第48回 日民協・司法制度研究集会ご案内
- 2017年 11月 13日
- 評論・紹介・意見
- 澤藤統一郎
日本民主法律家協会の秋の行事として定着している司法制度研究集会(「司研集会」)が、今年で48回目となる。今回のテーマは、「憲法施行70年・司法はどうあるべきか―戦前、戦後、そして いま」。
憲法施行70年というスパンで日本の司法制度を俯瞰しようという試み。よく知られているとおり、戦後民主化の過程で裁判官にパージはなかった。天皇の名による裁判に従事した戦前の裁判官が、そのまま戦後の日本国憲法の砦と位置づけられた司法を担ったのだ。昨日までは不敬罪を裁き治安維持法で有罪を宣告し、あるいは京城の裁判所で朝鮮独立運動弾圧に一役買っていた裁判官たちが、人権の守り手たるべき地位に就いた。昨日までは国体の護持のために、今日からは基本的人権擁護のために…。この転身はどのくらい成功したのだろうか。
それから70年。戦後の司法は何をし、何をしなかったのか。この70年、憲法の理念に照らして、ふさわしい司法であったであろうか。政権によって露骨な憲法攻撃が行われている今、司法はどうすれば憲法理念の守り手としての本来の使命を達成できるのだろうか。この実践的課題に興味をもつ方のご参加を呼びかけたい。
**************************************************************************
日本民主法律家協会(日民協)では,次のとおり,「第48回司法制度研究集会」を開催します。
日時:11月23日(木・祝)午後1時~5時
場所:全国町村会館ホールA(地図は下記URLをご覧下さい)
http://www.jdla.jp/shihouseido/2017.pdf
テーマ:憲法施行70年・司法はどうあるべきかー戦前・戦後,そしていま
基調講演:内田博文先生(九州大学名誉教授・神戸学院大学教授)
プログラム
受付開始 ………… 12 :30
開 会 ………… 13 : 00
開会の挨拶 右崎正博(日本民主法律家協会理事長)
■基調報告…………………13 : 10~1 4 : 40
内田博文(九州大学名誉教授/神戸学院大学教授)
…………休憩…………
■特別発言 ………………………14 : 55~15 : 40
内田先生の基調報告をうけ、花田政道先生(元裁判官・弁護士)、岡田正則先生(早稲田大学教授・行政法研究者)などからの特別発言を予定しています。
■質疑応答・討論……………15 : 40~16 : 45
■集会のまとめ………………16 : 45~17 : 00
新屋達之(日本民主法律家協会司法制度委員会委員長)
今年は,憲法施行70周年の年です。
安倍首相の9条改憲案,共謀罪の強行採決,臨時国会招集請求の放置,突然の解散総選挙,与党3分の2の議席獲得等々,あまりにも反憲法的な動きがあわただしく,忘れられているようですが……。
このような情勢の下,今年の日民協の司法制度研究集会は,戦前の司法制度・治安維持法,そして戦後の法制史の研究者でもある内田博文先生をお招きして,いまの状況が戦前と似ていないか,そもそも戦前の司法の責任が果たして新憲法下で反省・克服されてきたのだろうかという視点から,憲法施行後の70年の日本の司法を振り返っていただき,人権の砦としての司法を国民の手に取り戻すにはどうしたらよいかという問題提起をしていただきます。
元裁判官や行政法学者にもコメントをいただいた上で,会場からの質疑応答やご意見にもたっぷり時間をとる予定です。
どなたでも参加できますので,ぜひご参加下さい。
なお,資料準備などのため前記URLを開いて添付の申込み用紙で事前に参加申込をいただければ有り難いのですが,事前申込みがなくても自由にご参加いただけます。
みなさまのご参加を心からお待ちしております。
**************************************************************************
日本民主法律家協会・第48回司法制度研究集会
「憲法施行70年・司法はどうあるべきか―戦前、戦後、そして いま」おさそい
日本国憲法施行70年の今年は、安倍首相による憲 法9条改憲のメッセージ、共謀罪法の強行採決、臨時国会冒頭での衆議院解散、与党が再び3分の2を維持と激動の年になり、私たちはまさに9条の改憲・戦争への道を許すのかどうかの岐路に立たされています。
こうした情勢の下、昨年の辺野古訴訟の高裁・最高裁判決などを見ると、司法が「政治」に積極的な支持を与えており、トランプ政権下のアメリカの司法と比べても、日本の司法の「弱さ」を痛感させられます。
そこで、今年の司法制度研究集会は、戦前・戦後の司法制度に詳しい内田博文教授(神戸学院大学・九州大学名誉教授)をお招きして、旧憲法下の「戦時司法」が、戦後、日本国憲法の制定により、果たして反省・総括され克服されたのかという視点から、憲法施行後70年の日本の司法を振り返っていただくと共に、人権保障の砦としての司法を国民の手に取り戻すにはどうしたらよいかという問題提起をしていただきます。
また、講演を受けて、元裁判官、行政法研究者等の方々からそれぞれの視点でご発言をいただくことを予定しております。
どなたでも参加できます。ふるってご参加下さい。
内田博文先生略歴
(九州大学名誉教授/神戸学院大学教授)
九州大学法学部教授を経て、2010年より神戸学院大学法科大学院教授。日本刑法学会、ハンセン病市民学会(共同代表)等を歴任。著書に「刑法と戦争 戦時治安法制のつくり方」(2015年 みすず書房)、「治安維持法の教訓 権利運動の制限と憲法改正」(2016年 みすず書房)、「治安維持法体制を問う―刑事法の戦後」(近刊予定岩波書店)等多数。
日 本 民 主 法 律 家 協 会
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-14-4 AMビル2階
TEL 03-5367-5430 FAX 03-5367-5431
(2017年11月12日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2017.11.12より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=9459
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion7101:171113〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。