9条改憲反対署名の締め切り迫る - 安倍発言で危機感高まり、署名達成呼びかけ -
- 2018年 9月 26日
- 時代をみる
- 岩垂 弘憲法9条
護憲派の市民、団体が目指す「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」の第4次締め切りの9月30日が迫った。20日に行われた自民党総裁選で9条改憲を悲願とする安倍晋三首相(党総裁)が3選され、選出後の記者会見で「自民党の改憲案を国会に提出したい」と決意を述べたことから、署名関係者は一層危機感を高め、「なんとしても早急に目標の3000万筆を達成しよう」と呼びかけている。
署名を呼びかけているのは「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」である。
これは、昨年8月31日に、有馬頼底(臨済宗相国寺派管長)、内田樹(神戸女学院大学名誉教授)、梅原猛(哲学者)、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)、香山リカ(精神科医)、佐高信(ジャーナリスト)、澤地久枝(作家)、杉原泰雄(一橋大学名誉教授)、瀬戸内寂聴(作家)、田中優子(法政大学教授)、田原総一朗(ジャーナリスト)、暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)、なかにし礼(作家・作詞家)、浜矩子(同志社大学教授)、樋口陽一(東北大学・東京大学名誉教授)、益川敏英(京都大学名誉教授)、森村誠一(作家)の19氏を発起人として生まれた新しい護憲組織で、既存の護憲団体が大同団結したものだった。
19氏や「九条の会」などの護憲団体に新しい護憲組織の結成をうながしたのは、安倍首の発言だ。すなわち、安倍首相は昨年5月3日の憲法記念日の読売新聞紙上で、憲法改定を実現し、2020年の施行を目指す方針を表明、その中で、戦争放棄などを定めた現行の9条の1項と2項を残し、自衛隊の存在を明記する意向を示した。このため、「安倍政権がいよいよ9条改憲に乗り出してきた」との危機感が護憲派の間に広がり、護憲派を「安倍政権の攻勢に対抗するためには運動の幅をもっと拡大しなくては」という方向に向かわせたのだった。
安倍9条改憲NO!全国市民アクションによれば、今年4月16日現在で、アクションの呼びかけ人・賛同人は855人、実行委員会・賛同団体・協賛団体は93にのぼるという。
同アクションは昨年9月から「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」を始めたが、目標は3000万筆。これは、かなり高い目標だ。戦後の日本ではこれまでさまざまな署名運動が行われたが、3000万筆を超えたのは2つしかない。1950年代に行われた原水爆禁止署名(3200万筆)と、1980年代に行われた、国連に核兵器完全禁止と軍縮を要請する署名運動(8000万筆)だ。
同アクションによれば、「全国統一署名」は、今年5月3日で1350万筆に達した。来る9月末に第4次集約が予定されており、そこで新しい到達署名数が発表される。
さる17日に東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発全国集会」で登壇した「戦争させない9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の福山真劫・共同代表は、会場を埋めた参加者に「安倍政権の暴走をストップさせるさせるために3000万全国統一署名に全力で取り組もう」と呼びかけた。
安倍9条改憲NO!全国市民アクションの連絡先は次の通り。
東京都千代田区猿楽町1-2-3 錦華堂ビル4A
電話03-5280-7157
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