テント日誌12月8日…原発を止めたら電気が足りなくなると思っている人は
- 2018年 12月 11日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1807日後
原発を止めたら電気が足りなくなると思っている人は… 12月2(日)
師走に入って初めての日曜日はどことなく肌寒い。12時にテント広場座り込み現場に着くと藤原節男さんと帯谷さんとで設営が終わったところであった。藤原節男さんから12時から座り込みだから、準備があるので11時半には来なさいとお叱りを受ける。新宿アルタ前の日曜街宣で一緒するSさんが来て3人での座り込みだ。藤原さんがトランペット演奏でモーツァルトの子守歌などを吹いて結構いい感じ。ハシユキ、永瀬さん、三上さんが来て日曜日のメンバーが揃った。
そこへ70~80歳ぐらいと思われる6,7人の人達が通りかかり、なんだこれはと言いながら通り過ぎようとしたので、原発に反対していますと言ったら、原発に反対? 電気はどうするのだと言ったので、すかさずハシユキが「原発なくても電気は足りていますよ」と言ったがそのまま行ってしまった。まだまだ原発のこと知らない人が多いのだなと思った。3時になって撤収後、事務所に戻ると北海道の泊原発反対運動をやっているIさんが来て藤原さんに原発のことを色々聞いて知識を深めたようだ。いつもながら専門家が傍にいるのは良いことだと思った。(S・K)
今日から月曜の当番になった 12月3日(月)
11時50分に経産省前に着いたとき、既に仲間が一人待っていました。
坂本・高瀬の二人で設営し、座り込み開始。延べ参加9人。
高瀬の月曜参加は初めてなので、相互の自己紹介をし、その中でテントとの係わりの由来やら、懐かしい古い時代の話やらに花が咲き、和気あいあいの座り込みとなりました。政府・経産省が「新小型原発」開発を表明する中で、さっそく、対政府ヒヤリングの案内を持った女性も参加しました。
さよなら原発千葉のNさんも参加。「久しぶりですね」と話しかけると、体調はあまり良くないけど千葉は原発だけでなく、木更津のオスプレイやミサイル配備問題で忙しんだ!とのこと。月曜日も首都圏の各種運動の貴重な情報交換の場の役割を果たしていますね。
心優しく和やかな女性に囲まれた座り込みも良いが、寡黙な男たちの座り込みの良いものだ!と満たされた気持ちで帰宅しました。
尚、今後、高瀬は坂本さんとの協議より、月曜日、後番の担当となりました。
よろしくお願いします。(T・H)
テントひろばは「社会関係資本」の宝庫 12月4日(火)
朝から暖かかったが午後は冷えると思い、厚着で家を出た。経産省前に椅子を並べていると汗が出る暖かさだった。近くで働くB氏がやってきて、先月亡くなったT氏の追悼会をやろうという。B氏曰く、今年になって10人近くの友人知人が亡くなったが、癌がほとんどだった。いまや交通事故死の話などは殆ど聞かない。
I,O,Yと4人で座っていると、ご夫妻とみられる二人連れがやってきて「久しぶりに座りに来ました」とおっしゃる。お話していると、STさんが入院した事までご存知。今日、3時から弁護士会館で外国人研修生を雇用する側の会社経営者が登場する集会があり、それに参加されるという。所沢にお住いのこの方、難民を支援し連帯する会や東京都学校ユニオンなどに参加されている方だった。今日は、テントひろばが「社会関係資本」(中国での言い方らしい)の宝庫のように思われ、気分も暖かになった。(O・E)
大間原発の函館市裁判、寺崎さん後の体制検討迫られる 12月5日(水)
早番で、座り込みグッズを搬出するとき、Sさんが手伝ってくれたが、Iさんもこられ、3人で行う。雨は降りそうで降らず、気温は暖か。今日は2時から、大間原発建設差し止め函館市訴訟があって、何人もの人が「ちょっとでも」と言って、座り込みに寄ってくれた。1時30分に傍聴締め切り、2時開廷。
当番にはSさんとIさんがいるので、Tは大間原発の函館市裁判の傍聴に行き、そのまま、衆院第一議員会館で行なわれた報告会に行く。報告会では、法廷で準備書面の内容を話された 井戸謙一弁護士が報告をされた。いままで、この函館市裁判は寺崎さんとTmさんがやってきてくださったが、寺崎が亡くなられたので、今後の体制をどうするか検討しなければならないと関係者で話す。
また、今日は第一水曜日なので東電抗議行動がある日だが、その前に5時から東海第二再稼働阻止で神田淡路町の本社への抗議行動が行なわれる。
トルコへの原発売り込みは破たんした。イギリス・日立の原発建設をやめさせなければならない。原発推進の安倍を倒さなければならない。(T・I)
国会の周辺では色々の抗議行動あり寄って下さる人も 12月6日(木)
家を出るときほとんど雨は降ってなかったのに霞が関降りたらひどく降っていてびっくり。経産省前にはY サン・ヨーカンさんそれに遅番のSさんがすでに座り込んでいた。今朝は9時から議員会館前での「憲法審査会強行開催、自民改憲案提出を許さない早朝行動があった。
他にも色々な抗議行動が行われていて、参加した人たちが次々に寄ってくれにぎやかだった。雨が2時ごろ止んで途端に寒くなってきた。
通りがかりの女性がカンパして下さった後、続いてきた男性もカンパして下さり座り込みの意義が感じられ嬉しい。
クリーンでも安くもなく被ばく労働者を生み、捨て場のない核のゴミを生む原発はやめなければとまともな人は思っているに違いない。
2時半ごろには東電株主訴訟の傍聴をした人も寄ってくれた。
福島原発刑事訴訟に連動した裁判なので時間が掛かっているのだと言う。
色々と問題ばかりで憂鬱だが、あきらめないで出来ることをやって行かなくてはと思いながら帰途に着く(I・K)
入管法が話題になるが、安倍晋三の対応に怒り心頭だ 12月7日(金)
昨日までの雨は上がり、薄日もさしてきた。日差しがあるうちは暖かだ。11時ごろに事務所に到着した。今日は早々とMさんが到着していて、台車等階下に降ろしてくれてあった。私も急いで作業に参加し、荷造りを終えた。出発準OKだ。その後、暫しティ―タイム。金曜日の行動パターンである。
11時半ごろまで話に花が咲き、その後出発するのだが、時々12時位まで話し込んでしまうことがある。今日は定刻に事務所を出て、経産省へ向かう。
経産省前では各自手早く準備に取り掛かる。みんな、手慣れたものであっという間にセット完了。私は椅子に腰かけ、仕入れたお弁当を黙々と食べる。女性陣はここでも何やら話が盛り上がり、暫く立ち話が続く。
座り込んで直ぐに、このところ体調不良のためお休みしていたTaさんがふらっと顔を見せた。みんなから心配の声が上がったが、「寝てばかりいたら、筋力も弱ってしまうからね。」とのことでいらしたようだ。
座り込んでいると、入管難民法の問題が話題になった。特に今日の東京新聞朝刊の「実習生69人の死亡」に対する安倍晋三の対応については国を任せる首相たる者の答弁ではない。情けない。と、普段大人しいMiさんが怒っていた。更には辺野古の土砂投入の問題、安倍晋三に対する怒りは留まることはないようだ。
明日の土曜日、横須賀の「沈黙―立ち上がる慰安婦」自主上映会への右翼による妨害行動に対する、防衛隊の行動、私は老骨に鞭打って参加する。横浜地裁から当該右翼に対しては接近禁止の仮処分決定が出されているとのこと。だが、どうなるのか心配だ。経産省前テントから他2人の参加が予定されている。映画の無事成功を祈るばかりだ。(S・S)
TさんもSさんも回復、安倍政権への怒り 12月7日(金)
持病の足痛の為座込みに遅刻。日差しは届かないが比較的暖かい。嬉しかったのは前半当番のTさんが来られていたこと。高熱の為に前々日の大間集会も休まれたので心配していた。座りながら本日退院予定のSさんに電話したら、丁度自宅に戻ったところで元気そうな声。闘病中のFさんも先週の土曜に元気に長話しされたし、長らく遠ざかっていた若手Hさんも現われて、テントひろばは意気軒昂。
20セット限定のチラシまきは結構取りが良く短時間で終了。文科省前の抗議に参加して「朝鮮学校生に笑顔を! 高校無償化差別反対」カードをいただく。17時からは経産省抗議行動。嘘つき経産省への抗議の声が鳴り響く。新小型原発の開発、東電のスマートメータ発火の隠蔽、原子力災害賠償法の事故備え1200億円維持、などの怒りとともに、トルコ原発輸出断念の朗報も。一方、米兵器ローン急増と国会軽視補正予算、入管法の国会審議強行、原発ゼロ法案の審議入り拒絶、などなどへの怒りの声も上がった。諸悪の根源、経産省と安倍政権への怒りは高まるばかり。 夜は入管法国会前抗議が行われた。 (K.M)
救急車を手配したが出発はなかなか 12月8日(土)
遅れてしまったので経産省に直行した。千代田線の霞ヶ関駅でおりてエレベーターに乗る。昔はまだテントが撤去されていないかとドキドキしたものだ。テント跡を通っていつもの場所に行くと向こうに救急車が止まっていた。高齢の方が歩道を歩いていて転倒したらしくKさんとUさんが到着したときは通行人が付き添っていたということ。いつもの警備で機動隊のお巡りさんも現れたが結局Kさんが救急車を呼んだ。5分くらいで到着したが発車しない。搬送先の病院が見つかるまで2~30分くらいかかったようだ。
東京消防庁の発表では救急車の平均到着時間は平成25年の7分54秒から平成29年の7分19秒と年々短縮されているが救命曲線に照らし合わせるとまだまだ時間がかかっている。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/camp/2018/201804/data/camp4-1.pdf
経産省正門脇の地下鉄の換気口に若い女性が座っていた。さあ来るかなと思いきや中々経産省職員が現れない。IさんやSさんが片足を敷地(といっても歩道沿いのツツジの生垣の縁石)に踏み出しただけで防空壕に駆け込むかのような勢いで通用門から歩道を全力疾走してくるのにね。数分して玄関からおもむろに二人現れてフェンス越しに女性に声をかける。スマホに夢中の彼女が気づくのに少し時間がかかった。友達と待ち合わせしていただけなのに。原子力要塞は今日も鉄壁の警備だった。それにしても下請けの民間警備員にそんなことさせるなよ。彼は納税者なのだぜ。
外務省と財務省の間にある潮見坂の街路樹。毎年紅葉を見るのが楽しみなのだが今年はケヤキの色がいまいちというところ。例年なら緋色に輝いて銀杏の黄色と美しさを競うのにと不思議に思っていたがやっとわかった。ケヤキの葉が枯れたまま枝から落ちないでいる。だから国会議事堂はまだ隠れたまま。こんなの初めてのことだ。
書店で原発関連の書籍を見かけなくなって久しい。だが最近やっと見つけた。お薦めの一冊は「除染と国家: 21世紀最悪の公共事業 著:日野行介 集英社新書」。購入してから数日後にその書店に行ってみたが目立たない場所に移動していて探すのに苦労した。(O・O)
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経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その99
イチエフ事故無視して賠償措置額を据え置く「改正」原子力損害賠償法
~イチエフ事故8兆円超に対して1200億円、電力会社のモラルハザード誘導~
2018年12月9日 木村雅英(経産省前テントひろば)
次の記事をご覧いただきたい。
「原子力事故の備え引き上げ見送り 改正原賠法が成立」 2018年12月5日 11時43分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018120501001216.html
< 現行で最大1200億円となっている原子力事故に備える賠償金(賠償措置額)を据え置いた改正原子力損害賠償法は5日の参院本会議で、自民、公明、国民民主などの賛成多数で可決、成立した。東京電力福島第1原発事故では既に8兆円を超す多額の賠償金が生じ、賠償措置額を引き上げる必要性が指摘されたが見送られた。
… (共同)
入管法改悪、水道法改悪、米国のディールに従い兵器ローン地獄、新小型原発開発、などなど安倍政権の悪政ゆえに、小さくしか報道されなかったがこの原賠法改正は、許せない、見過ごせない悪政。内閣府・原子力委員会が検討し、8月にパブコメ意見募集、168の意見をないがしろにして、国会審議も注目されることもなく、決定されてしまった。
東電福島第一原発(イチエフ)事故が、未だに収束せず廃炉への道も見えず、東電がADRの仲裁和解案を蹴って損害賠償もまともにせずいる中、8兆円を超す多額の賠償金が必要となっている(廃炉費用などを含めれば22兆円~70兆円)。それにも拘らず、原発事故への備えである賠償措置額を1200億円のままにしておくのだ。保険会社もが逃げる賠償措置、その額をイチエフにならって8兆円に上げると電力会社が積立できなくなるからだ。
おまけに、イチエフ事故を起こした東京電力が税金と託送料金などで潤いながら未だに存続し続け原発再稼動を目論んでいる現状は、大事故を起こしてもその後始末は国に任せばいいという究極のモラルハザードを電力会社に誘導している。本来なら、原子力損害賠償法にある目的「第一条 この法律は、原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、もつて被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。」から「原子力事業の健全な発達に資する」を取り除くべきであるにも拘らず。
イチエフ事故の影響を極力反映せずに賠償措置額据え置き「改正」したのだ。原子力損害賠償問題について、経産省と内閣府・原子力委員会と文科省が結託して原子力事業の生き残り、再稼動の促進をしたのだ。与党のみならず、電力総連が支持している国民民主党がこの法「改正」に賛成したことも見過ごせない。
12月14日(金)経産省前抗議行動 17時~18時
官邸前抗議行動は18時30分 官邸前も国会正門前も
月例祈祷会 「死者の裁き!」 12月20日(木)
15時【3時】~ 経産省前ひろば 日本祈祷団
福島原発刑事裁判公判日程 12月26日(水)・27日(木)
10時―17時 103号 午前9時まで傍聴整理券配布
裁判報告集会あり【12月26日】は裁判に併行して11時から(参院議員会館で)
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