評論・紹介・意見の執筆一覧

「自転車楽国」ニッポンのすすめ -乗用車よりも自転車を優先させる時代-

著者: 安原和雄

最近、歩道を歩いていて、携帯電話で話しながら暴走する自転車に危険を感じることが少なくない。それを批判する声も高まっている。ただ携帯電話、自転車そのものに非があるわけではない。利用する人間の姿勢に責任があるわけで、打開策は

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書評 デニ・ベルトレ、藤野邦夫訳『レヴィ=ストロース伝』(講談社、2012)

著者: 宇波彰

 レヴィ=ストロースという名前は、構造主義と一体化している。20世紀後半の思想史は、構造主義の展開と不可分であり、それを考えるためにはレヴィ=ストロースの思想を知らなければならない。本書は、伝記ではあるが、レヴィ=ストロ

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自著を語る:『最高裁裁判官国民審査の実証的研究──「もう一つの参政権」の復権をめざして』(五月書房、2012年)

著者: 西川伸一

  通常国会がはじまり、民主党政権は混迷の度を深めるばかりである。消費増税法案を通すために、会期末の6月には解散総選挙は避けられないという予想も、現実味を帯びてきている。総選挙の重要性はいうまでもない。だが、それと同時に

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イランとアメリカに怨念の歴史 -ペルシャ湾緊張の原因-

著者: 伊藤力司

欧州共同体(EU)外相理事会は1月23日、米国の対イラン制裁に呼応して加盟27カ国が7月1日からイラン産原油の輸入をやめることを決定した。イラン側はこの決定を非難し、対抗措置として石油輸送の大動脈、ペルシャ湾のホルムズ海

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エクソンモービル、日本の石油下流事業から事実上撤退へ

著者: 浅川 修史

利益率の低さや製油所の設備制約が原因か  注目されるニュースが飛び込んだ。  世界最大の国際石油資本、エクソンモービルが日本での事業をさらに縮小する。1月29日の日経電子版の報道によると、石油精製・販売会社である東燃ゼネ

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プーチン政治の行方を占う―塩原俊彦『プーチン2・0』書評に寄せて 

著者: 染谷武彦

塩原俊彦『プーチン2・0』―岐路に立つ権力と腐敗(2012年1月25日発行、東洋書店)  00年5月に大統領になったプーチンは、その後2期8年の任期を全うし、後継にメドヴェージェフを据えて自らは首相として4年間のあいだ「

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仏教の「共生と慈悲」を重視するとき -競争・格差社会が先鋭化するなかで-

著者: 安原和雄

 仏教は「共生と慈悲」の重要性を説いてやまない。その共生と慈悲という仏教の基本的な教えが最近、重視されつつある。背景には企業の生き残りをかけた飽くなき私利追求が現代の競争・格差社会を先鋭化させ、生きづらくしているという事

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書評:西角純志著『移動する理論――ルカーチの思想』(御茶の水書房) 革命の悲劇的形象としてのルカーチとその可能性   

著者: 清家竜介

 評者が見るところ、本書の大きな特徴は三つある。エドワード・サイードが「移動する理論」の典型的な例として読み解いたジェルジ・ルカーチの『歴史と階級意識』を越えて、ルカーチの初期から後期にいたる思想的遍歴の全体を「移動する

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生協も「脱原発」へ -日本生協連が提言「エネルギー政策の転換をめざして」を発表-

著者: 岩垂 弘

 生活協同組合(生協)の全国組織、日本生活協同組合連合会(日本生協連、組合員2300万人)は1月17日、「エネルギー政策の転換をめざして」と題する提言を発表した。昨年3月11日の東日本大震災によって生じた東京電力福島第1

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政治犯釈放でミャンマーの開国・民主化進展 -改革派軍人に賭けたスー・チーさん-

著者: 伊藤力司

ミャンマー(ビルマ)では1月13日、テイン・セイン大統領の恩赦により受刑者651人が釈放された。政府当局者によると、民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チーさんが率いる国民民主連盟(NLD)が釈放を求めてきた政治犯59

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保安院によるストレステストの「妥当」判断を許すな!!

著者: 福島原発事故緊急会議

保安院によるストレステストの「妥当」判断を許すな!!    「利益相反」3委員の即時辞任せよ!    18日の聴聞会に集まり、傍聴者排除による「ストレステスト」の幕引きを許さない声を挙げよう!  本日14日(土)の日経新

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五木寛之著『下山の思想』を読んで -変革を迫られる「登頂」後の生き方-

著者: 安原和雄

 『下山の思想』に次の指摘がある。私たちは、すでにこの国が、そして世界が病んでおり、急激に崩壊へと向かいつつあることを肌で感じている。それでいて、知らないふりをして暮らしている、と。この認識は大部分は真実と認めないわけに

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本間宗究「ちきゅうブッタ斬り」(16)

著者: 本間宗究

2011年を振り返って    2011年は、「辛卯(かのと う)」という年であり、「血を見るような大事件」が起きることを想定していたが、ご存じのとおりに、「3・11の大震災」により、「日本」は、きわめて悲惨な状態に陥って

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国際協同組合年がスタート -1月13日に東京でキックオフイベント-

著者: 岩垂 弘

 2012年は、国連が定めた「国際協同組合年」。経済システムの一つである協同組合をもっと発展させるために世界中の人々が一年間かけて協同組合に対する理解を深め、協同組合をもっと成長させるために一致して努力しようという狙いで

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ペルシャ湾に波高し-戦争は避けられないか -核疑惑めぐりイランと米欧のチキンレース-

著者: 伊藤力司

新年早々「世界の石油庫」ペルシャ湾の波が高い。イランの核開発計画は核兵器に通じるとしてウラン濃縮の停止を迫る米欧は、イランの原油輸出ストップという制裁エスカレートに踏み切った。対抗するイランが湾岸産原油輸送の大動脈である

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軍事クーデター⇒秩序⇒最小限流血か、民主化⇒内戦⇒最大限流血か、筋道のディレンマ

著者: 岩田昌征

〈解説〉   2011年12月25日と26日の『ポリティカ』紙(ベオグラードの日刊紙)に社会主義ユーゴスラヴィア時代のユーゴスラヴィア人民軍(JNA、連邦軍)の最高幹部の一人、ブランコ・マムラ提督のインタビューが載ってい

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「重信房子がいた時代」(情況新書)が浮き彫りにした時代と風俗

著者: 浅川 修史

 イスラエルに出入国する際のセキュリティ・チェックは厳しいことで定評がある。イスラエルのセキュリティ・チェックの方法にはユダヤ人的な特色がある。同じ質問を時間をかけて何度でも繰り返し、相手の反応を探る。  筆者が最初にイ

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書評:松下政経塾憂論―野田佳彦という不完全政治家を生み出す不完全システム

著者: 中田安彦

 ツイッターで超毒舌が何かと話題の著者(東海由紀子)の本ということで軽い気持ちで購入したのだが、なかなか面白かった。松下政経塾の内部に入って、途中で中退した東海氏だから書けるという内容である。仮に卒業していたら、何かとし

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浅ましいのはどちらか?~メディアの自死を意味する消費税増税路線への翼賛~

著者: 醍醐聡

野田政権に消費税増税をけしかけるメディアの異様な光景  『毎日新聞』は12月29日、民主党が今年度中に消費税増税の法案提出を決定したのは先の選挙で同党が掲げたマニフェストに違反するとして同党の9名の議員が離党を表明したの

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戦争画を描かない画家たちがいた -板橋区立美術館の「池袋モンパルナス展」-

著者: 岩垂 弘

 あらゆるものが動員された「十五年戦争」。画家も例外でなかった。多くの画家たちが、自ら進んで、あるいは生活のため心ならずも戦意高揚のための戦争画(戦闘の場面や戦時における兵士や市民の生活を描いた絵画)を描いた。が、ごく少

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