HOWS講座のご案内 こんにちの世界政治における中国の位置 ──対決ではなく、友好こそが歴史発展の道
- 2017年 8月 11日
- 催し物案内
下記HOWS講座のご案内です。ご参加いただければ幸いです。
こんにちの世界政治における中国の位置
──対決ではなく、友好こそが歴史発展の道
講師=久保孝雄(神奈川県日中友好協会名誉顧問 アジアサイエンスパーク協会名誉会長)
日時=8月19日(土)13時~16時30分
会場=本郷文化フォーラム(略称 HOWS)ホール(本郷3丁目徒歩3分)
e-mail:hows@dream.ocn.ne.jp
<報告の問題意識>
書店の国際問題コーナーに行くと「世界中から嫌われる中国」「世界をぶち壊す中国」「中国の余命はあと半年」といった「反中・嫌中」本のオンパレードだ。隣のコーナーには「アジアの盟主は日本」「世界中から尊敬される日本」といった日本礼賛本がずらりと並ぶ。戦前盛んだった「暴虐な支那を懲らしめろ」の反中論、「神国日本は不滅だ」の日本礼賛論と瓜二つだ。日本では10年前から「中国崩壊論」が盛んだが、この10年で中国はGDPで日本を抜き、米国に迫りつつある(購買力ベースでは中国が1位)。
それどころか、米国の世界覇権の崩壊につれて、世界の政治・経済における中国の存在感が日増しに高まっている。中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加国拡大(日本主導のADB=アジア開発銀行の67か国より多い85か国)、「一帯一路」計画への参加国の拡大(70か国、20の国際機関)、ユーラシアに広がる「上海協力機構」(中露が主導、中央アジア、インド、パキスタン、イランなどが参加)、BRICSの結束など、中国パワーが既存の世界構造・秩序を変えつつある。
中国敵視、中国包囲を呼号する安倍・日本は戦前同様世界史の動向に目を背け、独善的な世界認識(安倍が頼る米国はすでに覇権を失い、世界で孤立)で国の進路を誤りつつある(最近、さすがの安倍もAIIBや「一帯一路」への支持に傾きつつあるが、戦術的修正にとどまるだろう)
日本を世界一の「反中国」にしたのは、尖閣問題などで「中国脅威論」「中国横暴論」を煽り、中国敵視をすすめる安倍政治だが、これに便乗、加担し、「反中・嫌中」を煽りまくるマスコミの責任も大きい。さらに、政府、マスコミが操作する強力な反中世論に押しまくられ、抗しきれずに迎合する左派やリベラルの間にも「反中派」が増えている。日本は中国に対し、歴史認識を正すと同時に、中国の現実を直視するという二重の課題が生じている。
<講師プロフィール>
久保孝雄(くぼ・たかお)
1929年茨城県生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。?中国研究所、労働調査協議会などを経て、1975 年長洲知事の政策スタッフ(知事補佐官)として神奈川県庁に入る。県理事を経て副知事(87 ~ 91年)。1991年日本初のサイエンスパーク「かながわサイエンスパーク」の運営会社㈱KSP(国県、川崎市、民間企業の共同出資=45億円)代表取締役社長
( ~ 99年)、日本初のインキュベータを開設。任期中117 社のベンチャー企業を育成。
98年アジアサイエンスパーク協会を設立、初代会長に就任、05年より名誉会長。
2000 ~ 12 年神奈川県日本中国友好協会会長、2013年より名誉顧問を歴任。
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