SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】270 アフリカ不法移民を見捨てないで!
- 2018年 7月 8日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子移民西サハラ
サハラ砂漠以南のアフリカからヨーロッパへ渡ろうとする不法移民の数は、増加しています。 様々なルートがありますが、いずれにしろ斡旋業者は金のないアフリカの人々から金を取ります。 そして、アフリカの海岸からゴムボートに詰め込み、運悪くボートが沈むことがあります。 2018年6月、救助船が生き残った人々を救って近場のイタリアやマルタに寄港しようとしましたが、両国とも断りました。 幽霊船の様に地中海を漂った救助船を救ったのは、スペインのペドロ新首相でした。
IOM国際移民組織は、今年に入って12,155人の不法移民がスペインに入り、途中で死んだ人は292人だと発表しています。
(1)アミヌ・ハリトの轢き殺し事件、その後:
公道のカーレースで歩行者を轢き殺したアミヌ・ハリトは、フランスの国籍を持つモロッコ移民2世だ。フランスのポントワーズで1997年6月18日に生まれ、サッカー選手としてスーパースターとなり、現在はドイツのシャルケ04に属し、2018年サッカー・ワールドカップにモロッコナショナルチーム<アトラス・ライオン>のMFミッド・フィールダーとして参加した。が、モロッコは予選落ちした。2018年6月29日の事件後沈黙していた、轢き殺された青年(29)の両親が7月4日、アラビア語紙<ヘスプレス>のインタビューに応じた。「モロッコ警察当局はなぜ6月29日23時に起きた事件を、6月30日の7時になるまで私たちに報せなかったのだ!事件後、アミヌの父と叔父がお悔やみにきたが、プレスは金を払ったと報道した。私たちは彼らから一銭も貰ってない!!」と、真実を語った。「息子の命は、金に替えれない」と、悔し涙を流した。
一方、7月3日のマラケシュ簡易裁判で検察側は、アミヌのパスポートも運転免許も返えし、モロッコ出国の許可まで与えた。「事情聴取は7月11日に延期された」と、関係者が語ったそうだ。サッカー王国モロッコならではの超法規対応だが、、父さん母さん、悔しいね!
(2)アメリカ独立記念日に送った祝辞:
7月4日はアメリカ独立記念日だ。モロッコと西サハラの紛争両当事者は、♠米大統領に夫々、祝辞を送った。
MWNモロッコ世界ニュースは「モハンマドⅥ世国王は、♠米大統領に彼の国の独立を祝うメッセージを本日7月4日、発表した」と、伝えた。さらにMWNは、「国王の消息筋によると、王国はアメリカ大統領の健康と幸せと、アメリカ国民の発展と富を、心から願うと表明」と、発表し、モロッコとアメリカ両国の友情と強い絆にも言及した。
ブラヒム・ガリ西サハラ難民政府大統領は丁寧な書簡を送り、「アメリカ人民とアメリカ大統領に、西サハラ人民を代表して、合衆国独立記念日のお祝いを申し上げます。独立の精神を尊ぶあなた方は、世界の人々の民族自決権の精神も尊重するものと信じてやみません。そして、西サハラ人民が民主的に政治的目標を達成することを、引き続きご支援いただけますよう、こころからお願い申しあげます」と、♠米大統領の支援を強く要請した。
モロッコではモロッコ国王と♠米大統領のツーショットもどき
(3)マクロン仏大統領のアフリカ旅行、ロシア旅行:
さて、マクロン仏大統領のアフリカ旅行は? 7月2日のAUアフリカ連合首脳会議に出席し、主催国モーリタニアの大統領と会談し、フランスが指導する元仏植民地5か国サヘル・サミットで軍事協力やテロ対策などを教示した。しかし、本来の目的は、北アフリカにヨーロッパを目指す移民のセンターを作る事にあったようだ。その後、ナイジェリアに立ち寄ったマクロン仏大統領はBBC英国TVに、「EUヨーロッパ連合が考えている北アフリカ移民中継センターの計画は、アフリカ諸国が先頭に立って動かない限り作動しない。アフリカ諸国はそのようなセンターは不法移民を増長させることになるだけだと恐れている。アフリカには、センターを請け負う国などない」と、語った。マクロンやEUヨーロッパ連合の首脳たちは7月の首脳会議で、再度、アフリカ移民センター計画を検討することに合意している。6月28日にブリュッセルで開かれたEU移民サミットに先駆けて、フランスは子分のモロッコに移民センター主催国の依頼を打診したが、断られていた。サッカーファーストのモロッコは、ワールドカップ主催以外に興味がないようだ。2030年ワールドカップ招聘に向け、チュニジアや敵対国アルジェリアにまで働きかけている。狙いは、2030年ワールドカップ。マグレブ(北アフリカ)大会??
(4)スコット米EAP環境保護局庁長官辞任原因は、モロッコ豪華旅行:
2018年7月5日、EPAアメリカ環境保護局長官が首になった。国費の乱用や夫人の縁故雇用などなど、職権を悪用した醜聞が続々と暴露された。ロイター通信やワシントンポスト紙などによると、複数の議員が聴聞会で、2017年12月のスコット・ㇷ゚ルイット一行の環境問題を名目にしたモロッコ豪華旅行が問い質された。アメリカ政府は<液化天然ガスの輸入>という豪華旅行名目の一つに投資した。が、この件はEPA の管轄ではなく、実際のところ一行は何もしなかった。このモロッコ豪華旅行は、スコットの親友であるロビイストが仕込んだもので、多数の非公式で公私混同した行事に、彼も同席した。このロビイストは、その後、モロッコ専門のロビイストとして、ひと月4,400,000円で雇われたと、言われている。
そして、♠米大統領は、石炭業界の元ロビイストであるアンドリュー・ウィーラーEPA副長官が、9日からEPAアメリカ環境保護局長官代行に就任すると発表した。えっ?マジっすか!冗談が過ぎません!♠さん、、
マクロン仏大横領は7月10日、サンクトぺテルブルクに向かいます。 プーチン露大統領の生まれ故郷サンクトペテルブルクに何しに行くのか?ワールドカップ準決勝が、ベルギーとフランスの間で戦われるからです。 ヨーロッパの人権団体は、ロシアがシリア政府を支持しているという理由で、ロシア・ワールドカップ・ボイコットを呼びかけてきました。
体制も反体制も、サッカーであれオリンピックであれ、何でもかんでも利用するのですね!!
追伸:西サハラの人々に会いたい方は、ユーチューブの「ラストコロニー西サハラ」で検索するか、下記のアドレスにアクセスしてください。
Youtube URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo (日本語版)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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