SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】213 <世界難民の日>に国連事務総長初記者会見
- 2017年 6月 21日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
6月20日は、<世界難民の日>でした。 この日に因み、前国連難民高等弁官で現国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、ニューヨークの国連本部で記者会見を開きました。 ステファン国連報道事務総長報道官が、連日、「6月20日11時40分から事務総長の記者会見がある事を忘れないで」と、連日にわたり前宣伝したかいがあって、いつもは数人の記者しかいない国連記者室が立見席も埋まる超満員になりました。
なんでも2017年1月に国連事務総長に就任して以来、国連本部で記者会見を開くのは、初めてだったそうです。 マジです。
2017年6月20日の国連事務総長の記者会見、左は国連事務総長報道官
(1) 国連事務総長、初の国連本部記者会見:
2017年6月20日の国連本部記者会見で、「私は10年間、国連難民高等弁務官として難民の苦渋を身をもって共有してきた。そのうえで、難民問題を解決するには国連しかないという強い思いで、事務総長に立候補した」と、アントニオ・グテーレス国連事務総長は冒頭に、自らの体験を語った。そして、「貧しいウガンダでも難民を受け入れているのだから、豊かな国連加盟国は積極的に移民難民を受け入れるべきだ」と、移民難民に背を向けるアメリカを意識しつつ、援助を促した。アントニオ・グテーレス氏は2005年5月の国連総会で国連難民高等弁務官に選ばれ、2015年12月31日に退官した。その間、資金集めに奔走したが、国連事務総長就任早々に、トランプ政権から国連分担金削減を宣告され、またもや、お金で苦労することになった。
(2) カタール紛争に関しての国連事務総長見解:
「カタールを巡るアラブ諸国の対立は、地域社会で解決されるべきだ」と、グテーレス国連事務総長は国連主導の介入に距離を置いた。「カタール紛争は地域を越えて、国際世界を揺るがしている。国連は当然、介入すべきだ」と、アラブの記者が突っ込むと、「私は中立を保ちつつ仲介の努力をするクウェートを支持する」と、国連の立ち位置をぼやかした。
カタール紛争は、6月5日、バーレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、イエメン、リビア暫定政府、モルディブ、モーリシャスは、カタールの首長がテロや過激思想やイランを支持しているとして、カタールとの断交を発表したことに始まった。サウジアラビアはカタールへの陸上輸出を禁止し、国境を閉鎖し、セネガルは大使の召喚を発表。モーリタニアもカタールと断交しサウジ側についた。カタールは一方、外交関係を断絶したアラブ諸国の決定は不当だと非難した。兵糧攻めにあったカタールに、イランとトルコが食料援助の支援飛行機を飛ばした。モロッコも食料を送った。西サハラや国内の人権侵害非難をかわそうとしたのだが、「モロッコの援助食糧に前金を振り込んでないぞ!」と、カタールに文句をつけた。エエ~~、食料援助は有料なの?
(3) トランプ政権に対しての国連事務総長見解:
「アメリカを仲間外れにしたくない」と、グテーレス国連事務総長は、今もアメリカの金を当てにしている。国連事務総長は「話せば分かる」と、トランプ米大統領を説得できるとでも思っているのかな?「仲間から外して欲しい」と、トランプは思っているのに、、
「パリ協定から脱退したアメリカに、制裁をくわえないのか?」との質問に、「トランプ米政府と私の考えは違う。私は、私の信念に基づいて行動している、、しかし、アメリカが気候変動問題に背を向けることはできない。アメリカが世界規模の問題から手を引けば他国がその穴を埋めることになる。それは、世界にとってもアメリカにとっても不幸なことだ」と、語り、「アメリカは国連の大事なパートナー」を繰り返した。<金>が、<カナメ>なんでは?ポルトガ元ポルトガル社会党党首で、元ポルトガル首相で人道主義者のアントニオ・グテーレス国連事務総長の二重顎が、元不動産王で大金持ちのドナルド・トランプ米大統領の顎にダブってきた。意外とお二人は馬が合うかも、、
「難民はテロリストではない。難民はテロリストの犠牲者だ、、テロリストが難民を作った」と、グテーレス国連事務総長は強調しました。 さらに、「難民とは住んでいる所からテロでなどで追われた人々で、UNHCR(国連難民高等弁務官)では基本的に帰還させることを目指している。移民はテロなどで、住んでいる所から自発的に脱出した人々をいう。
いずれの場合も、避難を求められた国や自治体は難民避難民を庇護する義務がある」と、
明解に述べました。
トランプ米大統領閣下、国連事務総長と見解の相違はあろうとも、毎日毎日、餓死や溺死や枯れ死で移民難民が命を落としている事実を認めてください。 難民の子はたまたま、難民キャンプで生まれたので、トランプタワーで生まれたかったのかもしれません。 アメリカカ国民の税金を使うのはアメリカ市民に申し訳が立たないかもしれませんが、あなたのポケットマネーを難民の子供たちに寄付してみませんか? あなたの悪評は、間違いなく絶賛に変わりますョ!!
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年6月21日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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