11/14から調査「原発の新設を止めたい? それとも、原発を推進したい?」
- 2019年 11月 9日
- 評論・紹介・意見
- 三枝信子上関原発
みなさま
(同報メール、長文で失礼します)
世界中が原発撤退に進む中、
日本に、新しい「原子力発電所」が建てられようとしています。
山口県上関町です。
1)上関原発の話
10月初め、中国電力が山口県に、上関原発建設のためのボーリング調査の申請をし、
31日に、その許可が下りました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20191031/4060004174.html
原発建設予定地の正面には、祝島という小さな島がありますが、
その島民たちは、計画当初から今まで、およそ40年も原発建設に反対を続けています。
ボーリング調査の申請を知った島民と上関原発建設に反対する市民団体は、
山口県のエネルギー対策担当理事に、調査申請の不許可を求める申し入れを行いましたが、
県は、その翌日に、申請の許可を出しました。
中国電力では、今月5日、山口県漁協祝島支店の支店長に宛てに、
「調査期間:11月14日(木)~2020年1月30日
準備作業期間:11月8日(金)~13日(水)」とする、という文書を渡してきたそうです。
(添付ファイル参照)
すでに準備が始まっており、来週14日からは、実際に調査が始まります。
この調査が行われれば、下準備を行ったということで、
中国電力は、上関原発建設へ大きく前進することになります。
日本に、新しい原子力発電所ができるのです。
ここを突破されたら、せっかく廃炉や休止に追い込んできた原発が再び勢いを取り戻し、
再稼働もリプレースも、なし崩しに進むだろうと思われます。
(もともとエネルギー基本計画でも、原発の新設は暗に明言されていますし)
地元では、調査の申請時から、
「山口県のすべての地域から声をあげよう!」
「全国の原発に反対するすべての人の知恵と力を山口へ!」
と呼びかけ、
来年(2020年)3月21日には、「上関原発を建てさせない山口大集会2020」が開催されます。
しかし、ことはもっと急になりました。
祝島の漁師さんたちは、
ボーリング台船が、原発建設予定地の田ノ浦湾に接岸されないように、
14日まで、海上での抗議行動をするそうです。
前回、埋め立て工事が始まった2009年の海上抗議行動では、
祝島から30隻以上の漁船が出て、もやいをはって中国電力の台船を食い止めましたが、
今回は漁船の数も減り、5隻ほどの漁船で抗議をする予定だそうです。
正直言って、相当厳しいと感じます。
上関原発の建設予定地は瀬戸内海に面しています。
内海であることから、万一、何らかの事故などで放射能漏れが起これば、
瀬戸内海全域に汚染が拡がります。
山陰のみならず、四国、九州、そして関西へも影響があるでしょう。
日本全体のエネルギーの方向性、原発推進に向けた動きを食い止めるためにも、
どうしても、この上関原発を進めるわけにいかないのです。
一番心配なのは、こういった情報が、
原発反対という活動をしているはずの方たちからも、あまりにも聞こえてこないことです。
市内でも、この情報が走っているようには見えません。
「新設」が認められれば、いくら稼働原発を一時停止させても意味がなくなり、
今、凍結されている計画も復活する可能性が出てくるので、
ここを止めなければ、未来はない、と思うのですが、
あまり知られていないのでしょうか…?
そんなことがあるとも思いませんが、どこも動かないのには、何か理由があるのでしょうか?
(まあ、現・首相の地元ですけれども…)
上関に、まだ原発が建っていないのは、
祝島の島民たちと支援者たちが40年近くの長い間、
ずっと「原発反対」と言い続けてくださったからです。
ことに、10億8000万円の漁業補償金の受け取りを拒否(返金)してまで、
祝島漁師の方々は、上関原発計画を止め続けてきました。
その結果として、今もまだ、上関原発は建っていません。
今度も、島民の方々は命がけで生活のための船を出して、この調査を止めるつもりですが、
以前の行動の時には、女性も総出で出て、大きなケガをされた方もでました。
とても心配です。
本当に、日本は、これからも原発を建て続けていくことを選ぶのでしょうか?
2011年3月11日以降に、あんなに大きかった「原発反対」の声は、どこへいってしまったのでしょう?
新しい原子力発電所を建て続ける未来か、原発のない未来か。
どちらを選ぶか、今、ここが岐路です。
本当に、再び、新しい原発を建てることを黙認するつもりなのですか?
2)お願い
ともかく、ぜひ、一人でも多くの方に、
今、上関原発の新設計画が前進されようとしていることを伝えてください。
情報を拡散してください。
http://img-cdn.jg.jugem.jp/1e3/3116910/20191108_2991678.jpg
長い長い闘いを続けている祝島島民と、
彼らを支援しつつ上関原発反対活動をしている方たちに、応援のメッセージを送ってください。
見守っていることを伝えることが大事です。
#上関原発 #祝島
可能な方は、現地に駆けつけてください。
http://news.midori-konaka.jp/
山口県、中国電力に抗議をしてください。
(参考)
祝島島民の会ブログ
http://blog.touminnokai.main.jp/?eid=82
基礎情報:祝島ホームページ「上関原発問題」
http://www.iwaishima.jp/
チームゼロネット「山口県への抗議文」
https://teamzeronet.themedia.jp/posts/7248287
山口県(エネルギー対策課)
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a16100/newenergy/20190726001.html
中国電力株式会社
http://www.energia.co.jp/atom_info/press/2019/11972.html
http://www.energia.co.jp/atom_info/index.html
http://www.energia.co.jp/corp/company/outline.html
まずは、一人でも多くの方に知っていただくことが重要です。
どうぞよろしくお願いいたします。
三枝信子<kawasakifuture@gmail.com>
PS:以下、長崎県:石木ダムの話
原発とは関係ありません(?)が、一言だけ。
長崎県川棚町において、ダム建設に反対する人たちが、
強制的に土地を取りあげられ、長年暮らしている家から追い出されようとしています。
今年9月、ダム建設予定地一帯の土地の所有権が、土地収用法に基づき国に移されました。
今月18日までに立ち退かなければ、強制収用により、県が家屋を撤去できることになります。
住民の意志に関わりなく家を壊すことが、合法となり、許される、ということです。
県の担当者は、このほどの連続する水害を「追い風」と発言し、住民を孤立させるつもりです。
このやり方は、戦時中の「非国民」とする構図と同じだと感じます。
21世紀、令和と、時代が改まっても、日本社会は何一つ変わっていないと感じます。
https://digital.asahi.com/articles/ASMB06JPXMB0TOLB011.html
http://ishikigawa.jp/what/
詳しく知りたいと思ってくださる方は、ご連絡ください。ご説明します。
#石木ダム #ほたるの川のまもりびと
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion9163:191109〕
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