「普通じゃない」って誰のこと?もの言う市民を、バカにすると!
- 2018年 2月 20日
- 時代をみる
- 内野光子
この2月、麻生財務大臣の在任期間は、戦後最長となったそうだが、2月19日の衆院予算委員会で、また、妙な答弁をやらかし、訂正するという一幕があった。委員会の閣僚席の安倍首相は、野党の質問が続いている間、いつも落ち着かない、浮かぬ不健康そうな表情を見せるが、その隣の麻生財務大臣は、体を斜めにそらし、いつもニヤニヤといかにも余裕があるかのようでもある。しかし、きょうは、少々違っていて、額にしわを寄せ集め、相変わらずの苦しいダミ声で答弁した後、顔を歪めて席に着いた。立憲や希望の党の議員が、2月16日の国税庁前の佐川長官罷免などを求める抗議活動とデモについて質問されて、
「街宣車を持っている市民団体はめずらしい、少々普通じゃない」
「御党(立憲)の主導で街宣車が財務省前でやっておられた事実は知っている」
と答弁したのだ。「見てただけで主催か主導か判断できない。自分たちで主導していないと言うのであれば、それは訂正させて頂く」と訂正した。
麻生さん、あなたはいったい何年、大臣をやってきたの!かつて、安倍首相が秋葉原駅頭の演説会場で、抗議する聴衆の一団を指さして、「あの人たちに負けるわけにはいかない」と叫んで、物議をかもしたこともあったけれど、「情けない」の一言だ。国会では野党のヤジにうろたえ、市民の声、巷の暮らしぶりを知ろうともしないで、お友だちとホテルや老舗のグルメ三昧の日々を送る政治家に首相の資格はない。内外のメディアから、ギャングだのカポネなどと呼ばれる、あのファッションとマンガ好きの財務大臣、そろいもそろって・・・。市民の抗議活動を、普通じゃないとしか受け取れない人たちなのだ。
「街宣車」云々も、笑える話。「市民団体」は、街宣車を使えないかのような、口ぶりで、右翼の街宣車は大歓迎なのかしら。街宣車くらいレンタルできるでしょ。それに、「御党の主導で」と名指しされた立憲民主党が、「参加はしたけれど主導はしてない」とかわしていたけれど、「市民による市民の活動」だったことを、その大切さを強調して欲しいものだ。
いずれにしても、2・16デモのコールの一つ「麻生はニヤケた答弁ヤメロ」という参加者の声は届いていただろう、と思える答弁だった。
市民活動への認識のなさは、街やネット上の右翼がよくいう、動員かけてるとか、日当はいくらとか、の虚偽・中傷しか言えないレベルの大臣たちなのかもしれない。
この二人の関係も微妙な・・・
2017年2月23日衆院予算委員会、野党の質問に答える冒頭に放った・・・
初出:「内野光子のブログ」2018.02.20より許可を得て転載
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