あの、巨大な飛行機は!その正体は?下総基地(航空自衛隊)、市役所、習志野空てい団(陸上自衛隊)に電話する
- 2018年 12月 20日
- 時代をみる
- 内野光子
きょう12月17日、雨も上がり、昼過ぎに買い物に出た。すると、頭上に大きな爆音がと思って、空を見上げると、家一軒分くらい?!の飛行機が現れて、北の方に去って行った。2・3分後にはもう一機が同じコースで飛んで行ったと思ったら、また2機が繋がって現れた。旋回をしていたのだ。下総航空基地の訓練機は、見慣れてしまったのだが、少なくとも、高度はかなり低く、500mもないのではないか。。明らかに下総基地のものとは機種も違う。最近、家の中で、大きな爆音を何度か聞いたような気もするが、窓からはいつも機影が確認できないでいた。
近くを歩いていた男子小学生、制服制帽を身に着けていたので、私立の児童なのだろう。マンションの屋根すれすれにも思える機体の大きさに驚いていた。「なに?こんなの見たことない」と見知らぬ私に話しかけてきた。
下総航空基地では
ともかく、家に帰ってから下総基地の広報に電話を入れたところ、「通常の訓練はしているが、そんな訓練はしていない」という。「明らかに自衛隊機と思うが、どこの所属の飛行機でどんな訓練をしているのか」と尋ねても「自分たちには分からない、たぶん、入間からきているC1ではないか」とのことだった。
それでは入間の基地の連絡先はと聞いても、当方ではわからない、というつれない返事。自衛隊の基地同士で連絡先が分からないなんていうことあり得ないと思うのだが、本当だとすると日本の防衛はどうなっているのか!?
佐倉市役所では
仕方がないので、佐倉市役所に電話をすると、生活環境課が出た。ともかく、とても不安で、危険に思うので、佐倉市として至急調べてくださいと依頼すると、こちらではわからない、直接自衛隊に聞いてくれ、調べた後どうするのか、ともいう。そこで、市民が不安に思っているのだから、ともかく調べてくれるよう依頼した。その返事によれば、「習志野空てい団の訓練で、12月3日から始まって、今日17日が最後ですよ、そういう連絡は貰っています」という。ついでながら、これは以前からも市役所に要望していることなのだが、「佐倉市上空を通過する、自衛隊の訓練日程を広報してください、隣の八千代市では、広報誌にちゃんと載せていますから」「オレオレ詐欺や行方不明者のお知らせも大事だけれど、今回のような訓練日程は、防災放送で知らせしてもいいのではないか」と再び要望しておいたのだが。
習志野空てい団では
そのあと、習志野空てい団に電話してみると、広報担当に回された。「それは、C2という大型輸送機です」という。それにしてもこんな低空での訓練は初めてのような気がするけど、恐ろしいですね、といえば、「実は、来年1月13日の空てい団公開日のための訓練を12月4日~21日までやってます。普段の訓練とは違う訓練で、低空での訓練は、今日17日が最後です。お正月から13日のイベントに向けて、また始めます、一般市民に公開しますからぜひ」とまで言われる。どの基地でも行っている、いわゆる航空祭のようなイベントで、私も下総基地のイベントに出かけたこともあるが、基地周辺の家族連れやどうもオタクぽい人たちが詰めかけているのを目の当たりにしたことがある。ちなみにC2という輸送機はどのくらい大きさですか、と尋ねると「C1の1.5倍くらいのパラシュート隊員が乗れます」とのことで、先は教えてもらえなかった。なお、空てい団は、陸上自衛隊なので、航空機は所有していないので、下総か入間の基地の軍用機と滑走路を借りて訓練ををしているという。さらに、今日の訓練はどこから離着陸しているのかと聞くと「下総だと思いますよ」とのこと。広報担当から適当にあしらわれているとしか思えなかった。むかしから、陸軍と海軍の権力闘争みたいなことは聞いていたが、いまだに、イージス艦の対空ミサイル(海上自衛隊)とイージスアショア(陸上自衛隊)との対抗関係が取りざたされているのも記事で読んだことがあるが、あの莫大な防衛予算がそんなことのために使われているのかと思うとやりきれない。
ともかく、低空飛行の経緯はわかったが、あの低空による不安感と住宅街の真上の飛行の危険性は、拭いようもなかった。米軍、自衛隊による航空機事故はあとを絶たないのだから。
<参考> 習志野空てい団訓練日程表2018年12月/19年1月
http://www.mod.go.jp/gsdf/1abnb/img/file21.pdf
一機230億円もするそうだ、これも言い値?
これを機に、少し調べてみた。C-2は、C-1の後継機として防衛省と川崎重工業が2000年から開発し、2017年3月27日完成と公表され、川崎重工業が製造している。すでに鳥取県境市の美保基地に8機配属、事故も起こしている。17年度18年度で5機の製造も計画されているというが。長さ43.9m、巾44.4m、高さ14.2mというから2階建ての一戸分というのも大げさではなかった。最大搭載量、約30トン、人員にすると110人まで乗れるそうだ。まだ、完成して間のない新型機である。あれが、住宅街に墜落したらどうなるのだろう。
パラシュートの降下訓練は340mからということは聞いたことがある。今回、空てい団の広報の話によれば、低空と言っても、飛行は、340m以下になることはないといい、むずかしい計算の上、高度というのは、半径600m圏内の一番高い建築物から、150m上空を飛行することになっているそうだ。ということは、佐倉市のユーカリが丘には、高層マンションが何棟かあるので、あの150m上空を飛んでいるということなのだろう。それにしても、頭上の、あの機体の低さと重量感からくる恐怖を拭い去ることができない。
なお、メーカーの川崎重工は、機材高騰などを理由に、一気に70億円値上げの価格230億円を要求しているという。競争原理が働かない防衛産業、これも、もしかして川崎機重工業の言い値?イージス・アショアやF35戦闘機がトランプの言い値で購入を決めている防衛省とも報じられるように、国内でも・・・。内外から、日本の防衛予算はいいカモにされているのではないか。専守防衛などといかがわしいお題目のもと、国民の安全・安心などは、どうでもよいのだろう、日本の政府は。
出典:朝日新聞デジタル(2018年66月22日)「空自C2輸送機、価格高騰に疑義 1機あたり70億円増」
初出:「内野光子のブログ」2018.12.17より許可を得て掲載
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye4546:181220〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。