「東電の夏の電力は不足しない・データは語る」
- 2011年 5月 17日
- 時代をみる
- たんぽぽ舎
「東電が、140万kwを東北電力に融通」
なんだ!!東電の電力、余裕があるんじゃないか!
東京電力は、被災した火力発電所の復旧などにより、8月末の電力供給力を従来計画に550万kw上積みし、5620万kwに拡大。供給不足が深刻な東北電力に東電から最大140万kwを融通する。
東電の供給力については、中部電力の浜岡原発停止の影響が懸念されたが、東電が中国電力などへ支援を要請し、西日本から100万kwの融通を受ける計画は変更しない。
東電は、5500万kwの供給力確保を目標に発電所の復旧を急いできたが、復旧にめどが立ち、目標を上回る供給力を確保できる見通しとなった。(デイリーニュース 5月13日号の要約)
編集部:なんだ!東電の電力、余裕があるじゃないか、データを今まで隠してたのか?東電の得意わざは、情報隠し。
「東電の夏の電力は不足しない・データは語る」
市民エネルギー研究所―安藤多恵子さん講演(5月15日)
2011年5月15日、明大リバティータワーで「福島第一原発事故で、起きたこと、わかったこと、これからのこと―」と題する講演会が開かれました。(主催:たんぽぽ舎、市民エネルギー研究所、(財)大竹財団、現代史研究会)。
写真家の豊田直己さんからの現地の写真報告では、満員の観客(約250名)は、死に絶えた牛車の多数の牛たちに涙を禁じえませんでした。続く市民エネルギー研究所の小泉好延さんの講演(「福島第一原発事故で起きたこと、わかったこと」)では、貴重な生データ、現地写真の引用によって、これまでの国・東電の事故発表の不足と欺瞞が暴かれました。
さらに、市民エネルギー研究所の安藤多恵子さんの講演、「東京電力は電力会社の資格があるのか」は、いかに「夏場に電力が足りなくなる」キャンペーンは「ウソ」であり、事業者として東電が資格を欠くとかという事実を、東電数字データによって明白に示してくれました。それによれば、全原発停止とした場合の東電の発電設備量は、停止中の火力の減少分を考慮しても約5497万Kw。それに対し、東電の今夏の発電設備量を市民エネ研が推定した結果は、約5500万Kw~5700万Kw。その結果、「東電の全原発を停止しても、今夏の発電設備は間に合う」ことがわかりました。これまで東電は、たびたびの電力危機キャンペーンに加え、オール電化などを大々的にうたうことによって、電力需要の喚起を繰り返してきました。一番の問題は、もうけのために絶えず電力の需要を作為的に拡大し続けてきた電力会社側にこそあります。夏場の最大電力は数日、数時間のピークカット対策で間に合うことが、具体的な数字によって示されたのです。こうした東電を、安藤さんは事業者として失格、原子力で破綻した東電に送電、配電は任せられないと指摘。発電と 送・配電の分離と、さらなる電力自由化を強く訴えました。そして、今後の見通しとして、「原発は廃炉へ、電力の地域独占体制を廃止する、需要を減らしながら、未来にとっても無理のない電源構成へ移行すべし」と、道筋を示してくださいました。
講演はこの後、現地からの報告(柏崎刈羽原発現地・矢部忠夫さん、東海第二原発現地・相沢一正さん)を頂き、盛会のうちに終了しました。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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