Global Headlines:ドイツでの「フィプロニル:毒卵事件」(Fipronil:Die Sache mit dem Gift-Ei)am 12. August 2017, ZEIT ONLINE
- 2017年 8月 13日
- 評論・紹介・意見
- 合澤清
およそ一週間以上、ドイツ中を騒がせたこの「フィプロニル:毒卵事件」もどうやら一件落着にこぎつけたようだ。しかし少なくとも1千万個の卵が処分されたようである。その中には、ベルギーのBIO(有機農法で作られた餌で飼育する)専門の養鶏場の卵や、オランダ、ドイツ、フランスのものが含まれていて、何れにもはっきりとフィプロニルの痕跡が見られたそうだ。また、返却処分の中には香港やスイスも含まれていたとか。
フィプロニルという殺虫剤は、ノミ、マダニ、ダニ、あるいはミツバチに対してさえ殺虫効果を持つといわれる。日本でここ数年、ミツバチが大量死する事件が発生しているが、あるいは?と疑うことは単なる危惧であろうか?
ドイツでは全部の州(Land)=16州でこの汚染卵が見つかっている。特に警戒を呼び掛けているのは、マヨネーズ、鶏卵、ジャガイモ、ツナサラダなどの製造業務に携わった人たちで、もし異常があれば早めにドイツ国内のしかるべき役所に届け出るようにということである。
この殺虫剤が危険なのは、これが遅効性であり、その毒性が原因だとはなかなか特定できない事である。
そして何故、殺虫剤の毒素が鶏卵などから発見されたのかといえば、このフィプロニルを含む薬剤が、洗剤や下剤として使われていたことからの経口感染と考えられているようだ。
そしてその薬剤とは、ベルギーの害虫除去会社が生産販売しているDega-16という殺虫剤であり、それを偽の無害許可証を使って、ニーダーザクセン州の業者が輸入販売し、多くの農家が使用していたことが今回の原因だったと特定されたようである。
振り返って、日本を考えてみるとき、やたらに殺菌とか消毒とか、駆除とかといって騒ぐ際に、もう一度、そのために使われている薬剤が人体、特に幼児にどんな影響をもたらすかを考えてほしいものだと思う。他人ごとではない。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion6858:170813〕
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