本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(214)
- 2019年 1月 21日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
面白きこともなき世を・・・
「高杉晋作の辞世句」は「面白きこともなき世を面白くすみなすものは心なりけり」というものであり、私自身も、今までは、この内容に賛同していた。具体的には、「世の中は、辛く苦しいことだらけであり、地獄のようなものではないか?」、そして、「このような状況を好転させるために、心が存在するのではないか?」というものである。しかし、最近、気付かされたことは、全く正反対の「世の中は、面白いことだらけではないか?」、そして、「辛く苦しく感じるのは、心のためではないか?」ということだった。
また、「面白い」という言葉については、以前に述べたとおりに、「面」は「顔」を意味し、「新たな発見などが得られた時に、顔が白くなる現象」、すなわち、「精神的な覚醒や成長が実現した時に、面が白くなるのではないか?」と理解している。しかし、現在のように、「西洋的な価値観」に支配された社会においては、「唯物論」という「目に見えるもの」が重要視され、また、その最終段階では、「精神的な成長」が無視されるとともに、「お金が、最も重要である」と考える人々が増えた状況となっているのである。
ただし、歴史が教えることは、「時代や価値観は、必ず変化する」ということであり、特に、現在は、「文明法則史学」が教えるとおりに、「西洋から東洋への時代転換」が発生しているものと想定されるのである。そして、今後、最も重要視される価値観は、「唯心論」という「目に見えないもの」であり、実際のところ、「精神的な成長」を、多くの人が模索し始める可能性だと思われるのである。
つまり、今後は、「発想の転換」が起こるとともに、前の「高杉晋作の辞世句」が、次のように変化して理解されるものと考えているが、実際には、「面白きことばかりの世の中を辛くするのは心なりけり」というものである。別の言葉では、「人間の魂は、生かされている限り、常に成長し続ける」という認識に変化し、この時には、「全てが面白いこと」と理解される可能性のことである。
より具体的には、現在、「肉体面での強化」に励んでいる人々が、今後、「ヨガ」や「瞑想」などにより、「精神面での強化」に励む状況のことだが、このことは、「目に見えるもの」を代表する「マネー」ではなく、「目に見えないもの」を代表する「神」を追求する人々が急増する状況とも想定されるのである。しかも、今後は、「人工知能」の発展により、「経済学」を中心にして、「社会科学」が飛躍的な進化を見せるものと考えており、このことが、この動きに拍車をかける可能性も存在するのである。(2018.12.10)
------------------------------------------
暦から読む2019年相場
「2019年」は「己亥(つちのと い)」という暦になるが、基本的に、西暦末尾に「9」が付く年は、必ず、「己」の暦となり、バブルが発生しやすい傾向があるものと考えている。具体的には、1979年の「金バブル」、1989年の「土地と株式のバブル」、1999年の「ITバブル」などだが、一方で、「亥」については「核」に繋がり、「爆発的な動き」や「猪が暴れまわるような相場」が想定されるようである。
ただし、今回、注意すべき点は、「1971年のニクソンショック」から始まった「新たな通貨制度」、すなわち、私が提唱する「信用本位制」であり、実際のところ、「過去50年ほどの期間」においては、「ある一定の決まりを持って、バブルが発生したのではないか?」と考えている。具体的には、最初に、「貴金属」、そして、その次に「株式や土地のバブル」というように、「希少価値を持った商品から、バブルが起こった可能性」が想定されるのである。
また、その後は、「ITバブル」や「デリバティブのバブル」のように、「コンピューターネットワーク」の中を「コンピューターマネー」が暴れまわり、「約8京円ものデリバティブのバブル」が発生したわけだが、その結果として、「60年サイクル」に「時空の歪み」が発生したものと考えている。つまり、「文明法則史学の800年サイクル」に対して「干支の60年サイクル」が「時間調整」を行ったものと思われるが、これから最も注目すべき点は、「人類史上、最大規模、そして、最後のバブル」が発生する可能性であり、実際には、「中央銀行のバランスシートに関するバブル」でもあるようだ。
より具体的に申し上げると、「1971年」から「現在」まで、「内容が変化しながら、また、規模を大きくしながら、バブルが大きくなっていった状況」が見て取れるようだが、今回は、この点に加えて、「仮想現実」から「リアル現実」へ「バブル」が移転を始めている状況も想定されるのである。ただし、現在のような、「出口戦略」を伴った「中途半端な金融政策」が継続された場合には、まだ処理しきれていない「約6京円ものデリバティブ」が完全崩壊し、世界全体が大恐慌に陥る可能性も存在するのである。
そのために、今後、世界各国の「中央銀行」は、更なる「バランスシート残高の拡大」に励むものと思われるが、この時の問題点は、すでに、「コンピューターマネー」が使い果たされた可能性であり、その結果として、最後に残された手段が、「紙幣の大増刷」により「デリバティブのバブル崩壊」を吸収することだと考えている。(2018.12.10)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8322:190121〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。