SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】268 国連個人特使と米国務副長官が北アフリカ視察
- 2018年 6月 25日
- 評論・紹介・意見
- サハラモロッコ国連平田伊都子西サハラ
6月20日、モロッコはポルトガルに1対0で負けました。 が、「負けた~!」でおさまらないのがモロッコ国王陛下のようです。 モロッコ・ナショナルチーム<アトラス・ライオン>をけしかけFIFAに噛みつかせました。 なんでも、ポルトガル選手の反則をアメリカのレフリーが取り上げなかったとか?? モロッコの負けをモロッコの勝にしようとネットで扇動し、6月25日のスペイン戦ではファンに黒の腕章をつけさせ、FIFAに抗議をするそうです。 国王陛下は内務省にも怒りの矛先を向け首切りを命じ、6月22日にモロッコ内務省は人事の大刷新を敢行しました。
モロッコは麻薬、失業、占領という未解決の問題を抱えています。 モロッコ占領地問題を解決するため、国連がそして米国が動き出しました。 ワールドカップの敗北にこだわってる場合じゃないでしょう、、
6月20日の対モロッコ戦でゴールを決めたポルトガル・ナショナルチームのキャプテン・クリスティアーノ・ロナウド。
ちなみにモロッコ・ナショナルチームのヘッドコーチ・ハーヴェ・ルナールはフランス人
(1) 麻薬犯罪:
2018年6月18日、モロッコ当局は、「2017年の麻薬犯罪件数が85,000を超えている」というレポートを発表した。レポートによると、逮捕者のうち、17,190人がキフ(カナビの一種)、56,318人がチラ(自家製ハシッシ)、478人がコカイン、1,267人が覚せい剤、、などなどに関わっていた。さらにレポートは、「麻薬常習者を治療する施設がなさすぎる。約600,000人のモロッコ人が麻薬常習者で、うち16,000人は、ヘロインやコカインなどの麻薬中毒者だ。麻薬常習は18才から28才の若者に広がっている。モハンマドⅥ世陛下は、麻薬常習者治療センターをカサブランカ郊外のシデイ・ムーミンに、モハンマドⅥ世財団の下で開設された。さらにモハンマドⅥ世陛下は、ベンスレイマネに麻薬中毒研究所の建設を命じられた」と、伝えている。
MWNモロッコ世界ニュースによると、この麻薬撲滅計画は2010年に、内務省と保健省の企画として既に組み込まれていたそうだ。
(2) UN個人特使の西サハラ方面視察:
6月21日、国連ヌーン・デイリー・プレス・ブリーフィングでファルハン・ハック副報道官が、「西サハラに関しての質問に答えて、ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使が6月23日から7月1日にかけて再び当該地を視察することを、お伝えする。彼は、アルジェ、ヌアクショット、ティンドゥフ、ラボニ、ラバト、ラユーン、スマラ、ダハラを訪れる」と、発表した。さらに副報道官は、「かれの目的は二点:一点目は、現地情勢に対する認識を深める事、二点目は、国連安保理決議2414が命じる国連による政治的解決に向けての道筋を探る事」と、言及した。
ジョン・J・サリバン米国務副長官(58才)が6月25日から29日にかけて、アルジェリアやモロッコを視察する。目的はマグレブ北アフリカ地域の治安問題の検証で、ケラーとのドッキングも期待されている。2017年4月に♠米大統領から米国務副長官の指名を受け、2017年5月に議会から承認された。テラーソン前米国務長官とポンピオ現米国務長官の引継ぎの間、米国務長官を務めた同省のナンバーツーだ。中東とロシアのエネルギー経済に明るく、ロシア、イラン、キューバ、イラクなどと繋がる企業の弁護士を務めていた。
国連事務総長西サハラ個人特使の西サハラ地域視察は恒例の行事で、サプライズは期待うすだが、米国務副長官の方は、、期待してしまいます。 なんたって♠米大統領の側近です、、
(3) 6月25日、モロッコVSスペインそして、漁業交渉:
6月24日の千葉日報が、「大型クロマグロ(30キロ超)の資源保護のため、7月から全国で漁獲規制が始まる。千葉県内有数の水揚げ地である勝浦市の沿岸漁業者は<漁獲枠が減り、これでは生活ができなくなる>と、悲鳴を上げている」と、伝えている。
太平洋クロマグロも絶滅危機にあるとかで、残るは大西洋クロマグロ、、特に、西サハラ領海内のクロマグロが注目を浴びている。かって、日本の漁師さん相手の酒場で栄えたというカナリヤ諸島は、西サハラ領海に隣接している。
モロッコは、世界一のクロマグロ消費国でクロマグロ漁に四苦八苦している日本を見据えて、<モロッコEU漁業契約>を更新した。ヨーロッパ司法裁判所の警告に反して、モロッコは西サハラ領海も含めて、4月20日から交渉を再開した。しかし、2026年ワールドカップ招致に失敗すると、モロッコは提案されていたモロッコへの投資金4,600,000,000円を倍の9,200,000,000円に引き上げた。さらに船主には約1,786,400,000円の契約金を要求した。ワールドカップ招致の失敗で、当てにしていた建設業が見送られ、10万人以上の職がなくなる。しかも、モロッコ国王陛下はモロッコ・サハラ(西サハラのモロッコ式呼称)の開発に2015年だけで、8,000憶円も注ぎ込んだ(モロッコ国連大使の発言)。6月25日には第3回目の<モロッコEU漁業交渉>が行われるが、モロッコは値引きをしたくない!でしょうね、、 そのつけが日本の漁師さんに回ってこないことを祈るばかりです。
6月23日、国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラーはアルジェリアの首都アルジェに入り、アルジェリア外務大臣アブデルカデル・メッサヘルに会いました。 両者は、モロッコが2012年から拒否し続けている<両当事者直接交渉>の再開を検討しました。
モロッコ国王陛下、負けは負け、違反は違反、、あなたは国際法違反人間や。 国連憲章をよく読んでご対応ください。
追伸:西サハラの人々に会いたい方は、ユーチューブの「ラストコロニー西サハラ」で検索するか、下記のアドレスにアクセスしてください。
Youtube URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo (日本語版)
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年6月25日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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