SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】293 西サハラ・ラウンド・テーブル(円卓会議)
- 2018年 12月 8日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
6年振りにやっと会えました! 2018年12月5日と6日の事でした。 西サハラの代表とモロッコの代表が、何だかんだ言いながら、でも結局、スイスのレマン湖畔にあるジュネーブ国連本部で再会したのです。
「あんな奴らと絶対に席を同じゅうするでないゾ!」と、モハンマドⅥ世モロッコ国王陛下は10月のTICAD(アフリカ開発会議)閣僚級準備東京会議と同様に、西サハラを会議から排除するようお申しつけになられました。 が、世の流れには逆らえない、、国王のご意向に反して、湖畔の逢瀬は叶いました!
ジュネーブ国連本部に着いた西サハラポリサリオ代表団を迎える国連職員
(1) 西サハラ・ラウンドテーブル(円卓会議)に着いた人々:
12月5日、厚手のコートに身を包んだ人々が、西サハラやモロッコやアルジェリアやモーリタニアから、ジュネーブ国連ビルに到着した。
西サハラを代表する西サハラ難民政府ポリサリオ戦線独立運動組織の代表団は、ハトリ・アブドゥ国会議長を団長に、アムハミド・ハッダードMINUSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)西サハラ代表、シデイ・モハンマド・オマル国連西サハラ代表、ファテイマ・アルマハデイ西サハラ女性連合会長などで構成されている。
対するモロッコ代表団は、ナセル・ブリタ外務大臣、オマル・ヒラール国連モロッコ大使、シデイ・ハムデイ・ワリド・エッラシード、インジャ・ハッタト、ファテイマ・アドリなど。外交戦術だとかで、様々な名前を散々チラつかせた後、直前になって発表された。
なぜ、国連がラウンドテーブルを用意したのかというと、ひとえに、モロッコを会議に誘い込むためだった。あくまでも西サハラとの対面を嫌うモロッコに、「アルジェリアやモーリタニアを加えたみんなで囲むラウンドテーブルなら、誰が主役か分からないから直接対面は避けられる」と、国連は説得したようだ。手間のかかる王族だ。来年のTICAD首脳会議も、ラウンドテーブル(回転すし方式)でやることをお勧めします。
アルジェリアとモーリタニアは、夫々の外務大臣と国連大使をラウンドテーブルに送り込んだ。
(2) ニューヨーク国連本部の記者発表:
2018年12月4日、5日、6日と連日にわたって、ニューヨーク国連本部で西サハラ・ラウンドテーブルの報告をした。そのうち、6日のステファン国連事務総長報道官の発表を要訳する。「ジュネーブのラウンドテーブルは、国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラー主催の下で行われ、参加したモロッコ、ポリサリオ戦線、アルジェリア、モーリタニアの4代表団は、声明文に同意した。声明文は、<代表団が交渉進展を確認し、地域問題にも触れ、政治交渉の次の段階を討議した>と、語っている。全ての代表団が、地域が直面している問題解決の最良の策は、対決ではなく協力と地域融和だと認識している。全ての討論は、真摯な態度と尊敬の念と、なおかつオープンな雰囲気で行われた。代表団は、来年四半期の早い時期に第二ラウンドテーブルを開催したいという個人特使に、賛意を表明した」
(3) ファースト・ラウンド・テーブルの結果発表:
国連西サハラ事務総長個人特使ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領が、会議終了後の12
月7日記者会見で、「突破口は見つからなかったけど、会議参加者全員が和やかな中で、次の会議開催に賛同した。次回は年明け早々に行いたい」と、楽観的な声明を発表した。
BBC英国TV、とAFP通信は12月7日に、「2012年以来の平和交渉が、当事者の再会によって始まった。1991年まで戦っていたモロッコとポリサリオ戦線の両戦争当事者は、アルジェリアとモーリタニアの隣国立会いの下、二日間の交渉に参加した」と、交渉再開を告げた。さらに、「西サハラは1975年から領土権を巡って、モロッコとポリサリオ戦線の間で争われてきた。1991年に国連の仲介で、独立をオプションの一つとする人民投票が、地域の未来を決めるものとして約束された。が、未だに手を付けられていない」と、説明を加えた。
同じ12月7日のロイター通信は、「会談後、ナセル・ブリタ・モロコ外務大臣は、人民投票は議題に上っていないと、言った。ポリサリオ交渉団長のハトリ・アッドウは、最も民主的な解決策は、1991年に国連が提案した人民投票で、人民自らが選択することだと語った。さらにポリサリオ側は、国連提案を支援するアメリカとAUアフリカ連合を称賛した。が、西サハラ領海を含むモロッコとEU漁業契約は、EU司法裁判所の決定に反する違法行為だと非難した」と、発表した。
♠米大統領は「金正恩に恋をしちゃった」とか言って、来年早々にも再会したいそうです。 2,500キロメートルの地雷防御壁で分断されて、モロッコ占領地・西サハラと難民キャン
プに生きる西サハラの人民は、分かれた家族への恋しい思いが募る一方です。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてしんじまえ!
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年12月7日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8208:181208〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。