧表を観ますと、当該のシンポジウムについて主催された一般財団法人日本教育再生機構の或る集会に関わる記事があり、集会参加者の発言が掲載されています。
集会は、安倍元首相と維新・松井大阪府知事の登壇シーンから始まる、とあるとおりに、何やら意味深です。
当該集会主催になる日本教育再生機構の理事長 八木秀次氏の言を読むと、「教育を通じて国民意識を覚醒させ、国家への愛情を取り戻すことーこれは衰退期に陥った国家が再生するに当たって一つの鉄則といえます。」とあるとおりに、復古的国家主義丸出しで、歴史教育には、「育鵬社の中学校歴史・公民教科書の編集や採択を支援することで、毎年7万人以上の中学生が、日本への愛情をはぐくむ教科書で学べるようになりました。」とあるとおりに、大日本帝国礼賛の歴史復古主義丸出しです。
また、「全国各地で教育再生民間タウンミーティングを開催し、政府の「教育再生会議」(第一次安倍内閣)に政策提言をして「ゆとり教育」からの路線転換を遂げさせました。
-中略-
また、第二次安倍内閣のもと発足した「教育再生実行会議」に私自ら委員として加わり、その教育政策を方向づけ、後押しするために、民間のタウンミーティングの開催や政策提言をしています。」とあるとおりに安倍政権の右翼的教育再編の梃として機能しています。
因みに、八木秀次氏が真正右翼であるのかどうか、に関わっては、留保しておきます。私なりに「右翼」については、一応の定義を持っていますので。
動画ダイジェストを公開! ~2/26 教育再生民間タウンミ―ティングin大阪 大阪・教育基本条例の問題提起とは!~ 安倍元首相と維新・松井大阪知事が “教育で連携確認” そこで何が語られ、何が確認されたのか?
http://www.kyoiku-saisei.jp/wf/activity/16860443
ともあれ、「教育再生」をキーワードにすれば、維新治世下大阪府と第二次安倍政権とが、合同する契機がこの集会にあった、と理解は可能でしょう。
「瑞穂の國記念小學院」に関わっては、その財源についても一般的な開発等とは相違した特徴(不思議:疑問)があります。 当該敷地(元国有地)には、金融機関融資の第一条件である担保が付されていないのです。 尤も森友学園所有の不動産が他にもあり、その不動産を担保に借入が為されている可能性もありますが、恐らく、十数億は下らないであろう建設費を如何にして捻出されたのかが疑問です。 何もかも借入金で賄うのは普通の事業者であれば怖くて出来ないのですが、森友学園経営者は、余程に腹の座った人物なのでしょうか。
「瑞穂の國記念小學院」を巡っては、様々な奇怪な事件が集積していますが、それらを繋ぐのは、復古主義的国家再編を目指す政治運動と思えます。 そして、そのために関系した人々は、共通した目的達成のために協働したのではないのでしょうか。
例えて言えば、この事件、Nihonkaigigate ではないのでしょうか。 即ち、日本会議ゲート。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6549:170304〕
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