2019年、歌会始は終わったが~召人は二人?
- 2019年 1月 19日
- カルチャー
- 内野光子
今年の歌会始の中継は、忘れずに見た。今の天皇夫妻にとっては最後の歌会始ということらしい。天皇の短歌ばかりが、メデイアでは繰り返されていた。
私が、とくに印象に残ったことといえば以下の通りだ。
平成最後の歌会始といっても、格別応募歌数が多くなく、二万首を少し超えた程度だった。入選者の一番の若手は16歳の女子高校生で、最年長者は、30代から応募を続けていたという89歳の男性だった。20・30・40代が一人もおらず16歳から 58歳にとぶ。世代別の歌会始、短歌への関心の在りようを示していよう。中・高校生については、歌会始応募に熱心な学校、教師の指導が左右しているのかもしれない。
また、今年は、選者の最年長者篠弘の作品が披講されたが、その間、杖をついて立っていたのがつらそうでもあった。今年の召人は俳人鷹羽狩行と栗木京子の二人であったらしいのだが、鷹羽の作品が披講されたが、栗木や他の選者の名前の紹介もなかった。そして不思議だったのは、手元の三紙、翌日17日の朝刊、朝日、毎日、東京新聞にも召人の栗木の名前も作品も掲載されていない。たしかに、栗木は、入選者と選者の間の席に着いていて、その姿は、なんども映されていた。テレビでは、陪聴者の席でもないし、どういう立場なのかわからなかったのだが、ネットで検索してみると、jijicom(時事通信)の記事には、つぎのように掲載されていた。
【召人】
鷹羽狩行さん
ひと雨の降りたるのちに風出でて一色(いつしよく)に光る並木通りは
栗木京子さん
言葉には羽あり羽の根元には光のありと思ひつつ語る
ということは、来年の選者は、篠弘に替わって、栗木京子が就く前触れかな、などとも。女性選者が今野寿美と二人時代が再来するかもしれないなど、予想屋みたいなことは、はしたないと思いつつも・・・。
それにしても、これから代替わりまでの半年は、歌壇も何かとざわつくかもしれない。
そんなことを考えていたとき、旧著の出版元、名古屋の風媒社からのメールで、『週刊金曜日』天皇制特集(2019年1月11日)で『現代短歌と天皇制』(2001年)が紹介されているのを知った。旧著がこうした形で読まれ、推薦されていることを知って、正直、ありがたかった。
↑ 最下段⑥に数行の言及がある。
初出:「内野光子のブログ」2019.01.17より許可を得て転載
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〔culture0752:190119〕
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