徴用工判決、その衝撃度の真実
- 2019年 10月 19日
- 評論・紹介・意見
- ブルマン!だよね徴用工判決
韓国大法院(最高裁判所)の徴用工判決から早一年になろうとしているが、その衝撃度
について正確に理解する必要があるのではないか。個人請求権云々などは枝葉末節な
ストーリーでしかない。
弁護士の澤藤氏の整理から引用させていただくと
「10月30日韓国大法院の徴用工判決で認容されたものは、原告である元徴用工の、
被告新日鉄住金に対する「強制動員慰謝料請求権」である。日本企業の朝鮮人徴用工
に対する非人道的な取り扱いを不法行為として、精神的損害(慰謝料)の賠償を命じた
ものである。」
「同判決は、徴用工個人の請求権一般を論じていない。「日本政府の韓半島に対する不法
な植民地支配と侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とした
強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権」だけを論じている。そして、限定さ
れたこの「日本企業に対する慰謝料請求権」は、日韓請求権協定の対象に含まれていな
いと判断したのだ。」
このように正確で真摯な理解に基づき、特に「日本政府の韓半島に対する不法
な植民地支配と侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為」
に着目するならば、これはなにも徴用工だけに限らず、広範な韓国人民にも
当てはまる規定なのだ。すなわち日本が降伏の際に受諾したポツダム宣言にある
先行のカイロ宣言では
前記三大国(英米・中国国民党政府:引用者注)ハ朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シ軈テ
朝鮮ヲ自由且独立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス
とあり、この規定をポツダム宣言を受諾したことで自動的に日本は認めており、
朝鮮の人民から「奴隷状態」から被った「反人道的な不法行為」に対する慰謝料請求訴訟が
起こされれば、徴用工判決を「判例」として、すべて認められることになる。
さてカイロ宣言にある「朝鮮の人民」が現在どの程度生存されているか、定かではないが、
そのご遺族を含めて500万人とし一人当たり1,000万円支払うことになると、
1,000万円 X 500万人 = 50兆円
の支払総額となる。
どうだろうか、50兆円支払うことになれば、まずにっくき安倍政権は確実に吹き飛ぶし、
日本帝国主義も屋台骨を揺るがされること必定であろう。
これが徴用工判決の衝撃度の真実で、だからこそ安倍政権は絶対にこの判決を認めまいと
必死の形相でもがいている、というわけなのだ。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9097:191019〕
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