中国擁護のわけ その6 BBCやアル・ジャジーラは信用できるか?
- 2018年 10月 29日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
BBCサイトで“中国ウイグル人: 100万人が政治収容所に拘留されていると国連が語る”を覗いてみた(24日付の『マスコミに載らない海外記事』におけるTony Cartalucci氏の紹介)。訓練された記者が書いたとは思えない。本記事の脇に「China’s secret in the desert」という写真記事があるのでこちらもソッと覗いてみた。
Tony氏が「信憑性に欠ける」と指摘している理由がわかる。”images”とか”imagery”という言葉が出てくるが,人工衛星からの直接の写真ではないことを示唆する。次にこの政治収容所がウルムチ市とトルファン市との間にあるBancheng(?坂城)地区にあることが分かる。2015年と2018年の違いを示す画像であるが,2017年版のグ-グル地図で調べたらその手の施設(収容所)はない。地図や画像に疎い小生でも確認できる。これは「ないものをある」としている例であり,信憑性以前の話であり,捏造であり,でっち上げである。
しかもBBCのこの記事を信用できないのは,次のような文を発見したからである;A Chinese flag flies above a closed mosque in the Xinjian city of Kashgar.
新疆ウィグル自治区。新疆(Xinjian)は自治区の総称であって一つの「市」ではない。しかもカシュガル市という街に新疆市はない。そして第三にこんなモスク(写真)はカシュガル市にはない。要するにこの記事は捏造であり,現地を知らない記者が書いたということである。
現場に行ったことがないのに上司に「記事を書け」と命令されて書いた記事であろう。しかし印象操作のためか,新疆市というものが本当に存在するのかも,という心象を抱いてしまう。
さてTony氏はまた,アル・ジャジ-ラの記事“Malaysia ignores China’s request; frees 11 ethnic Uighurs Freed Uighurs were part of a group first detained in Thailand four years ago. They escaped to Malaysia in 2017.“(12 Oct 2018)を紹介している。
しかしこの記事の内容が事実かどうかも小生は判らない。もしタイ政府が逮捕していたなら中国政府がまずタイ政府に少数民族11人の引き渡しを要求すべきであった。要求しなかったのはなぜか。それとも要求していたのであろうか。
さてウィグル人11人の記事の後半に‘Re-education’の文章が来る。こうなると読む前からこの記事が中国批判の記事であることが判る。
しかしなぜこうも中国批判の記事が出回るのだろうか。それは,ペトロダラ-に代わって台頭してきた人民元の中国をやり込めたいからであろう。それは例えば,トランプ大統領による鉄鋼関税25%にも表れているだろう。
追記: ヤルカンド市に約100万人収容の強制収容所があるという説もある。一方,BBCではBancheng(?坂城)が紹介され,100万人収容の再教育キャンプの話が出てくる。果たして収容所の位置はどちらが本当なのであろうか。
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