たけし風パロディ「平気で嘘をつく政治家、簡単に騙される国民」
- 2017年 9月 30日
- 時代をみる
- 安倍政治盛田常夫
前にも書いたんだけどさ、「嘘つきは政治家の始まり」ってね。おいらは端(はな)から政治家なんて信用していないんでね、今の政治家なんてぇのはさ、議員や閣僚の地位を死守するのに精一杯でね、「国や国民の将来」なんて口先だけのことで、権力を維持するための方便だよ 。国や国民の将来なんて、ほとんどの議員は関心ないね。
財政再建は方便
「財政再建のために消費増税が必要」なんて説明、政治家の方便に過ぎないってはっきりしたね。要するに、再建されようがされまいが、今の政治家が生きている間は関係ない話なんでさ、とりあえず今の地位や権力が維持されるなら、どうでもいいってことさ。だから簡単に、増税理由が変更されるのさ。
安倍晋三って政治家の思考ほど単純で分かりやすいものはないね。増税を掲げれば支持率が下がるから、それを打ち消す政策を同時に掲げれば、支持の減少が相殺されるとでも考えているんだろうな。歴代自民党政府の無規律な財政政策の結果が、膨大な借金の積上げ なんでさ、原発問題と同じほどの重要性をもつ危機的な課題なんていう意識はないんだろうな。だから、「財政再建」は枕言葉以上にならないんでね、自分の権力が維持されるためなら、簡単に増税目的を変えることができるんでさ。こういうご都合主義は二流三流の政治家の常套手段だよ。確固とした哲学も定見もなくてね、身の回りの状況に応じて、政策の目的や中身を簡単に変えるっていうわけさ。
さすがに安倍政権を支持してきた日本の最右翼の「核」もさ、安倍の無定見に呆れて、こりゃ駄目だと見限り始めているんだけどね、とにかく信念や哲学がない人だね、安倍っていう政治家は。そんなことは最初から分かっていたはずなんだけどな。単純な右翼命題は頭にあるけどさ、それを展開する能力がないことがはっきりしてさ、「読売」、「産経」、「文芸春秋」なんて右派のメディアが三下り半を下してるもんね。
まぁ、政治家がこの程度なら、アベノヨイショの「学者」や「エコノミスト」も同じ程度なんでさ、「日本の財政は破綻しない」なんて馬鹿な論陣を張ってるもんね。「財政が破綻しない」なんていう問題の立て方自体が的外れなんでさ、日本の財政はもう「破綻してしまっている」んだよ。それをどう再建するかが問われてるんでね、「破綻するかどうか」なんていう的外れな思考実験をしているのが、アベノヨイショの三文学者だよ。こういう連中は学者とも呼べない「泡沫学者」だな。日銀金融政策委員会でもさ、アベノヨイショで選任された片岡某なんて、1人だけ浮き上がって「もっと大幅な金融緩和が必要」なんてさ、一番若い「エコノミスト」がこれじゃ、先が思いやられるね。アベ友大臣と同じでさ、自分の政策を宣伝してくれる連中ばかり集めると、ろくでもないカスを引くってことさ。
それにしても、政治家がこの程度なら、国民も賢くないね。もっとも、そういう馬鹿な政治家を選んでいるのが国民だから当然のことなんだけどさ、やっぱり国民のレベルに相応しい政治家しかいないってことだね。だけど、最後に苦しむのが国民なんでさ、増税を回避したり、新しい使途に増税分を回せば、永遠に財政事情が好転しないさ。どこかでこの負の連鎖を止めて、将来世代の負荷を少しでも減らさなければならないんだよ。政治家にはそういう覚悟が必要なんでね。
親が少しでも子供に財産を残そうという気持ちが分かるのに、これが国の財政になると、国民は理解できないんだよな。家族も国も同じだよ。親の世代が借金を積み上げりゃ、子供世代が受け継いだ借金に苦しむのははっきりしているのにさ、国のお金ならなんとでもなると思ってるんだろうな、国民は。もっとも、政治家も大差ないんでね、本当に財政危機だと思っていりゃ、政治資金や機密費を使って、贅沢三昧するはずもないけどね。「この国民に、この政治家あり」ってことだな。
もっとも、日本の左翼も国の財政問題では、根拠のない楽観論に支配されているから、五十歩百歩だけどね。20世紀の社会主義国家などは、経済は政治でどうにでもなると考えていたから、最終的に国家が崩壊したんでね、左翼は伝統的に国の債務はどうにでもなるという考えに支配されているから、今の安倍政権と大差ないよ。
いつの時代にも、政府の負の遺産を最後に処理するのは国民なんでね、神様が借金を肩代わりしてくれない限り、いずれ二進も三進も行かなくなった時に、国民全体で負担するということさ。その時に、ババを引かないようするのが、せめてもの知恵だな。悪い奴らは資産を隠して生き延びるからな。
ミサイル危機を利用する政治家
北朝鮮のミサイル挑発は、安倍政権の「神風」だよ。今の政治、日本に限らずさ、どこもナショナリズムだな。国の外に敵を作ってさ、ナショナリズムを煽れば国民の支持が得られるもんね。「アベ友学園」で四苦八苦する安倍政権にしてみりゃ、金正恩様様だよ。安倍‐菅の笑いが止まらないね。
北朝鮮も同じでさ、対外危機を煽る以外に、国を治める手立てがないんだな。戦前の日本と同じさ。もともと、朝鮮南北問題に日本は直接関係ないんでさ、基本的には南と北の問題だよ。韓国ですら退避勧告を出していないのにさ、上空100kmの大気圏を「日本上空」と称してさ、Jアラートで国民を煽っている政府は醜いね。「隕石に当らないように建物の中に隠れましょう」っていうのと同じだよ。こんなの防ぎようがないし、隕石に当る確率より、交通事故で死ぬ確率の方がはるかに高いもんね。北海道のはるか先の海に落ちた後も、番組を変更して、大騒ぎしていてりゃ、北朝鮮の「思う壺」ってことさ。それで得するのが、金正恩と安倍晋三という構図だな。
本当に危機だと思っていれば、こんなときに、呑気に総選挙なんてしないさ。危機と思っていないから、この時とばかりに、「危機」を利用して、政権の延命につなげようというのが安倍政権だよ。まぁ、それを許してしまうのも、国民だけどね。
それにしても、戦争を経験していない若い世代や戦争を経験したはずの世代も、対朝鮮対中国になると、すぐにナショナリストになるね。まるで日清戦争や日露戦争の明治時代かと錯覚するよ。「あんな馬鹿な国はドカンと一発食らわしてやれ」、「朝鮮は北も南も駄目だな」なんて、好戦ナショナリズムだよ。
今、警戒しなければならないのはさ、北のミサイル実験より、アメリカが勝手に北朝鮮を軍事攻撃することだよ。ヴェトナムにしても、中東にしても、はたまた北朝鮮にしても、アメリカ本土はこれぽっちも傷つかないんでさ。犠牲になるのは皆、中東やアジアの人々だよ。アメリカが攻撃して犠牲を被るのは、北朝鮮と韓国の人々だってことを忘れちゃいけないね。北朝鮮が宣戦布告でもしない限り、戦争を起こしてはならないんでさ。戦争になって益を得るのはアメリカの軍事産業だけなんでね、アメリカに朝鮮半島を崩壊させる権利ないんだよ。
ところがさ、イラク戦争を始めた馬鹿なブッシュのように、トランプも同じ轍を踏まないって保証はないんだよ。だって、お頭(つむ)の程度が同じ政治家なんでさ、アメリカが惹き起こした戦争で、ヴェトナムとイラクでどれだけの命が失われたのか分かってんのかね。アメリカにとって、イデオロギー的に相いれない人種は、人間とはみなされないからね。まるで家畜や獣を殺すように殺されるんでね、そういう愚行を許してはならないってことだよ。だって、日本も広島、長崎だけじゃないよ。日本の多くの都市が壊滅的な爆撃を受けたことを忘れちゃいけないね。軍国主義の国なら、権力者だけでなく、一般市民を皆殺しにしても構わないというのがアメリカ軍部の考えだからね。アメリカの手下になって、帝国主義の片棒を担いじゃいけないってことだよ。
それにしても、たまげたな。北朝鮮のミサイルで「危機」にあると騒いでいる政治家がさ、危機を煽って国民の支持率が回復したから、ここが総選挙のチャンスとばかりに、衆議院解散をやるなんて、国民を馬鹿にしてるよね。
空襲警報みたいにJアラートで危機を煽ってさ、今すぐにでも地上に落ちてくるかのように騒いで、広範囲に非難を呼びかけるなんて、尋常じゃないね。避難で右往左往している間に、はるか何千キロ先の海に落ちてるもんね。福島原発の炉心融解時に、なんの競技だったか覚えていないが、放射能汚染を理由に関西圏だったか九州だったかの国際スポーツ大会への参加を取りやめた国があるよ。その時など、メディアは放射能汚染の無知を批判したけどさ、何千キロ先のミサイルのために、児童に机の下に隠れるように指示する職員や自治体とどこが違うのかね。権力の指示を真に受けると、馬鹿を見るってことだよ。
「不倫バッシング」に精を出すメディアと国民
政治家の活動が国民の目にさらされ、適切な監視や批判の目を向けられるのは良いことだけどさ、政治家本来の仕事に目が向かないで、スキャンダルばかりに目が行って、バッシングで憂さを晴らすっていうのは、まともじゃないね。何千年も前から、色恋沙汰は人間の性(さが)なんでさ、だから小説や映画、あるいは演劇や音楽が生まれてるんでね。ところがさ、今の日本社会、いつの間にか、テレビの聴衆や週刊誌の読者が道徳学者みたいに、他人の色恋沙汰を批判して、社会的に抹殺しようとする風潮は恐ろしいね。
婚姻関係のあるなしにかかわらず、色恋は個人の問題ないんでね、婚外の恋をしたから社会的に抹殺するなんていうのはさ、「石もて打て」だよ。封建社会か、どこかの宗教国家と同じだな。イスラム国家も日本の封建社会も男の浮気には寛容なんでさ、とくに権力者が複数の妻や愛人を持つことは許されて、女性の不倫は許されないという理不尽な社会だよ。近代社会になっても姦通罪が存続したけどさ、社会は男の浮気に寛容で、女の浮気は許されないという封建的束縛は変わらなかったんだな。だから、戦後になって、権力が個人の色恋沙汰を刑法で罰することを廃止したんだよ。
それを最近は、メディアと国民が一緒になって、「不倫たたき」をやってるもんね。ちょっと異常だよ。それほど品行方正な人を政治家にしたけりゃ、政治家を聖職者に限定すりゃいいんでさ。そうすりゃ、「不倫たたき」がいかにばかげているかがわかるさ。聖職者なら良い政治ができますなんてさ嘘なんでね、どこかの宗教国家と同じになってしまうんでね、それで社会が良くなる試しはないんだよ。
社会から色恋沙汰を取ってしまえば、映画も小説も存在しないさ。皆がこぞって人間の多様性や自由を否定することになれば、窮屈な社会になるだろうな。権力が個人の問題に介入しないように、個人間の問題と社会の問題を切り離すというのが、近代社会の知恵だよ。時として、それができない日本社会は、まだ半封建社会ってことだな。そういう社会は権力者が個人の問題に介入するから気を付けなければならないね。寄って集って、不倫バッシングする国民は、ブーメランのように、自分の身に問題が降りかかってくるから気を付けないとね。おしまい。
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