テント日誌4月3日…経産省よ!国民の声を聴け
- 2018年 4月 6日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1807日後
経産省よ!国民の声を聴け 3月28日(水)
暖かいというより、暑い感じの日だった。
1週間前の3/21「さようなら原発」代々木公園集会の日は、雪が降ってものすごく寒かった。3/27の佐川証人喚問の後だったので、その批判を、座り込みに来た人たちはみな言っていた。官公庁にいろいろと批判を持っているAさん(来た時にテントに寄る)は財務省に行って抗議をしたという。財務省は門の中に入れて、守衛でない人が話を聞いてくれたようだ。その後経産省に来たが、Aさんは何回か経産省に来ているので、警備で立っている守衛に止められ、すぐ別の守衛が呼ばれ、さらに別の守衛も呼ばれて、入構を阻止されてしまった。経産省は本当にひどいところだ。安倍昭恵付きの谷査恵子さんは経産省入局の人なのだから、経産省に谷さんについて聞きに行くことは当然のことなのではないか。
この日も夜には首相官邸前、議員会館前で抗議行動が行われる予定で、昼から行動が行われているのではないかと思う人が、「行ったけどまだ集まってなかった」と座りこみに来る人もいた。
桜は満開。カンパをしてくださった通りすがりの人、また、「前はテントがあすこにあったわよね。撤去されて、ここでやっているんですね。頑張ってください」という夫妻もいた。(T・I)
原発は安全でもグリーンでもない!言いつづけよう 3月29日(木)
昨日に引き続き暖かく春うららと言う感じ。
歩いていると暑くさえ感じるほどだった。
いつもYさん一人で座り込みのセッティングをしているので今日こそと思い12時10分くらい前に到着したのに、
もうすでにヨーカンさんと2人で準備を始めていた。
準備を終えてほっと座って眺めると木々の芽吹きに驚く。
数日前までの枯れ枝が黄緑に輝いていた。
そして今年少し早く咲き始めた桜とのコントラストが素晴らしい。
通りがかりの女性がカンパをして下さりYさんとしばらく話していた。
テントのあったころ時々来てくれていて活動費などを心配されていたとのこと。
何処からかの援助があるのでは聞かれてYさんがカンパで成り立っていると説明したそうです。
素晴らしい天気のもとヨーカンさんのウクレレに合わせて歌っていたらお巡りさんが来てにこにこ見ていた。
裁判の傍聴に行くと言うNさんTさんも寄ってくれた。
3時少し前ヨーカンさんが帰ったあとも若いお巡りさんが来てこんにちわとにっこり挨拶して行った。
警察は市民を守るためにあるんですよね。
3時少し前、わかち愛さんが来て映画の時間までと座ってくれた。
少しの時間でも座ってくれる人がいると嬉しい。
私が帰宅した後、きちんとした身なりの紳士が頑張って下さいと沢山カンパして下さったとYさんからの電話があった。
助かりますね。
原発は安くも安全でもクリーンでもない!言い続けましょう。(I・K)
やはり陽が隠れるとまだ寒くなりますね 3月30日(金)
金曜日担当のSさんが私用の為来られないので私が早番で来ました。私が11時前に着いた時には女性陣が準備を始めていました。経産省前に着いた時には太陽の陽射しが強く汗ばむほどでした。天気予報では強風に気をつけるよう警告していましたがそれほどでもなく眠気を誘われるほどでした。金融庁のビルに太陽が隠れた頃から強風が徐々に体を冷やし冷たさを感じるようになっていきました。3時前に着いたレジェンド・Sさんは特に寒さを訴え、上着を余分に持っていた人から借りて来たのですが足りずお付きの人と上着を買いに出かけました。手袋がいるくらい寒さを感じたので事務所にホッカイロを取りに行きました。
経産省前に戻ってきたがレジェンド・Sさん達はまだ戻っていませんでした。4時から5時まで私は文科省前での朝鮮高校に対する差別糾弾集会に参加するため経産省前を離れました。高校生は春休みで親元に帰っているので学校関係者が20人程で抗議集会をやっていました。通り掛かる日本人の関心は薄く、見てはならないものを見てしまったというように車道側に大きく迂回して通りすぎていました。それにもめげずに集会は5時までしっかり行われました。終わったあと経産省前に戻るとレジェンド・Sさんも暖かそうな頭巾付きジャケットを着込んで経産省への抗議集会に参加していました。この集会のあと多くの人が官邸前抗議集会に参加していきました。我々は幟旗などを片付けて事務所に引き揚げました。(保)
再エネシフトでも原発止めず玄海稼働は許されない 3月30日(金)
3時に到着、経産省本館前は座込み常連Sさん復活で活気。早速、私の「安倍治を許さない・脱原発」チラシとテントニュース135号を配布すると人通り多くやけに受取がいい。再エネにも力を入れ出した(けれど原発続ける)経産を出入りする人も受け取る。
たまたま、花束を持った女性が5人の背広に囲まれて「経産省」石碑前で写真撮影、そう言えば年度末で本日経産省を定年退職らしい。私たちは、横で「経産省は大嘘つき、安全も安いも(無いと)電力足りないも、大嘘」とアピールした。
文科省前の高校無償化適用せよ訴えに参加したあと、5時から経産省本館前で抗議行動。いつものFさんもKさんも力が入ったアピール。経産省からエネ計「意見箱」でお詫びの手紙を受け取った方からの報告も。
座込み片づけを終り、Hさんからおいしいレモネードを頂いた後、座込み当番のHさんと首相官邸前に行くとすごい人だかり。官邸正門前で「嘘をつくな」「麻生辞めろ」「安倍辞めろ」と訴える抗議行動、熱気が21時半過ぎまで。何としても「安倍政治を許さない」ぞ。
経産省抗議行動でも話題になった玄海3号機にトラブル発生、起動後一週間で停止すると、と夜中に報道された。北九州の人たちは物騒で夜もゆっくり眠れない。 (K.M)
みだりに嘘をつくな これが国民の声だ 3月31日(土)
桜は満開を過ぎて少なくなった花びらを若葉が補っていた。風を受けて花びらが舞台の紙吹雪のようにはらはらと舞う。滅多にみることができない極上の一瞬。桜の花びらには妖精が宿るなんて信じてみたくなる。
皮肉にも明日はエイプリルフール。国政や都政にとっては毎日がエイプリルフール。「みだりにうろつくな」ではなく「みだりにウソつくな」だろ。公文書なんか信じるのが馬鹿だとわざわざ御教授頂き恐縮の至り。諸外国からみれば条約の文書も信用できないし商取引の契約書も信じられないだろうね。嘘といえば原子力の世界ではおなじみで原発はウランだけではなくウソで動いている。
こんな輩が子供たちに道徳とやらを教育しようとしている。だが絶望ばかりもしていられない。いや絶望するのは良いことだ。そこから希望を生むことができるのだから。
大事なこと。4月1日は沖縄に米軍が上陸した日。
パワーを!もっとパワーを!
Queen – We Are The Champions
https://www.youtube.com/watch?v=04854XqcfCY
We Are The Champions 歌詞
https://nekoarukiwayaku.blogspot.jp/2015/10/we-are-championsqueen.html
(O・O)
見えにくい国家の歩みを見続けなければならない 4月1日(日)
今年の桜は咲くのも早かったが散るのもまた早いのか。先週の日曜日(3月25日)には座り込みの後に、日比谷公園で花見をした。桜は満開だったが、来週に花見を予定している人たちも多いのだろうという話もあった。まだ、誘われている花見もあるが、葉桜の下での花見もいいのだろう、と思う。桜は散っても街のあちらこちらでは小さな草木も花を咲かせている。散歩の道すがらプランタの草花に水をやっている人に声を掛けると笑顔の返しがある。こんなこころのなごむことがあるのだが、一方ではこんなことも気にはなる。国家の動きについてだ。昭和8年、ということは、1933年に日本が国際連盟を脱退したころのことについて歴史探索家の半藤一利は次のように語っている。
「つまり、時代の風とはそういうものかもしれない。平々凡々に生きる民草の春は、桜が咲けばおのずから浮かれでる。国家の歩みがどっちに向かって歩みだそうと、同時代に生きる国民の日々というものは、ほとんど関係なしに和やかに穏やかにつづいていく。じつはそこに歴史というものの恐ろしさがあるのであるが、いつの時代であっても気がついたときは遅すぎる。こんなはずではなかった、とほとんど人々は後悔するのであるが、それはいつであっても結果が出てしまってからである。」(半藤一利『B面昭和史』)
僕は桜が咲けばおのずから浮かれ出る民草のひとりである。そして、浮かれでるのはいいことだと思っている。それなりの理由があるのだと思っているが、同時に国家の歩みに関わる民草でもありたいと思ってきた。花見で浮かれるのと、国家の歩みに対抗していく、そして、結果が出て後悔するということはしたくないと思ってきた。花見に浮かれていないで、国家の動きに対応しろというのではなく、僕は両方をやりたいのだし、それが大事なことだと思ってきた。花見もし、国家の動向を認識し、それに抗う行動も同じこととしてやろうとしてきた。
それでもここで半藤氏がいうように国家の歩みは民草の一人としての自分とは関係のないとことで進んでいくということを否応なしに認めざるをえないという思いに囚われる。そんなこともある。国家の歩みを認識し、抗い続けたいのだけれど、それが僕らの意思する通りには行かないし、国家は暴走も含めて僕らの手の届かないところで動いて行くことを見ながら、どう闘ったいいのかの自問を繰り返している。なかなか、自答は出てこない。そんな日々なのだが、先週の花見の頃に新宿で、何千人かの人が安倍政権に抗議する集会を持ったことはうれしかったし、僕も身はともかくこころはそちらにも参加していた。そんな気分だった。しかしながら、僕は時折、ここで半藤氏が懸念するように結果が出てから気がつくということにならないということは難しのだと思っている。国家の動きを認識し、それを論評し、行動をしていくことは手放さないでやっていくほかないのだと思う。
国家(権力)の動きを監視し、それに批判をやるのはジャーナリズムの仕事であり、メディアの仕事だと言われてきた。だが、僕らはそんなことは期待できないし、期待はしない。自分でやる、自己でやる、それが大事なことだと思う。そのとき必要なのは見え難い国家の歩み、それに対抗していく構想の提示をぼくらは想像力を駆使してやることだ。想像力が働く、契機やヒントはどこにでもあるが、とりわけ歴史には豊富にある。考え、考え続けることで国家の歩みに抗して行きたい。
この間、森友学園の国有地不正取引問題が取り沙汰されてきた。これは一つには安倍夫妻の犯罪であり。もう一つはそれを庇ってきた官僚の犯罪である。僕らはこれを見ながら日本の官僚を含めた権力の存在様式が露呈されるのを見ていた。暴走する国家(権力)の構造、そのあり様を見させられてきたと言える。これについては詳しく論じないが、僕が気になっているのは、こういう問題の動きをよそに進められよとしている憲法改正の動きである。憲法改正は自民党の長年の方針だったし、特に安倍晋三は最大に政治目標だったから、議会での発議の可能性(三分の二以上の賛成の確保)がある以上、そこに政治的な的を絞ってくることは分かる。憲法9条の改正が目的であることも。ただ、この改正において憲法9条の第二項、いわゆる戦力不保持、交戦権の否定を眼目にするものと考えられてきた。これは自民党や保守の憲法改正の眼目だった。これはよく知られていることだし、自民党の憲法改正草案もそうである。
昨年5月に安倍首相が打ち出したのは従来の憲法9条の二項の改正ではなく、憲法9条の第一項、第二項はそのままにして「自衛隊の明記」を加えるということだった。この変更は何故出て来たのか。それを安倍は明瞭に説明してはいない。彼はこれを自衛隊についての違憲議論があるからこれを払拭するためであるという。安倍は現行の自衛隊が合憲である(憲法は自衛の軍は否定していない)という憲法解釈にあり、仮に彼の憲法改正論が国民投票で否定されてもこの憲法解釈は否定しない、という。そしたらなんのための憲法改正から不明瞭なのである。自衛隊違憲論は自衛隊の存在否定論と同じように憲法を超えたレベルである議論であり、そんなことは憲法改正と関係がないことだと言える。彼は「憲法に自衛隊を明記」する理由、その政治的理由を説明しない。自衛隊違憲論を払拭するために、憲法を改正するということを超えた目的というか理由があるはずだ。彼はこれを隠しているというか、説明はしていない。
このことは「憲法9条」に「自衛隊の明記」という改憲論が分かりにくい事態を生んでいる、これは彼の政治的な戦略であり、戦術であるのだろうが、僕らは政治的想像力でここを突破しないといけない。「自衛隊の明記」は現に存在する自衛隊の憲法での容認ということを超えたことが意図されているのではないか。自衛隊は「自衛のための軍」として組織されたが、現在では他国家の侵略ということが、とりわけ主権国家間の侵略(戦争)ということが明瞭ではなく、イメージし難いように、自衛という事も、自衛の軍ということもイメージをしにくい。これは現代の戦争という戦争の歴史性によることである。だだ、明瞭なことは自衛の軍ということが、自衛の戦争のイメージの曖昧さによって、精神性を欠如させている。それはある。自衛隊は装備という点でいえば世界の第何位かの存在かもしれない。しかし、軍としての精神性(共同意識)は低い存在だと思う。これは僕の推察だが、あまり的を外していないと思う。そこが、自衛隊の存在の救いだと僕は考えるが、安倍は正反対であり、自衛隊を変えたいと思っている。かれは国家の軍として、国家意志の体現者として自衛隊として精神性を持たせたいのである。こういうことに着目していたのは三島由紀夫だった。安倍もまた、自衛隊に精神性をもたせたいのであり、その道として「自衛隊の憲法明記」を構想しているのだ。これは憲法9条(一項。二項)の非戦意識を無効にする狙いはあるが、それ以上に国家の軍に自衛隊を変えようとしているのだ。自衛の軍ということでは国家意志の軍にはなり切れないという限界を憲法に明記することで変えようとしている。
安倍はいわゆる立憲(権力の乱用を制限するという考え)という考えはない。彼にとって憲法も、法律も権力を縛り、制限するものとしてはない。彼にとって憲法や法律は統治の手段であり、道具であり、その意味で憲法を利用しようとしている。(中国の法家の思想を踏襲しているのではないか)。立憲的な考えにあれば、「自衛隊を明記」することで、自衛隊の存在を高めようとする発想は出てこない。権力としての自衛隊(軍)を縛る、制限するという考えは出てくるだろうが、それは自衛隊が国軍としてある場合であり、現在のような場合にはそれを憲法に記す必要はない。(安倍は立憲主義ではなく、統治の手段としての憲法という立場からこれを考えている。これもわかりにくい理由である)。
それ以上に現代世界では国家の主権としての戦争が困難になっているという歴史的現実の認識が安倍にはない。彼にとって戦争は国家と不可欠な関係にあるという考えに立っており、「戦争ができる国家」というのは前提的なことだ。第二次世界戦争がもたらした国家にとっての戦争の変化ということを考えていない。これは、アメリカ占領軍が日本弱体化戦略で持ちこんだものという認識しかない。安倍にはまともな戦争観はみあたらないが、彼は国家(戦争)こそが、日本の近代社会を創り出してきたという考えに無意識も含めて帰っているように思う。彼は戦争を国家の根本に据えることで、現在の行き詰まっている社会を抜け出すという構想に足を踏み入れているのではないか。そこに足を踏み入れている。日本の重工業の動きが背後にあると言える。原発固執が潜在核武装の固執にあることもその一環である。戦後の否定と戦前の復帰はこのように構想されているのである、ここは僕らが見えにくい国家の動向であり、僕らの日常的な感覚ではとらえにくいとことだと思う。ここは政治的想像力を使ってみて行かなければならないところではないか。(三上治)
霞が関に桜は散るのも早いか、葉桜になって 4月2日(月)
新年度の初日なので経産省にも新人が大量に入ってきたようで午後1時過ぎには30人ほどが正門から出てきて虎ノ門の方へ向かっていった。ガードマンも新人が二人入ってきたようでその二人をサンドイッチにして見回りをやっていた。先週まで満開に咲いていた霞が関の桜は花が散りすっかり葉桜になり緑一色になっていた。ソメイヨシノしか植えてないから一時に咲いて華やかだが散るのも一緒で呆気ない印象ばかりが感じられる。昔はソメイヨシノのあとには八重桜や垂れ桜が咲いていて違う風情を楽しんだものだったが。きょうは風もなく太陽の陽射しだけが強く感じられ蒸し暑く眠気を誘われた。そんななか、右翼の街宣車が一台、外務省抗議にやって来た。この間、河野太郎の外交方針が右翼のそれと代わりがないので外務省への抗議はなかった、久しぶりである。なにを抗議しに来たのかと聞いてあると、安倍がトランプの言いなりになってばかりで、北朝鮮問題については日本が置いてきぼりにされていて国益を損なっているというものだった。
結構安倍外交の危うさをついていると思う。トランプは秋の中間選挙を睨んでアメリカ第一主義をますます推し進めていかなければならないので日本の事など考えていられないのだ。きょうのレジェンド・Sさん。昨日よく眠れたのか国会前から経産省まで1回休んだだけだったとのこと。しかし腰の痛みは相変わらずでそのあとの防衛省への抗議集会は断念して帰られた。(保)
地方から来られる方で座り込みに参加される人あり 4月3日(火)
遅番のAさんに資料を渡すために経産省前に行った。勝さん、Aさん、Fさん、それにレジェンド・Sさんも早めに参加していた。空は晴れて暖かで汗ばむほどでした。4時頃、Fさん、勝さんのお二人はそれぞれの用事で出掛けられた。私は夜の会議が7時なのでそのまま座り込んだ。そこへはるばる富山県から国会前抗議集会に参加される方が寄って下さった。志賀原発反対運動に参加して今日まで原発反対一筋にやって来られ、今は名古屋まで裁判等のためよく通っておられるそうだ。東京に来た時にはいつもテントひろばに寄って下さっているそうだ。志賀原発反対運動の話しではレジェンド・Sさんと思い出話に花を咲かせられていた。5時過ぎ風が冷たくなってきてレジェンド・Sさんが薄物で来たので寒いとおっしゃったので、風邪を引かせては不味いと思い早番のOさんにー同じ方向なのでー同行してもらった。(保)
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経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その64
原発マネー(電源三法交付金、固定資産税、寄付金)に騙されるな
~札束でひっぱたかれ続ける立地自治体の実態~
木村雅英(経産省前テントひろば)
札束と嘘で造られ稼働されてきた原発。
佐藤暁さんが岩波科学3月号「原子力発電所と地域経済(3)」で今も生きている「札束」の実態を示している。
〇 電源三法交付金
電源三法(電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法)のために、私たちは使用電力1kWhあたり0.375円の税金を払っていることになる。交付金を都道府県別(2014年)に見ると、多い順に、
福井235億円、青森154億円、新潟130億円、茨城93億円、福島84億円。福井県内(高浜、おおい、敦賀、美浜)には過去40年間に4700億円交付された。
まずは、立地調査から建設中に短期間に多額を支給して誘致。商用運転に入ってからは、出力と稼働率と運転期間と使用済燃料とプルサーマル受入に比例してより多くの交付金を受け取ることができるそうだ。
○ 固定資産税
建設費に0.7を乗じて定率法で償却資産とし税率1.4%として計算するが20年目からは定額のまま。
2009年度の固定資産税額は、多い順に
松江市(117億)、柏崎市(92億)、敦賀市(84億)、東海村(82億)、御前崎市、薩摩川内市、志賀町、六ヶ所村、東通村、女川町、おおい町、玄海町、刈羽村(22億)、泊村(14億)と続く。
20年目からは定額が払われているがそれをやめて償却資産額(少なくなる)とする動きに対して、2013年に全原協(全国原子力発電所所在市町村協議会)が、固定資産税収入を大幅に失わせる政策は到底容認できるのものではなりませんと要請書を出した。
六ヶ所村再処理施設については、なんと、まだ稼働していないあるいは未完成の施設をあえて資産として認めてこれに固定資産税を課して、すでに2兆円近くも減価償却されたそうだ。
○ 寄付金
昭和40年代から、国から立地自治体に支払われた総額は3兆1千億円。交付金が9150億円、税金が2兆円余り、寄付金が1640億円(2012年、NHK)。寄付金は、福井県に235億円、青森県財団に192億円余り、東通村に180億円、旧浜岡町に25億円、…が電力会社から寄付された。自治体では寄付とせずに「雑入」とされ、自治体の監査が全く機能していない。まるでマネー・ロンダリングのよう。
○ 原発マネーが自治体歳入額の過半
原子力関連施設の立地市町村が受け取る電源三法交付金、固定資産税、寄付金の合計額は、自治体歳入額の過半を占める。例えば、2009年度決算によれば、
刈羽村75億円(73%)、東通村61億円(68%)、女川町(62%)、泊村(58%)、双葉町(56%)、大熊町(55%)、六ヶ所村(55%)、玄海町(53%)、高浜町41億円(52%)と、原発マネーのアドバンテージは絶大。
数字が並んでうんざりかも知れないが、国と電力会社がひどい差配で大金を出し、自治体が札束でひっぱたかれている実態を見ることができる。
詳しくは、同論文とそこに掲載された表(1~10)をご覧いただきたい。
政府も電力会社もこんなやり方をもう止めるべきだ。
福島原発告訴団からのおしらせ
福島原発刑事訴訟の次回第5回公判は4月10日(火)です
時間は10時~17時。
傍聴整理券配布時間は、前回と同じく8:20より9:00と思われます。
また、第6回公判は翌日11日(水)、第7回公判は17日(火)です。
10日と11日は、公判併行の集会はなく、公判終了後の
報告会のみ予定しています。
・4月10日(火)第5回公判報告会 17時頃~参議院議員会館101室
・4月11日(水)第6回公判報告会 17時頃~参議院議員会館102室
4月17日(火)は、公判併行の院内集会を開催します。
裁判終了後は、同会場で裁判報告会・記者会見を行います。
・4月17日(火)第7回公判併行集会 11時~16時半頃、
裁判報告会・記者会見17時頃~ 参議院議員会館講堂
以降の公判予定
4月24日(火)、27日(金)
5月8日(火)、9日(水)、29日(金)、30日(水)
6月1日(金)、12日(火)、13日(水)、15日(金)
連絡先:福島原発告訴団 電話 080-5739-7279
安倍・麻生の国家の私物化糾弾!公文書改ざんを許さない!
連日の緊急行動 12時~ 18時~
場所:衆議院第2議員会館前を中心に
呼びかけ:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 など
予定を確認して参加して下さい。
4月6日(金) 5時~6時経産省前抗議行動(テントひろば)
反原連の官邸前抗議行動は6時30分から
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。