30キロ圏外は避難しなくてよい?(23時40分更新)/放射能拡散のシミュレーション/東京にも放射線が/3号機付近で400ミリシーベルト
- 2011年 3月 15日
- 時代をみる
- 原発震災
(15日23時40分)
今日ネットとマスコミをウォッチしていて眼についたのは、30キロ圏外でも「避難すべきか」について、言っていることがまったく違っている点。
この点は「原子力資料情報室からのメッセージ」が参考になります。
<「何キロまで離れれば安全か」について判断することは容易ではありません。この判断のためには、放射能レベルと気象条件についての正確な情報が必要であり、さらに、今後何が起こりうるかについての的確な予測が必要>http://chikyuza.net/archives/7431
現状では、原発内の放射能レベルが高く、状況を十分に確認できない部分もあるようです。ですから<今後何が起こりうるかについての的確な予測>も容易ではない。その点を無視して「30キロ圏外は安心」(マスコミ)なんていうのは、やっぱりおかしい。
避難範囲を広げると、実施が難しくなるのは確かでしょう。しかし優先順―たとえば学童疎開とかーを考えるとか、被曝量を減らす工夫とかは、考えて当然でしょう。被災地の救済に力を発揮するためにも、この点は大事だとおもいます。
もうひとつ気になるのは、放射能による症状は何年もたってから現れるものが多い点。ネット上でも「水爆実験での放射能のほうが被曝量が大きかったが、何の問題もなかった」などという議論が見られますが、本当に「何の問題もなかった」のか。この点生方卓さんが挙げられた「欧州放射線リスク委員会の放射線による犠牲者は戦後6500万人に上るという試算」http://chikyuza.net/archives/7417は、今回の問題を考えるうえで重要です。
(15日19時15分)
すでに、1~4号機で爆発があったが、これ以上の被曝の危険は、ないのか?
これを考える上で、興味深いシミュレーション画像が
http://www.spiegel.de/images/image-191816-galleryV9-nhjp.gif
これを見てショックを受けるひとも多いと思うけど、マスコミは、なぜかこれを取り上げない。
これの解釈はよくわからないが、すくなくとも「距離が遠いから安心」というのは、あてにならないような・・・。
肝心の「こんご第一原発がどれだけ放射性物質を放出するのか」は、「各原子炉の今後の状況」に依存しているが、これがわからない。
そもそも、「今がどうなっているか」も、わからないのだから。
ただ1~4号機で爆発があっただけでなく、2号機は格納容器が損傷しているようだし、4号機では使用済核燃料も露出しているのはたしか。さらに5、6号機の温度上昇もある。
ぜひとも情報開示が必要だが、地元自治体にも情報を与えないのだから、一般人に「情報開示」するなんて、あり得ないことか?
(15日16時12分)
東京にも放射線が・・・。今の段階では微量とのことですが、これからどうなるのか?政府から情報がでてこないので、わかりません。
直近の東電の会見でも、福島第一原発の状況は不明の部分が多い。事態を掌握できないほどの状況(放射線レベル)ということでしょうか。
被災地での救援活動を進めるためにも、首都圏が混乱しないよう、ちゃんと情報をだすべきです。
広場に掲載された「たんぽぽ舎」のメール(http://chikyuza.net/archives/7419)では、首都圏でも外出する場合は服装に注意するように、呼びかけています。
「心配しすぎ」、といわれるかもしれませんが、浅川さんの記事(http://chikyuza.net/archives/7400)にもあるように、各国大使館は退避を指示しているのですから、むしろ当然でしょう。
生方卓さんの<「福井原発放射能漏れ」からの教訓>(http://chikyuza.net/archives/7417)も、被曝量を減らす工夫に役立ちます。
(15日12時22分)
第一原発内で同時並行的にシビアな事態が起きている。事態を把握するだけでも大変。
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/
本日11時になって、20キロ~30キロ住民に屋内退避指示。情報を出し惜しみして、指示は後手後手。
「ちきゅう座」では、12日19時20分の段階で「できるだけ30km圏外に」というたんぽぽ舎メールを紹介しているが、情報が集中しているはずの「政府」の指示が、なぜ民間団体の判断より後手にまわるのか。情報をなんのために使っているのか。
(15日11時50分)
3号機付近で400ミリシーベルト(毎時)。
ミリシーベルトは今まで報道で使われていたマイクロシーベルトの千倍の強さ。
放射線業務従事者が1回の緊急作業でさらされてよい放射線の限度が100ミリシーベルト。
250ミリシーベルトで白血球減少、といわれている。(以下を参照。)
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。