伊方原発に関する広島高裁の仮処分決定と大分での裁判闘争
- 2017年 12月 19日
- 時代をみる
- 安岡正義
去る12月13日、広島高裁は、伊方原発の運転差し止めを命じる画期的決定をくだした。この決定は新聞やテレビニュースでも大々的に報道され、全国各地で行われている類似の脱原発裁判への波及が期待されるところである。お馴染みの集団的健忘症との闘いを我々は今後とも繰り広げねばならない。
同じ13日には大分で「高レベル放射性廃棄物の地下処分意見交換会」が開かれていた。「伊方原発をとめる大分裁判の会」の事務局長もこの意見交換会に参加していたが、高裁での決定が伝わったために事務局長が会場を出たところ、意見交換会の取材に集まっていた各テレビ局と新聞記者たちによるインタビューを受けた。事務局長はその後ただちにビラを作成して17時から大分駅前でビラ撒きなどの情宣活動を行った。以下にこのビラの一部をご紹介する。
本日、広島高裁が地裁決定を取り消し
伊方原発の運転差止を決定
本日、13時30分に、広島高裁の野々上友之裁判長は四国電力伊方原発の「運転差し止め」を命じる決定を出してくれました。今年の3月に広島地裁は住民側が求めていた「伊方原発運転差し止め」を認めない決定を出したので、昨年の8月から動き出した伊方原発を広島地裁では止めることはできませんでした。しかし、上級審の決定で「来年の9月30日まで止める」という判断を行ってくれました。運転差し止めの理由として、「阿蘇山のカルデラ噴火の可能性を十分否定する説明が四国電力の側にはできていない」と言っています。これで当分の間は動かすことはできなくなりましたので、今後は大分や山口など伊方を取り巻く形で行われている裁判でも「運転差し止め」の判断を出してもらえるように訴えていきたいと思います。
大分も広島に続いて裁判で伊方原発を止め続けよう
私たちも昨年の7月から「伊方原発運転差し止め」仮処分と9月からは本訴訟を提訴しました。本訴では378人の大原告団によって裁判は行われています。これからも裁判は続きます。1人でも多くの県民が原告になることが裁判長への大きなプレッシャーとなります。ぜひ皆さんも裁判の原告に参加してください。そして、何としても大分県民には1キロワットの電気も来ていない四国電力の原発を止めましょう。もちろん、私たちは九州の川内原発も玄海原発も1日も早く止めて廃炉にすることを求めます。
上記の訴えにあるとおり、「伊方原発をとめる大分裁判の会」では500名を超える原告団を組織するべく活動を続けており、また大分地裁での判決は年明けにくだされる見込みである。
微震の研究等によって噴火を予知することは理論的に可能なのだろうか?たとえ微震が続いたとしても、噴火につながらなければ単なる微震に留まるのであって、噴火が起きたのちに初めてそれら微震はようやく「予兆だった」と理解されるのである。つまり予兆とはあくまで「あとづけ」なのである。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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