第54回 憲法を考える映画の会『主戦場』(12月8日)のご案内
- 2019年 11月 26日
- 催し物案内
- 憲法を考える映画の会
いつもお世話になっております。
12月8日に予定している第54回「憲法を考える映画の会」のご案内をさしあげます。
今回は、「慰安婦問題」論争を描いた映画『主戦場』を上映します。
11月初めの「KAWASAKI しんゆり映画祭」では、裁判で訴えてられている映画だからと言う理由で一度は上映中止になりかけましたが、市民や映画関係者の強い抗議によって上映ができた、あの映画です。
私たちは、この映画が公開された今年5月当時から、配給社の東風さんに「自主上映でこの映画が上映可能になったら教えて」と頼んでいました。
それだけ息苦しさ、生きづらさといった私たちを取り巻いている名状しがたい今の情況について考えて行くことができる映画だと思っていたからです。
自分たちが上映できる自分たちの映画、という意味でも拡げていきたい映画です。
ぜひお誘い合わせの上いらっしゃってください。
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第53回 憲法を考える映画の会
第54回憲法を考える映画の会『主戦場』
と き:2019年12月8日(日)①13:30〜17:30 ②18:00〜20:30
(今回は2回上映を行います)
ところ:文京区民センター3A会議室(地下鉄春日駅A2出口2分・後楽園駅4B出口5分)
プログラム:
第1回目上映 13時30分 開会 映画のご紹介
13時40分〜15時50分 映画「主戦場」(上映時間122分・2018年製作 監督:ミキ・デザキ)
16時00分〜17時00分 トークシェア(出演者・渡辺美奈さんをまじえて)
17時00分・第1回目上映終了閉会予定
第2回目上映 18時00分 開会 映画のご紹介
18時10分〜20時20分 映画「主戦場」(上映時間122分・2018年製作 監督:ミキ・デザキ)
20時30分 第2回目終了予定(第2回目は上映のみでトークシェアはありません)
参加費:一般1000円 学生・若者500円
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【映画の紹介、感想】
(以下の紹介文は、法学館憲法研究所ホームページ「シネマ・DE・憲法」2019年5月20日のものです) http://jicl.jp/cinema/backnumber/20190520.html)
映画『主戦場』
「私たちが上映会をしたいのは、こういう映画ではないのか」と感じさせてくれる映画でした。
いろいろと「問題のある映画」「問題を中に含んだ映画」を好んでプログラムにしたがる私たちの上映会では、よく冗談半分、本気半分でかわされるフレーズがあります。それは「こんな映画上映すると右翼の街宣車が来るんじゃないか」。その手の映画のキーワードは「靖国」「南京」「慰安婦」そして「天皇」。
いわゆる右翼、ネトウヨ、歴史修正主義者、彼らはいったい何がしたいのか、何を探し出して、いちいち文句をつけにくるのか?その後ろでそうさせているのは何なのか?そのモヤモヤしているものに、真っ正面から切り込んで、明快に答えているのがこの映画だと思いました。
はじめ、この映画を見るのは私も少し気が重いものがありました。
慰安婦問題。慰安婦たちは「性奴隷」だったのか?「強制連行」は本当にあったのか?
なぜ元慰安婦たちの証言はブレるのか? そして、日本政府の謝罪と法的責任とは……?
その論争劇で、かみ合わない不毛な論争が延々と続く映画ではないかというイメージがあったからです。『主戦場』という題名からも、また案内チラシにずらりと並んだ「好戦的」な顔ぶれもそんなことを感じさせました。
確かに話はちっともかみ合っていません。でも、インタビューを通しての取材者自身の明快な論理のとらえ方が、出演者によっては、その主張が破綻し崩れていくのを小気味よく見せてくれるのです。
憲法をはじめ、賛成と反対の分かれる政治を論議する映画では、妙に「両論併記、私たちは中立公正に、捉えています。判断するのは見ている人自身です。」ということを言いたがる映画があります。いわば「偽善者の公正」で、作り手が既に逃げていて、何が言いたいのか、見ていてちっともおもしろくない。「なるほど」と思うところがまったくないのです。
この『主戦場』は、とくに「どちらにもくみしない」と言っているわけでもなく、知りたいと思うことに耳を傾けていく形で進みます。だからこそ「彼ら」も警戒心を解いて無防備に言いたいことを言っているのだと思います。映画の作り手はインタビューし、自分がわかったこと、そして伝えたいと思うことをつないでいきます。そうすると見ている人たちは明らかに、その言っていることがおかしいな、納得できないなという気持ちになってきますし、差別的な発想、国粋主義的思考、「嫌韓嫌中」嗜好が考えの底にあることが、その偏狭さ、姑息さが画面いっぱいの大写しになってしまうのです。
『ザ・思いやり』のリラン・バクレー監督、『映画 日本国憲法』のジャン・ユンカーマン監督、そしてこの『主戦場』のミキ・デザキ監督と日本の政治と社会の危機的な状況、私たちの置かれている問題を自覚させてもらうには、日本人とは違った視点、とらえ方のアプローチが必要であることをつくづく思いました。それはある意味、問題への取り組み方が自由で、描き方や伝え方にも今までのやり方にとらわれていないということもあるのかもしれません。そうした手法は、私たちの映画を使ったこれからの活動にも、新たな武器を与えてくれるものと感じました。
【スタッフ】
監督・脚本・撮影・編集・ナレーション:ミキ・デザキ
プロデューサー:ミキ・デザキ ハタ・モモコ
アソシエイトプロデューサー:カン・ミョンソク
音楽:オダカ・マサタカ
アニメーション:1K FILMS
製作:ノーマン・プロダクションズ
【キャスト】
トニー・マラーノ(a.k.aテキサス親父)
藤木俊一(テキサス親父のマネージャー)
山本優美子(なでしこアクション)
杉田水脈(衆議院議員・自由民主党)
藤岡信勝(新しい歴史教科書をつくる会)
ケント・ギルバート(カリフォルニア州の弁護士・日本のテレビタレント)
櫻井よしこ(ジャーナリスト)
吉見義明(歴史学者)
戸塚悦朗(弁護士)
ユン・ミヒャン(韓国挺身隊問題対策協議会)
イン・ミョンオク(ナヌムの家の看護師・元慰安婦の娘)
パク・ユハ(日本文学者)
フランク・クィンテロ (元グレンデール市長)
渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館)
エリック・マー(元サンフランシスコ市議)
林博史(歴史学者)
中野晃一(政治学者)
イ・ナヨン(社会学者)
フィリス・キム(カリフォルニア州コリアン米国人会議)
キム・チャンロク(法学者)
阿部浩己(国際法学者)
俵義文(子どもと教科書全国ネット21)
植村隆(元朝日新聞記者)
中原道子(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター)
小林節(憲法学者)
松本栄好(元日本軍兵士)
加瀬英明(日本会議) 他
配給:東風
2018年制作/製作国:アメリカ合衆国/122分
公式ホームページ:http://www.shusenjo.jp/ <http://www.shusenjo.jp/>
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=QqPYmfJpdXA <https://www.youtube.com/watch?v=QqPYmfJpdXA>
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