名護市長選を取材する―2.19 「院内集会…辺野古・米海兵隊を考える」 講師:金平茂紀(TVジャーナリスト)
- 2018年 2月 24日
- 評論・紹介・意見
- 緒方久子・石川愛子
この集会で名護市長選の本当のことを知り私は驚いた。参議院議員会館内の19日行動(2015・9・19に強行採決された安保法制・集団的自衛権反対で毎月19日に国会で抗議行動をしている)の前に催された。
皆さんも「どうして負けたんだろう、期日前投票が44%なんて、高すぎておかしい。変!」と感じたと思われる。金平さんは今回選挙戦を取材していてこれは負けると感じたと言う。(20日掲載の浦島悦子「山の桜は泣いた―名護市長選」と合わせて読んでください)。
彼が取材した中で選挙のお金のかけ方、広告の仕方などあまりにも膨大で差がありすぎた。自主投票から推薦に転じた公明党は若い党員を全国から動員し、5メートルおきにグループで立たせての応援、選挙のために創った唄を繰り返し、繰り返し歌い、耳に残るばかりだった。出陣式では太鼓集団が演奏し、盛り上がりがすごい。小泉進次郎は2度も応援に駆け付け、10代に接近、人気スターのごとく一緒に撮った写メールはどんどん拡散された。その事前ポスターも稲嶺市長のその上にまでベタベタと貼られた。まるで、稲嶺対小泉進次郎かというばかり。渡具知氏の娘は高校の教室に押しかけたという、これは公職選挙法違反ではないか。ネットの記録では、選挙裏ではデマビラ、SNSのネトウヨ大量拡散の対策にも振り回された。
期日前投票が多かったのは、自民党の企業や事業所へテコ入れがあったから。選挙後に流された日本TVニュースの画面には作業服を着た仕事帰りの男性集団が次々と期日前投票をし、選挙の後、自分の名前を一覧表に書き込んでいた。これも公職選挙法違反ではないかとのこと。
金平さんは強く言われた。稲嶺さんは本当に素晴らしい政治家だった。この2期8年間に保育園、学校の設備問題などきちんと公約を果たした。しかし、全く耳を貸してくれない国に対するあきらめの気持ちが、市民にあったのではないかと。
人口約6万3千人の小さな市だが、これは日米両政府との戦いだったともいえる。これからの選挙を勝つためにはどうしたらいいのか。若い人にどうしたら政治、歴史に関心をもってもらえるかこれからの課題である。楽しい戦いで音楽を使うのも良い。「憲法フォークジャンボリー」にも素晴らしいミュージシャンがいる。彼らや多方面の方などとの連帯を模索していくことが大切だと思う。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion7391:180224〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。