タケシ風パロディ:町人国家日本の卑屈な接待外交
- 2017年 11月 20日
- 時代をみる
- トランプ盛田常夫首脳会談
微に入り細にわたる日本の「おもてなし」は世界に稀にみる美徳だけどさ、これに政治的な魂胆が絡んでくると意味が変わるんだな。政治の世界じゃ、いくら接待にお金をかけたって、外交方針が変わることなんてないんでさ。大げさな接待を準備すれば、逆にその魂胆を勘ぐられるんでね、だからプーチンなんかは、当て付けがましい接待を知っていたから、わざと何時間も遅れて到着したもんね。
いくら日本食が世界に誇ることができる食文化だと言ってもさ、それを本当に賞味できる外国人なんて、そんなに数がいるわけないんでさ。アングロサクソン系なんぞは、日本人のように、食べることに拘りなんてないんでね、名人シェフが料理したってその価値が分かる人なんて少ないんだよ。文化的素養に欠ける知性のない政治家には「猫に小判」、欧米風に言えば「豚に真珠」ってとこだな。「これだけ接待してんだから、良いことしてくれるよね」というのは日本人にだけ通用する「常識」だね。もっとも、今回は生食を好まないトランプ一家のために、今回は牛肉のオンパレードだったようだがね。
もっともさ、アメリカに諂(へつら)うだけの外交なら、襟を正して正面から議論する話もないんでさ、せめて日本のおもてなしをたっぷり楽しんでもらって、機嫌を取ろうってことだな。沖縄の基地をどうするのか、日米地位協定をどうするのかって話を正面から切り出す熱い思いなど一欠けらもないから、一国の首相がアメリカの大統領と何を話し合ったのかなんてほとんど話題にならないってわけさ。ゴルフや「銀ぶら」の話、どこのレストランでどんな料理を食べたかって話だけだもんな。公式晩餐会に「ピコ太郎」を招待するなんて、あまりにトランプ一家のご機嫌取りの卑屈な外交で、とても独立国の外交とは言えないね。
もっとも、安倍さんの頭には独立や自立という観念そのものがないんだよな。単純に、仲良くしていれば、「同盟」だと思ってんだろうね。根っからの属国政治家だから、自立とか独立という観念も概念もないってことさ。まさに属国政治家の面族躍如だよ。「週刊新潮」の「米中韓のメディアが冷笑! 『安倍総理』は『トランプ父娘』の靴を舐めたか」は正論だね。こういう外交を可笑しいとも思わないマスコミも国民も世界の田舎モンだな。欧州の政治じゃ、絶対にあり得ない卑屈な接待外交だよ。だから、トランプも、好き放題に振舞って気持ち良く気軽に観光気分で日本に来れるってわけさ。「なぁ、それでいいだろう、Shinzo」ってことさ。政府の累積赤字が積もりに積もっているのに、公金を垂れ流して、トランプ一家を接待しなけりゃならない義理がどこにあるのさ。
それにしても、ゴルフ外交って言うけどさ、ありゃ一体なんなのさ。トランプがラウンドしたかったのは松山選手で、下手くそな安倍首相じゃないってことが明々白々だったね。だってさ、1番ホールで安倍さんがまだバンカーから抜け出だしたところなのに、トランプと松山選手は次のホールに向かってさっさと歩いているもんね。だからホールアウトもしていない安倍さんは慌ててしまって、追いつこうとバンカーの一番高い壁を駆け上ったのは良いが、エッジに足をかけた途端に、バランスを崩してひっくり返ってバンカーに逆戻りだもんね。「体調が悪いのか」なんて報道があってけど、置いてきぼりになって慌てただけのことさ。
このずっこけ動画がネットの世界に広まって、首相官邸も慌てたようだな。「ゴルフ談義をやっていたのはトランプ大統領と松山選手で、安倍首相はあっちこっちと球を追いかけていただけ」という真実を知られたくないということさ。ゴルフの後で、安倍さんは「難しい話もできました」なんて言ってたけどさ、簡単な話すらできる余裕もなかったというのが真相なんでね、格好をつけただけだよ。そうでも言わないと、「どうして一国の首相が、トランプと松山選手のゴルフ遊びの接待役になる必要があるのか」ってことになるんでね。要するに、芸者の代わりにゴルフ選手を当てがって、ご機嫌を取ったってことさ。このゴルフ接待のために、警備費を含めて、いったいどれだけの経費がかかったのか知りたいね。
そもそも、「主権国」を公式訪問するのに、大統領専用機が日本の軍事占領基地であるアメリカ軍横田基地に到着するなんて、日本も舐められたもんだな。要するに、占領基地から日本の地へ足を踏み入れたってことだよ。だってトランプが叫んだって言うじゃない、「世界を支配しているのはアメリカだ」、って。日本は未だにアメリカの占領国だという感覚なんだよな。繰り返しトランプに恭順の意を表し続けるShinzoの日本は、最初から見下されてるってことだよ。日本は対米主権国ではなく、対米従属国だということを今更ながらに知らされたね。しかも、最初の行き先がゴルフ場だなんて、馬鹿にするのもほどほどにして欲しいね。「Shinzoが来てくれっていうから、来てやったんだ」ということなんじゃないの。だから、日本はアメリカの占領国家で、アメリカの庇護の許に日本は育ったってことを態度で示したんでね、こういう好き勝手な振る舞いに、政府・外務省は何も言えないしできないのが真実さ。何が日米同盟かね。戦後70年たってもアメリカへの従属関係が継続していることだよ。
こういうことを理解できる日本人はもう一握りなんだろうな。ネットじゃ、「アメリカ大統領とゴルフができる安倍首相の外交力はすごい」っていうバカな奴が多いけど、あまりにアメリカべったりなんで、何が独立国として基本的な振る舞いなのかってことさえ、分からなくなってんだよな、政治家も国民も。「屈辱」という言葉も忘れてしまっているじゃないかと思うね。韓国や北朝鮮を批判する時だけは、やけにプライドが高いんだけどね、アメリカになると平身低頭だよ。「なぁ、Shinzo、そうだろう」、「へい、仰せの通りでございます」。卑しいね、日本の外交は。
屈辱から始まってゴルフ接待で嬉々としている安倍外交なんて、朝貢外交というより、町人国家の卑屈な属国外交だよ。日本人の外交音痴が世界の嘲笑の的になっているの分からないんだよな。政治家も国民も。悲しいね、おしまい。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye4251:171120〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。