Global Headlines: ネット版中国人民日報―環球時報 社説より
- 2017年 4月 23日
- 時代をみる
- 青山 雫
中国、北朝鮮に、政権転覆のため米韓地上戦展開なら、軍事介入か?
「中国の北朝鮮核問題に対する現実的解法」4月22日付 社説
http://www.globaltimes.cn/content/1043646.shtml
北朝鮮への説得工作を、トランプに半ば押し付けられた中国の困惑も見て取れる社説。
(要約)
基本軍事介入は避け、説得と石油など燃料供給の大幅削減を基本に、核実験と大陸間弾道弾発射実験を延期する、同時に米韓には大規模演習を延期するよう要請するといった、二面作戦で望む。
米国が北朝鮮核施設への攻撃を行うことは、核兵器を用いた反撃を完全に封じることは不可能に近いから、実行に移されることはまずないだろうが、平壌の政権を転覆するために米韓が、非武装地帯を越えて地上戦を展開するならば、これは中国の望まぬ、朝鮮半島の現状変更を意味するから、中国はこれを座視することなく軍事展開することになるだろう。
(要約了)
「平壌の政権転覆云々」から「座視することなく」の原文は以下のとおり。
“China will sound its own alarms and ramp up their military immediately.・・・
Beijing would never sit back and watch foreign military forces overthrow the Pyongyang regime.”
これを、右翼産経新聞は、
「同紙の「軍事介入」が何を意味するかは不明だ。」
などと不正確極まりない報道している。左右の立場云々以前の基本的読解力の問題。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170423-00000052-san-cn
(筆者感想)
中国としては、米韓軍が地上戦展開して北朝鮮政権が打倒され、米国主導で資本主義国化されるのは当然避けたいのだから、平壌への米韓軍の進行は、何が何でも阻止したいと見るべきだろう。
ただ、同社説は、地上軍展開なら北からの核攻撃がないような想定を立てているが、これはありうる筋書きではないのではないか。中国もある局面では、軍事力に訴えるぞというメッセージを発するために作り上げられた、苦しいシナリオのようにも読めなくはないだろう。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye4016:170423〕
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