正治安岡の執筆一覧

近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(最終回)

著者: 野上俊明

<福沢諭吉の「学問のすゝめ」> 日本の文明化の障碍になっているものについて、諭吉はなお突っ込んで論じます。これは諭吉独特の見解といっていいのですが、諭吉によれば「官」の優勢な気風―官尊民卑―が、逆にいうと民間の力の弱さ

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(5)

著者: 野上俊明

<福沢諭吉の「学問のすゝめ」> 福沢諭吉は、大分県人というより近代日本の代表的人物といえます。つまり啓蒙思想家として天賦人権論を紹介したという意味でも、また日本国の独立と国民一人ひとりの独立自尊を促したという意味でも、県

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(4)

著者: 野上俊明

<諭吉と「蘭学事始」> 杉田玄白著「蘭学事始」という書物の運命について、書誌的に興味ある事実が福沢諭吉によって明治半ばに明らかにされました。(以下、岩波文庫改訂版の解説で紹介されている諭吉の言による) 「蘭学事始」という

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(1)

著者: 野上俊明

<はじめに> 1998年3月、初めてミャンマーの地に降り立ちました。それから数か月たったころでしょうか、或る人から現地で日本語の通訳ガイドをしているチョーソーさんという青年を紹介されました。チョーソーさんは京都の大学に留

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ミャンマー、うち続く国軍の戦略的敗北――シャン州に続き、ラカイン州でも地域司令本部陥落

著者: 野上俊明

 8月にシャン州にある北東司令本部が陥落したのに続き、この12月20日、ベンガル湾に面するラカイン州にある西部司令本部が陥落した。ラカイン州で国軍が支配するのは、州都シットウェイ周辺と中国が巨額の投資をして石油や天然ガス

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Global Headlines:戦争は地球環境への最悪の負荷

著者: 野上俊明

<はじめに> ウクライナ戦争とガザ戦争は、地域紛争の枠を超えてユーラシア大陸東西にわたる地政学的な緊張を高めたという意味で、2024年の重大な政治トピックであり続けた。しかし戦争のもたらす被害は、人的物的な直接的な損耗に

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大嘗祭違憲訴訟の東京高裁での陳述書が掲載されました

著者: 内野光子

 11月12日、大嘗祭違憲訴訟の控訴審、東京高裁に提出した私の陳述書が「即位・大嘗祭違憲訴訟の会NEWS」24号に掲載されました。この陳述の概略については、以下の当ブログ記事に書きましたが、今回は、提出した陳述書全文が収

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1903年(明治36年)生まれの亡母は何がしたかったのだろう~わずかに残されていた敗戦直後から晩年の婦人雑誌(2)

著者: 内野光子

 晩年に購読していたらしい、二・三の雑誌  1955年10月号の『婦人公論』は創刊四十周年記念特大号とある。目次で執筆者を一望すると、当時の女性作家、女性論者が総動員されていて、中央公論社時代の面目躍如の感があり、壮観で

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1903年(明治36年)生まれの母は何がしたかったのだろう~わずかに残されていた敗戦直後から晩年の婦人雑誌(1)

著者: 内野光子

敗戦直後の雑誌2冊  長兄の代になって実家が小さなビルに建て替えるとき、屋根裏の物置から母の遺品を持ち出したのだろう。12月の母の命日は過ぎてしまったのだけれど、手元に何冊か半端に遺された「婦人雑誌」を記録にとどめておき

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Global Headlines:トランプの再登場とウクライナ戦争

著者: 野上俊明

<はじめに>  シリアのアサド政権の崩壊は、ウクライナ戦争にほとんどの戦争資源をつぎ込んで、シリアの面倒を見切れなくなったロシアの窮状を表しているようです。ルーブル価値の暴落とインフレの悪化、さらなる金融制裁は、プーチン

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中国の内政干渉―高まる本気度、主権侵害へ

著者: 野上俊明

 ミャンマー内戦は、11月時点で、総じて反軍抵抗勢力が着実に勝利を拡大し、軍事政権はヤンゴン・ネーピドゥ・マンダレーという大都市とそれをつなぐライン上の中央平原地帯に勢力圏を縮小しつつある。ミンアウンフライン政権は、クー

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【12月28日(土)】第21回 ヘーゲル研究会のお知らせ

著者: 野上俊明

 今日の日本の民主主義の状況は、かつてなく悪化している。ドイツほどではないにせよ、右派ポピュリズムの跳梁や、与野党問わず政党、労働組合などの中間団体の衰退は目を覆うばかりである。ヘーゲルは普通選挙権を社会進歩の表徴とはみ

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「吉本」と「三島・森田」の両集会で感じた(大)事――露烏戦争の空気の中で――

著者: 岩田昌征

 11月23日(土)、超満員の集会「いま、吉本隆明を問う」に参加した。  集会のテーマの本筋ではない二つの軽い発言が気になった。現在進行中の露シア烏クライナ戦争に触れて、評論家甲氏は、プーチンとトランプの名を挙げたが、バ

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Global Headlines:ファシズムに囚われたヨーロッパ

著者: 野上俊明

<はじめに>  不安が全世界を包みつつある。東アジア、ウクライナ、中東―どこもかしこも権威主義体制の抬頭に既存の西側的秩序が対応できなくなっている。そしてとどめは、アメリカにおけるトランプ政権の再登場。価値判断の基準を唯

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あの頃の大学歌人会~風前の灯だった中に岸上大作も

著者: 内野光子

 いま、各地で大学歌人会が立ち上げられ、隆盛を極めているようだ。老舗の京大短歌会、早稲田短歌会など、現在は、学生であれば、在学大学にこだわらないかなり自由な短歌会のように見受けられる。その大学歌人会同士の交流はどうなって

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Global Headlines: 死せるスターリン、生けるプーチンを走らす

著者: 野上俊明

<はじめに>  最初に表題に関して一言。これは、中国の「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という故事成句をもじったものである。そもそもの意味は、優れた人物は死んだ後もなおその威光は衰えず、生きる者を怖れさせるというものであ

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風の会・会報「鳴り砂」2024年11月号が発行されました&11.27女川原発再稼働差し止め裁判控訴審にご参集下さい

著者: 舘脇章宏

風の会のたてわきです 会報「鳴り砂」2024年11月号が発行されたので、ご紹介します https://miyagi-kazenokai.com/ (目次はこのメールの最後)   ☆裁判のご案内です (添付「原告団ニュース

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「再稼働の女川原発で父娘半世紀の闘い」を見ましたか

著者: 内野光子

今日の「報道特集」の<特集・再稼働の女川原発で父娘半世紀の闘い>は、女川の原発反対運動を半世紀以上も続けてこられた故阿部宗悦さんと娘の阿部美紀子さんに焦点をあてたものだった。2016年、旅の途中ながら、知人から紹介された

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絶対的真実:誰かの黒字は誰かの赤字  誰かの支出は誰かの収入 ――頑迷ドイツの石頭をすげかえよ!――(その三)

著者: 柏木 勉

◆皆がドイツになったら?――緊縮は世界経済を不安定化、緊張状態に  ドイツは外需依存に傾斜して、国内は長期にわたって民間設備投資は低水準、公共投資は抑制され、個人消費は停滞した。また海外直接投資も増大していった。この極端

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中国のミャンマー内戦介入/毒喰わば皿まで

著者: 野上俊明

 かつて旧日本軍の侵略に対し、反封建的な国内の革命闘争と組み合わせた「人民戦争」戦略をもって闘い抜き、最終的に勝利したのは、毛沢東率いる中国共産党・人民解放軍であった。遊撃戦と機動戦を巧みに使い分け、農村から都市を包囲す

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