SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】323 忘れちゃいけない植民地・西サハラ
- 2019年 6月 21日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子植民地西サハラ
国連ニューヨーク本部やジュネーブ本部での国連活動は、そのほとんどが国連ウェブサイトで流されています。 国連報道室、まして大手マスコミも面白がらないイベントや会議は、このウェブサイトが公報の窓口になっております。 その一つが第24国連脱植民地特別委員会です。 この特別委員会で、世界に残されている植民地17(非自治地域)の一つとして、西サハラ脱植民地化が討議されました。 国連が脱植民地化の対象地域としたのは1963年、なんと56年前! ところが具体的な解決がなされないまま、年々世界の関心が薄れていくばかり、、、<第24脱植民地化特別委員会>という、かったるい名称が人を遠のかせてしまうのかもしれませんネ?
(1) オマル西サハラ難民政府国連代表の明解な演説:
2019年6月17日、ニューヨーク本部の第24国連脱植民地特別委員会で、ポリサリオ西サハラ難民政府国連代表のシデイ・モハメド・オマル博士が、「西サハラを、1963年から
当、脱植民地化特別委員会が非自治地域と指定している。当該地の人民は国連決議に基づき、民族自決権と独立権を有するとされている。当該地西サハラの脱植民地化は、国連と国連決議の手中にあるのだという事を、西サハラ人民を代表して、強調しておきたい。国連は、モロッコの西サハラ領有権を認めていないし、国連は、モロッコによる占領地の支配も認めていない」と、脱植民地化特別委員会のあるべき道を説いた。そしてオマル博士は、「さて、今、特別委員会に投げかけられた質問は非常に簡単だ。<無理を通せば道理引っ込む>を西サハラにも許すのか、国際法を尊重し国連決議を支持するのか、二つに一つだ」と、特別委員会を質した。さらにオマル博士は、「モロッコは西サハラで過酷な占領政策を布いている。当然、国際社会は当該地を占領し続けるモロッコに強いメッセージを送って、西サハラの住民への虐待に終止符を打つべきだ。国際社会は、西サハラの人々が正当な権利と民族自決権を行使し独立を目指すことに、力を貸すべきだ。植民地撤廃のために国連が創ったこの特別委員会に、過大な要求をしているとは、思わない」と、括った。
第24国連脱植民地化特別委員会で演説するオマル西サハラ難民政府国連代表
(2)キューバやアルジェリアなどの応援演説:
6月17日、アルジェリア国連代理大使モハンマド・ベッセディクが24国連脱植民地化特別委員会で、「西サハラ紛争の本質は、仲介の問題にあるのではない。明らかに、モロッコ王国に対する西サハラ人民の代表であるポリサリオ戦線の、<脱植民地化>の問題だ」と、西サハラ紛争は両当事者が解決すべきで、関係国はその交渉に不備が無いよう不正がないように見守る、<オブザーバー>であることを、強調した。西サハラは、国連が請け負う脱植民地化問題である以上、全ての国連加盟国の責任懸案であり、その範疇でアルジェリアは国連に協力する」と、明言した。さらに、「この紛争に関して、国連決議1514、1541そして2625に基づく、当該地域の住民による自由で主体的な解決、それ以外の解決策はない」と、アルジェリア代理大使は結んだ。
同委員会で、キューバ国連大使リベロ・ロザリオは、「キューバはこれまでと同様に、国連総会と国連安保理の決議に基づいた西サハラ脱植民地化を支持し、国際社会の協力を求める」と、民族自決権と独立を目指す西サハラ人民を支援した。そして、キューバ国連大使は、「国連総会と国連安保理の決議が適応され、西サハラ人民が民族自決権行使の<国連人民投票>を享受できることを、強く願っている」と、語った。
(3)ヒラ―ル・モロッコ国連大使の遠吠え:
6月19日、CORCAS(モロッコ王立サハラ問題諮問評議会)は「ニューヨークの第24国連脱植民地特別委員会で、イライラしながらアルジェリア国連代理大使は、<
アルジェリアは当事者ではなくオブザーバーだ>と語った。ジュネーブでの円卓会議や、国連安保理15のメンバー国が、アルジェリアは当事国であるとしているにも拘らず、無責任にもその役割を放り投げた」と、強く非難した。特別委員会に出席していたモロッコ国連大使ヒラ―ルは、<モロッコの策略>に乗ってこないアルジェリアを口汚く罵った。フランスの入れ知恵による<モロッコの策略>とは、アルジェリアを西サハラ紛争の当事者に仕立てて、モロッコとアルジェリアの両当事者で西サハラの大地と資源を山分けしようというものだ。かって前西サハラ宗主国スペインが当時の植民地西サハラを放り出してモロッコとモーリタニアとに分譲した、悪名高い<フェイク同盟(マドリッド秘密協定)>に、倣おうとしていた。が、国連交渉の仲介人ホルスト・ケーラーが、突然、梯子を下ろしたので、この策略は宙に浮いてしまっている。
特別委員会でイライラと落ち着かなったのはモロッコ国連大使ヒラ―ルの方で、アルジェリア代理大使に、「お前なんか、亡命者だったじゃないか!」などなど、何の根拠もなく食ってかかっていた。その上、モロッコ国連大使は会議が終った後も、「なぜ当事者でなくオブザーバーなんだ?」と、8つの質問を突き付けアルジェリア国連代理大使をしつこく虐めた。
あわや乱闘のシーンがこの<評判のない>第24国連脱植民地化特別委員会で、展開されようとしていたのです。
「サハラは絶対に独立しないし、モロッコの不可欠な一地域だ」と、モロッコ国連大使ヒラ―ルは豪語しています。 さらに、「南部地域(モロッコ占領地・西サハラのモロッコ式呼称)だろうがテインドウフ・難民キャンプだろうが、全ての人間はモロッコ国籍と見なす」と、決めつけています。
どういう根拠で、そんな乱暴な事を言うのでしょうネ?
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年6月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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