地震と原発事故情報 その23
- 2011年 3月 25日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
4つの情報(福島第一3号機で作業員被ばく-東電のずさんな安全管理、
たんぽぽ舎へ寄せられたメールご紹介、27日(反原発 銀座デモ)のお知らせ(再
度)、原発の基本がよくわかる本の紹介)をお送りします。
1.福島第一3号機 作業員3人被ばく…東電のずさんな管理体制浮き彫り…
東京電力は24日、福島第一原発3号機のタービン建屋で電源復旧作業中だった
東電協力社員の3人が、40~50分間に170ミリシーベルト以上を被ばくし、内2
人の両足には放射性物質が付着していたため、福島県立医大病院に搬送したと発
表した。(25日各紙発表)25日に、千葉市の放射線医学総合研究所に送る。同日他
の建屋の作業も中断し、復旧作業は遅れるというが、現場作業者の被ばくは深刻
で、今回の被ばく事故も、明らかに「人災」だ。3人を含め、24日現在で今回の
事故による累積被ばく線量が100ミリシーベルトを超えている作業員は24日で計
17人になった。東電は、3人とも防護服やゴム手袋を着用し、線量計も20ミリ
シーベルトでアラームが鳴るように設定し、アラームが鳴ったとの情報もあるが、
「なぜ高い線量の中で作業を続けたのかは不明」という。実際には、前日の作業
終了後に測った線量が低かったため、24日は作業前に線量を確認していなかった。
さらに搬送された2人は長靴ではなく、普通の作業靴をはいており、作業現場に
たまっていた約15cmの水に浸かった状態で作業をしていた。東電責任者は、現場
に立ち会っていなかった。180ミリシーベルトと言えば、放射線業務従事者が、
「法定の5年間にさらされてよい放射線の限度100ミリシーベルトをはるかに超
えている。250ミリシーベルトを1度にまとめて受けた場合に、白血球の減少が
始まると計算されている。
この責任を、誰がとるのか。現場の作業員さんの中には、「誰かがやらなければ
ならない仕事を粛々と進めているだけ」と多くを語らない場面もあるようだが、
自分たちの労働現場については、雇用主を通すなど、是非声を上げほしい。
小出裕章・京都大原子炉実験所助教は、「今回の被ばくは、敷地全体が汚染さ
れていることの表れだ。電源が回復し、1つ1つの機器を動かしていく段階だが、
多くの作業員が大量の被ばくを覚悟しなければいけない。被曝限度を引き上げて
もすぐに限界に達する状態だ。次々と人が必要になるが、特殊技能を持った人員
は確保できるか心配だ」と話している。(3月25日毎日新聞3面)
こうした事態を招く原子力発電自体、ゴメンだ!
廃炉に向けて、ともに進もう。
2.たんぽぽ舎に、うれしいメールがいくつも寄せられています。
その一つを紹介します。
「いつもメールをありがとうございます。
特に、今回の原発大事故についての情報・分析を感謝しています。
27日のデモ行進に、体調が許せば参加したいと思います。
昨年頃、「原発なしで暮らせる」という趣旨の冊子の案内を拝見した記憶があ
りますが、その趣旨の冊子(文献)があれば、教えて下さい(購入できるかどう
かも)。
私は阪神淡路地震が起きたとき、すぐに、このような地震があるのだから原発
はやめるべきだ、という投書を朝日新聞に送りましたが、採用されませんでした。
もう一度、その声をあげようと思っています。」大河原礼三(79)歳
3.反原発 銀座デモ!参加者がふえています―再度お知らせします―
福島原発震災発生!3/27(日)「反原発 銀座デモ・パレード」
東電本社前も通ります。
集合時間 1時45分 出発 2時
デモ集合場所:銀座 水谷橋公園
(ホテル西洋銀座・テアトル東京のとなり)
地下鉄銀座1丁目または京橋駅下車数分
解散は日比谷公園(予定)
★日比谷公園で最新状況を報告します。
4.“原発の基本”がよくわかる本を推薦します!
小林公吉著「原子力と人間―闇を生む光」星雲社(たんぽぽ舎で扱っておりま
す。)
第1章 原子力がやってきた
第2章 原子力の正体
第3章 原子力といっしょの暮らし その1 原子力発電
第4章 原子力といっしょの暮らし その2 放射線
第5章 原子力のない暮らし≪とことん話そう≫
私は、この本が大好きです。
今毎日私たちを襲ってくる放射性生成物は、どういう物質で、原子力発電の燃料
からどのように生まれるの? 何故生まれるの?世の中は、こうしたことを「常
識」として知っている理科系の人間ばかりではないでしょう。
先生は「分りにくいことを分りやすく伝える」努力を続けてこられた高校の先生
として、生徒に向かうかのようなやさしさを持って、膨大な原子力の世界を平明
に教えてくださいます。原子力の事故は、チェルノブイリなど有名なものだけで
はなく、隠された深刻な事故が多く存在し、ヒバクで大勢の人々が苦しんでいる
こと。今後深刻に成らざるを得ない食品汚染と内部ヒバク、「放射線単位」の読
み解き方。そして1番心配な事故は「地震」によって起こると、今を予言してい
らっしゃいます。『人類は、原子力発電と共存できるのか。』先生の問いは、最
終的にそこに向かい、エネルギー問題について重要な示唆を与えてくださいます。
今、こうした非常時であるからこそ、私はこの1冊を落ち着いて読み、原子力に
ついての知識を身につけておくことを、是非お勧めします。
(たんぽぽ舎 槌田春美)
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