カルチャーの執筆一覧

二十世紀文学の名作に触れる(3) ショーロホフの『静かなドン』――ロシア革命の一大叙事詩

著者: 横田 喬

 旧ソ連の作家ショーロホフ(1905年生まれ~84年没)は65年、長編小説『静かなドン』などが高く評価され、ノーベル文学賞を受けた。旧ソ連では58年のパステルナーク(作品は『ドクトル・ジバゴ』)に次ぎ、70年のソルジェニ

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二十世紀文学の名作に触れる(2) 『ペスト』の著者カミユとは――正義と自由を守るヒューマニスト

著者: 横田 喬

 フランスの作家カミユはこの作品を始め小説『異邦人』やエッセー『シーシュポスの神話』などの著作が高く評価され、1957年に43歳の若さでノーベル文学賞を受けている。日本人で同文学賞を受賞した川端康成は69歳、大江健三郎は

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二十世紀文学の名作に触れる(1) カミユの『ペスト』――不条理なものとの闘い

著者: 横田 喬

 新型コロナ禍の時節柄か、フランスのノーベル賞作家アルベール・カミユの小説『ペスト』が日本でも最近よく読まれている、と聞く。アルジェリアのオランという地方都市で二十世紀半ば、稀代の悪疫ペストが突如蔓延する仮想の筋立てだ。

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国家(国民)を食いものにして肥え太る企業とその背後をうろつく「巨悪」 

著者: 合澤 清

書評:『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』春名幹男著(KADOKAWA2020)  はじめに 著者・春名幹男は、数々の栄誉ある賞に輝いた元共同通信の外信部記者で、元名古屋大学教授である。その春名が15年の歳月を費やし

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ささや句会    第64回   2021年 1月20日 水曜日 

著者: 公子

切絵めく屋根の連なり寒夕焼                   奥野 皐   初晴や岸辺の花芽は紅を帯び                   合沢舞祥 ほめられし自作の凧と駆けだしぬ              

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「共犯者」とならないために―「独ソ戦争」での大量犠牲者をすかして政府のコロナ対策を考える! 

著者: 合澤 清

書評:『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』 大木 毅著(岩波新書2020) 「独ソ戦」について書かれたものはこれまで数冊通読したことがあった。 それらの本からつくられたイメージでは、軍事力で圧倒的に優越しているナチス・ドイツが「独

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「グローバル世界」と言われて久しい中、皮肉にも新型感染ウイルスはそれを一瞬で証明

著者: 藤田泉

2020年の2月はじめに、オーロラを観に行こうとノルウェーのトロムソを訪ねました。残念ながら鮮明で完璧なオーロラは望めませんでしたが、北限の教会「北極教会」を訪れ、感動し、作品にしてみました。世界がパンデミックに陥るほん

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私が出会った忘れ得ぬ人々(42) 北杜夫さん――僕の仕事は親父の歌一首に及びません

著者: 横田 喬

 作家の北杜夫さんは不惑にさしかかる年頃の一九六六(昭和四一)年春、躁病をいきなり発症した、という。  ――躁が来る時は、自分でもわかる。口数が多くなって、陽気になる。仕事をなんでも引き受け、ふだんは嫌いなテレビ出演なん

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私が出会った忘れ得ぬ人々(41) 「斎藤一族の人々」――超個性的な面々がずらり

著者: 横田 喬

 私は『朝日新聞』記者の振り出しが仙台在勤だった。今から六十年ほど前の一九六〇年代初めのこと、夏場の休日に東北の霊山・蔵王山へ日帰り登山を試みた。気が立っていたせいか、最高峰・熊野岳(一八四一㍍)に思いのほか容易に登頂で

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私が出会った忘れ得ぬ人々(40) 赤瀬川原平さん――青春時代の辛い体験が創作活動の肥やしに

著者: 横田 喬

 前衛美術家にして芥川賞作家でもあった赤瀬川さんは、実に面白い人柄の方だった。対面はたった一度きりだったが、最高に楽しい時間を過ごし、記者冥利に尽きる思いを味わった。三十年近く前の一九九二(平成四)年に、当時『朝日新聞』

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私が出会った忘れ得ぬ人々(39) 草野比佐男さん――村の女は眠れない

著者: 横田 喬

 三年前に放映されたNHKテレビ朝の連続ドラマ『ひよっこ』を見入るうち、その昔取材で知り合った農民作家・草野比佐男さんの面目を懐かしく思い起した。ドラマの舞台設定は高度経済成長が始まり、東京オリンピック開幕の迫る一九六四

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