【NAJAT声明】武器輸出三原則撤廃から4年に際して
- 2018年 4月 3日
- 評論・紹介・意見
- 杉原浩司
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27972030Q8A310C1MM8000/
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【NAJAT声明】
<武器輸出三原則撤廃から4年>
実質的「壊憲」を推し進め、平和主義にとどめを刺す明文「加憲」をもくろむ安倍政権に今すぐ市民の引導を
今から4年前、2014年の4月1日、安倍政権は歴代内閣が曲がりなりにも維持してきた「武器輸出(禁止)三原則」を撤廃し、まったく逆の意味を持つ「防衛装備移転三原則」を閣議決定しました。稚拙で嘘のような「改ざん」により、武器輸出が国策となりました。
わずか3か月後の7月1日、これも歴代政権が遵守してきた憲法解釈を閣議で変更し、集団的自衛権の行使容認に道を開きました。
それからというもの、安保法制の強行採決などに見られるように、坂を転がり落ちるごとくに「平和主義」は空洞化しています。同時に、「森友・加計学園」問題を典型として政治家の言動は劣化し、官邸に人事権を握られた官僚も倫理を失い、公文書の改ざんにまで至りました。近隣諸国の脅威がヘイトスピーチも交えて煽られ、メディアは権力の意向を忖度し、一部マスコミはすでに虚偽を事実のように装った「フェイク・ニュース」を垂れ流して、世論を誘導しようとするまでになっています。
そしてこの1月、安倍首相は2018年中の「憲法改正」発議への意欲を表明し、党内の消極論さえ強引に黙らせて9条改変に前のめりになっています。
さらに、軍事費は歯止めを失い膨張するばかりです。南西諸島への対艦ミサイル・レーダー基地建設、秋田と山口へのイージス・アショア(陸上型の弾道ミサイル迎撃システム)設置など、戦争へのリスクを高め住民を危険にさらす企てが進められています。さらに、「専守防衛」を前提とした武器体系を大きく逸脱する「敵基地攻撃兵器」の購入や研究までがまかり通っています。軍学共同の動きは日本学術会議や研究者・市民の抵抗にあいながらも依然として続き、科学技術政策の軍事化も、総合科学技術・イノベーション会議に防衛大臣や防衛装備庁幹部が参加するなど、新たな段階に入っています。
さらに、中古武器の無償譲渡にも道が開かれ、東南アジアに練習機や対潜哨戒機を引き渡す動きが進んでいます。無償譲渡のみならず、修繕費まで日本が負担する「武器輸出版ODA」の創設すら検討されています。武器の共同開発では、三菱電機が参加するイギリスとの空対空ミサイル共同開発が進展を見せ、試作品づくりに入ろうとしています。
国際紛争を武力で解決する愚かさを知り、訣別したはずの日本が、武器を売ろうと企み、自らの戦力も展開しつつあることに、私たちはもっと声を上げなければなりません。
新たな紛争に満ち、壊れかけている世界を前にして、市民がもっと強くなり、連帯することが求められています。戦争で儲け生命を軽んじる政治家や軍需企業に対する異議申し立てを強化し、戦火のもとにある最も弱い人びとを守らなければなりません。
この国の民主主義のために、東アジアに持続可能な平和を構築するために、そして、世界を壊さないために、私たちは声を上げ続けましょう。不正義と憲法違反に目を光らせ、武器の輸出にも輸入にも反対していきましょう。
安倍政権を一日も早く退陣させることが、この政治と倫理の劣化を止め、平和憲法と民主主義システムを防衛する上で欠かせないことは言うまでもありません。今がその決定的な瞬間です。私たちは武器輸出の実績ゼロのままで安倍政権を退場させるために、力を尽くしていきます。
2018年4月1日 武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)
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<武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)>
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