はじめてのオランダとハンブルグへの旅は始まった(3)ゴッホ美術館
- 2019年 7月 16日
- カルチャー
- 内野光子
午前中、案内いただいたMさんからは、停留所スパイからゴッホ美術館へは、トラムの②か⑫ですよと念を押されていた。トラムのチケットは、Mさんから渡された一日乗車券を使い、美術館のチケットは、当日売りでは行列するかもしれないというので、夫が日本を発つ前に予約、その時間14時と迫っていた。少し遅れて入館、エントランスは大変な賑わいだった。最初別館の方に入ってしまって、迷ってしまったのだが、何のことはない、エントランスのエスカレーターを利用すればよかったのだ。
フロアマップの日本語版があって、一安心。この自画像は「暗色のフェルト帽をかぶった自画像」(1887年)。
突き当りの奥には広いショップがあり、右手の奥の白い丸テーブルのドリンク売場も大賑わいだった。
本館は、ゴッホ作品を管理する財団から永久寄託を受けて、1973年にオープン、窓から見える丸い建物が別館で、黒川紀章設計、1999年オープンしている。
印象に残った作品は、「ひまわり」というよりは、執拗に描き続けた「自画像」であった。年表と共に自殺する1890年まで、その時代、時代の自画像が示され、それぞれの眼光で見つめられると重苦しい気分になってしまうのだが、最晩年の「花咲くアーモンドの木」のような、やさしい色合いの作品に出会うと、なぜかほっとした。初期の「じゃがいもを食べる人々」など農民を描いた作品は、その表情にもみられる彼らの逞しさと力強さへの羨望もあったのかもしれないと思った。以下作品の写真は、ネットから拝借した。
「ジャガイモを食べる人々」(1885年)。
「花咲くアーモンドの木」(1890年)。
午前中、よく歩いたので、ともかく、早めながら、美術館のカフェで、夕食をとることにした。といっても、あまり食欲なく、私は、生春巻きのようなものを、ドリンクといただいた。暑い一日が終わろうとしていたが、西日の日差しはまだまだきつい。早く汗を流したい一心で、ホテルに戻った。シャワーの後は、家から持参した緑茶を入れ、プッチーニのチョコレートをいただき、途中で買い込んだリンゴをしっかりと食べ、ようやくのどの渇きが収まったのだった。
いま、ゴッホ美術館関係の資料を見ていると、館内のカメラは禁止で、ショップでも絵葉書はほとんど買っていなかったので、手元にあるのは、まさに花より団子で、ご覧のような絵に包まれたチョコレート、「花咲くアーモンドの木」のワッフル入りの缶、布財布だったりのグッズばかりであった。
左が「ポブラの小道」右が「夕暮れのポプラ並木」(いずれも1884年)、私の好きな作品。
初出:「内野光子のブログ」2019.07.14より許可を得て転載
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〔culture0829:190716〕
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