ドイツ便り(6)を読んで
- 2019年 7月 23日
- 評論・紹介・意見
- T・K生
合澤さん
お元気ですか。「ドイツ便り」読ませてもらっています。
私に関する報告(「ドイツ便り」6)で、いくつか誤解がありますから、ここに正確な事実を書いておきます。
意見を交換するときに、前提の一致が必要ですから。
1.「日本企業の手伝い」--カッセルには日本企業がありません。私は「ドイツ企業」の簡単な手伝いをしています。企業に限らず、仕事、留学等、 日本と関係あるドイツ人たちの役に立てばというのが目的ですが、そこでドイツと日本の文化、意識、生活の違いを逆に教えられているといった方が正確です。
2.「政党再編に近い動きが出てくる可能性」--私の一貫した主張は、報告でも読み取れるように、「左派戦線」の再編です。政党再編は、視野にはありません。また、ドイツで議論にもなっていません。環境、EU選挙ーこの間の動きを見れば、若い世代、それにひきつけられた年配者が大きな政治闘争を担っています。政党はむしろ、そこに吸収されるような形で、今後、そして将来の社会・政治変革運動は向かっていくだろうと考えています。現在まで統一できなかった左派社会・政治運動の再編の動きは、ブレーメンの左派連立政権(西ドイツで初めて)の成立からもうかがえます。その時、左派が批判してきたシュレーダーの「改革」が議論されるはずです。その時、SPDがどう対応するかで、社会・政治戦線に大きな影響が出て来ると思います。議論はその時にした方が、ための議論にならずに実践的です。
3.「ワイマール共和国」の評価に関しては、言うまでもなく多様な方向性、観点からされるべきです。そのために私が主張したのは、私も含めドイツに滞在し、何かを学ぼうとする人は、まず、<ドイツがどういう議論をしているのかを知ること>が必要で、それがドイツに滞在する人たちの義務だと考えています。今年はワイマール共和国100周年で、昨年のフランクフルトに続き、カッセル、キールそしてワイマールで展示が行われています。その上で、所説を検討、議論すべきだと考え、機会を見逃さず展示を見て回っています。
以上ですが、私にとっては、実に重要な諸点ですので詳しく補足しておきます。
では、また。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion8834:190723〕
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