えっ!!解散・総選挙?
- 2017年 10月 3日
- 評論・紹介・意見
- 北朝鮮安倍小原 紘韓国
韓国通信No536
産経新聞が主張する今回の選挙の目的は憲法問題だという主張は正しい。
「憲法改正が悲願である。とりわけ9条に自衛隊を明記するのは、朝鮮半島有事が取り沙汰される今しかない。野党や一部のメディアは解散を「大義がない」と批判するが、憲法改正を問うならこれほどの大義はあるまい」とデジタル版(9/25付)で述べ、消費税問題、一億総活躍、子育て支援はおもてむきの理由、朝鮮半島有事に便乗した改憲への期待をにじませた。
<北朝鮮からミサイルが飛んで来たら、または核戦争が起きたら…>
戦争になったら平和憲法では間に合わないというのが安倍首相や産経新聞の主張だ。連日の北朝鮮とアメリカの激しい「ののしりあい」と安倍首相の興奮ぶりを見せつけられ、本当に戦争が起きはしないかと心配する人も多い。心配はさらにエスカレート、「先制攻撃」の話まで聞かれる。攻撃を受けてからでは遅すぎるというのだ。
あの二人のキャラからすれば、たしかに戦争の可能性は否定できない。しかし騒ぐわりには政治家も私たちも普段と変わらない生活を送っているのが不思議だ。
戦争は起きないと考えているからだ。単なる楽観主義ではない。核戦争は勝者も敗者もない「最終戦争」だと誰もが知っているからだ。
政府は「Jアラート」で注意(不安)を喚起するが、避難して命を守れると考える人はいない。間抜けた「対策」に不信感は増すばかりだ。空から飛んでくる危険物はミサイルだけではない。事故続きのオスプレイや旅客機への不安のほうがより現実味がある。万が一にもあってはならない戦争を予想してJアラートを出すのは「こけおどし」の類だ。それほどミサイルが心配なら政治家や役人は毎日、防空頭巾でもかぶったらどうだ。言うこととやることが違い過ぎる。
一触即発にある北朝鮮のトップ金正恩を「ロケットマン」と揶揄したトランプ大統領は国際常識を欠いたmad manマッドマンである。その「マッドマン」と100%一体を誇る安倍首相を何と形容してよいのか。トランプや加計にしても「お友だち」がひどすぎる。
<混乱する韓国政府>
韓国の文在寅政権が北朝鮮問題で大きな試練に立たされている。対話を基本政策に掲げた政権に対する北側の答えがミサイル発射と核実験だったことで、すっかり足元がすくわれた格好だ。北を標的としたTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の設置に否定的だったが撤回、日米韓の歩調を強め強硬策に転じた。これでは「安倍首相と変わらない」という批判の声があがり、「熱い戦争」を危惧する声も多い。
しかし文在寅はトランプ大統領・安倍首相と同じではない。「対話」路線を放棄していない。対北朝鮮人道支援800万ドルの決定はトランプ・安倍路線とは一線を画す意思表示と考えられる。トランプにすれば韓国も日本もアメリカの同盟国だがアメリカではない。日本にとって韓国は外国であって日本ではない。しかし韓国にとって北朝鮮はやっかいな国であっても同じ民族、同胞である。それが理解できないから韓国の対話路線は兵糧攻め一本やりの日米には裏切りと映るのだろう。
20年ほど前、酒の席での話である。「韓国戦争(朝鮮戦争)を経験した南も北も同民族が戦う愚かさを骨身にこたえているはずだ。『ソウルを火の海にする』という北の威嚇も聞き流せるほど私たちには余裕がある。南と北は戦争をしないから」。続けて「むしろ北のミサイルは日本に向かうかもしれない」と冗談めかして語った韓国人の友人の話が忘れられない。
近年、日本と北朝鮮との関係は悪化の一途をたどってきた。北の脅威ばかり強調して北朝鮮を無視し続けてきた。2002年の平壌宣言という絶好の機会を潰したことが悔やまれる。(安倍首相は最近のテレビインタビューで平壌宣言は有効だと発言したがムチャクチャな話だ)。北朝鮮は休戦協定の当事者としてアメリカを名指しているが、トランプのシナリオによる戦争になれば多くの米軍基地を持つ日本が主戦場となることを覚悟しなければならない。
韓国は現在でも来年の平昌オリンピックの共同開催と参加の呼びかけを撤回していない。
<「安倍はやめろ」から「安倍をやめさせる」へ>
集会やデモに行くたびに「安倍はヤメロ!」を叫んできた。選挙でやめさせるチャンスがめぐってきた。目指すのは自公の「過半数割れ」だが、受け皿の野党が頼りない。マスコミも「シラケ選挙」、「進む政界再編」、「新党の活躍がカギ」などと言って争点隠し、憲法をないがしろにしてきた安倍政権の暴走ぶりを問題にしない「シラケ報道」が予想される。投票に行かない人が増えそうだ。非自公勢力がまとまれば安倍内閣の崩壊は十分可能なはずだ。
< I am not ABEのワッベン>
文房具店でシールを買った。パソコンで絵や文字を書きこみ、アイロンするとはがれ落ちないワッペンになる。子どもの運動着に張り付けて使うものらしい。早速購入。横5センチ縦3センチのシールに「I am not ABE」とプリントした。この英語少しおかしいと思われる方に一言。「私は
安倍ではありません」という表現だが、元通産官僚の古賀茂明さんが報道ステーションで掲げたI am not ABE(私は安部に反対だ)が物議を醸した。「私は安部を支持しません」というメッセージだ。さっそくスポーツジムで着用してみたら効果テキメンで、インストラクターが尋ねてきた。「アベ政治は嫌い。僕の思いです」。私の気持ちがストレートに伝わったようだ。アピールするだけだが結構好評だ。「安倍さん好きです」という人も現れるのは致し方ない。洗濯してもはがれない。字も鮮明だった。
ささやかな私の選挙運動が始まった。要求をそのまま書こうかと思ったが、「何だろう」と関心をもってもらい会話ができる作戦だ。さらに迂回してI am not TRUMPというワッペンも企画中。
<お風呂の中で>
スポーツジムの風呂で解散総選挙の話になった。特に民進党が小池新党に合流する話で盛り上がった。「小池ってスゴイね」「首相はさぞかし慌てているだろう」「保身のために新党にかけつける政治家も情けない」「原発ゼロが浮上するなんて意外だな」。「浮世風呂」の話だが、たしかに政界激変の兆しである。私には翼賛政治の始まりとしか思えないのだが。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7001:171003〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。