カルチャーの執筆一覧

世界のノンフィクション秀作を読む(歳末番外編) 市河晴子(1896~1943)の『エジプトの驚異――ピラミッドに登る』(上)

著者: 横田 喬

市河晴子(1896~1943)の『エジプトの驚異――ピラミッドに登る』<紀行文集『欧米の隅々』(素粒社刊)から抜粋> ――稀代の文章家の自由闊達で躍動感あふれる才筆(上)    筆者、市河晴子は英語学者・市河三

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菅沼正子さんの「今も輝くスター55」(8)(9)が届いてます

著者: 内野光子

 今回は、ジェニファー・ジョーンズとジャン・ギャバン。二人とも忘れられない名優でしたね。ともに語れる友人が少なくなってしまい、それに、断片的なシーンは思い出せても、残念ながらストーリーは忘れてしまっている。菅沼さんはさす

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世界のノンフィクション秀作を読む(42) 浜忠雄(1943~:北海学園大学名誉教授)の『ハイチ革命の世界史――奴隷たちがきりひらいた近代』(岩波新書)――未完の脱植民地化を問い直す論考(下)

著者: 横田 喬

 ◇第三章 先駆性ゆえの苦難――革命以後の大西洋世界(続)   <ハイチ革命と大西洋世界>奴隷制度下で虐げられている者にとって、ハイチは「解放のシンボル」だった。奴隷主は奴隷たちが以前よりも「無礼」で「反抗的」になったと

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世界のノンフィクション秀作を読む(41) 浜忠雄(1943~:北海学園大名誉教授)の『ハイチ革命の世界史――奴隷たちがきりひらいた近代』(岩波新書)――未完の脱植民地化を問い直す論考(上)

著者: 横田 喬

 一八世紀末、カリブ海の島で黒人たちが立ち上がり、自身の手で史上初の奴隷解放を達成した。反植民地主義を掲げるこの革命と、苦難に満ちた長いその後。フランス革命やアメリカ独立革命にも匹敵する、その先駆性を誠実な学究が真摯に説

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江東屋上菜園瓦版202号/区長辞任に伴う江東区長選挙が始まる!

著者: 中瀬勝義

※ちきゅう座より 以下の記事はPDFの埋め込みですが、その部分が空白のままになって表示される場合があります。お手数ですがブラウザ左上隅の更新ボタンを何回か繰り返して押してみてください。表示されるようになります。 http

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世界のノンフィクション秀作を読む(40) リール・ワーテンベーカーの『愛は死を見つめて』(筑摩書房刊。高橋正雄:訳)――癌との闘いの高い人間性の品位と尊厳の記録(下)

著者: 横田 喬

◇祖国との別れ  11月5日(金)、私たちは旅客船の三等船室に潜り込み、海路ニューヨークを離れた。夫の体を蝕もうとする徴候が船上で姿を現した。夫の下腹がそれと判る位に膨れ、触ると熱を持っていた。一方の睾丸が大きく膨れ、華

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世界のノンフィクション秀作を読む(39) リール・ワーテンベイカーの『愛は死を見つめて』(筑摩書房刊。高橋正雄:訳)――癌との闘いの高い人間性の品位と尊厳の記録(上)

著者: 横田 喬

 筆者(1908~没年不詳)は雑誌社の元記者で文筆家。職場で上司のチャールズ・ワーテンベイカーと知り合って恋に落ち、結ばれる。夫は42歳で、妻は34歳。両人とも三度目の結婚だった。夫は癌に侵され、55年初頭に亡くなるが、

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世界のノンフィクション秀作を読む(38) ロバート・キャパの『ちょっとピンぼけ』 ――生と死を劇的に捉えた写真家の第二次大戦従軍記録(下)

著者: 横田 喬

 ◇D・デイの前夜   私たちの飛行機は飛び立って、ナポリの上空を旋回した。空から見るシシリアの町の戦禍の跡は、二千年を経たローマ時代の遺跡と大差がなかった。僅か半年前に新聞雑誌を賑わしたそれらの場所は、弾痕ももはや深い

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お江戸舟遊び瓦版1005号/金沢・兼六園・武家屋敷・永平寺・東尋坊ミニツァー

著者: 中瀬勝義

※ちきゅう座より 以下の記事はPDFの埋め込みですが、その部分が空白のままになって表示される場合があります。お手数ですがブラウザ左上隅の更新ボタンを何回か繰り返して押してみてください。表示されるようになります。 http

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世界のノンフィクション秀作を読む(37) ロバート・キャパの『ちょっとピンボケ』  ――生と死を劇的に捉えた写真家の第二次大戦従軍記録(上)

著者: 横田 喬

 ハンガリー生まれのR・キャパ(1913~1954:本名フリードマン・エンドレ)は二十世紀を代表する戦場カメラマンだ。スペイン内戦~日中戦争~第二次大戦の欧州戦線~第一次中東戦争~第一次インドシナ戦争(取材中に不慮の死を

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世界のノンフィクション秀作を読む(36) 藤原ていの『流れる星は生きている』 ――母が子のために書いた感動の記録(下)

著者: 横田 喬

 ◇三十八度線(下)  南へ南へと牛車は動いていく。私は牛車の傍を歩いている。太陽が昇ると人も牛も暑さの中にうだりながら前進を続ける。新渓で買った四円の草鞋は一晩で擦り切れ、私は裸足になった。足の裏が焼け付くように痛く、

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世界のノンフィクション秀作を読む(35) 藤原ていの『流れる星は生きている』(日比谷出版社) ――母が子のために書いた強い感動の記録(上)

著者: 横田 喬

 筆者(1918~2016)は作家新田次郎(本名・藤原寛人)の夫人。夫と共に39年に旧満州の首都・新京(現・長春)の気象台に赴き、45年のあの敗戦の日を迎える。未曾有の大混乱の中で夫を現地に一時残し、三人の子供を引き連れ

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世界のノンフィクション秀作を読む(34) L・ペイヤールの『ラコニア号遭難事件』(筑摩書房、近藤等・寿里茂:訳)――信じ得ないナチスUボートによる人道的救援活動の記録(下)

著者: 横田 喬

 ◇救助作業始まる  9月13日、ドイツ海軍軍令部。デーニッツ提督は暗号解読済みの一通の電文に目を走らせた。「英船ラコニア号撃沈ス。残念ナガラ、イタリア捕虜千五百輸送シアリ。現在マデ、九十名救助。指令求ム。ハルテンスタイ

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世界のノンフィクション秀作を読む(33) L・ペイヤールの『ラコニア号遭難事件』(筑摩書房、近藤等・寿里茂:訳)――信じ得ないナチスUボートによる人道的救援活動の記録(上)

著者: 横田 喬

 ナチスの暴状を知る者には信じ得ない物語である。Uボートの艦長が撃沈した英国の輸送船の乗員を救助するため、命懸けの異常な行動に出る。フランスのノンフィクション作家L・ペイヤール(1898~没年不詳)は独・英・仏の三方面の

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世界のノンフィクション秀作を読む(32) チャールズ・M・ダウティの『アラビア砂漠』(筑摩書房、小野寺健:訳) ――砂漠のアラブ族に関する第一で不可欠の宝典(下)

著者: 横田 喬

 ◇ザイドの家族、妻ヒルファ  遊牧民のザイドにはヒルファの他にもう一人の妻があったが、逃げてしまった――大抵の夫婦では、男が暴虐であるため、これは珍しいことではない――そして今は彼女の母親の部族、ビシュル族と暮らしてい

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