スタディルームの執筆一覧

低周波音問題とベートーヴェン研究―学問の道を歩む(10)

著者: 石塚正英

 或る年の8月27日に、府中市で「低周波音問題交流会」という催しがあった。未来文化研究室を運営する西兼司氏が主催したもので、低周波被害に苦しむ人々とともに低周波音について調査・研究していこう、という趣旨の会合だった。これ

本文を読む

公害企業に勤める主人 と 安全な食べ物を求める主婦――『土に生きる』第7号を手にして(8)

著者: 野沢敏治

 本号も内容は充実している。1980年9月20日発行。本号からタイプ印刷になる。 1980年と言えば、8月にポーランドのグダンスク造船所でストライキが発生し、労働者が政府に労働組合や言論の自由を求めている。1950年代か

本文を読む

フランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(13)

著者: 二本柳隆著(石塚正英編)

4.フィヒテの社会の優位――フンボルトと対比して  フィヒテの国家に対する個人の優位という視座は、実は、フィヒテの社会観と密接に結びついていた。フィヒテはいう。「よき自然と、自分を社会的に生まれさせてくれた幸福な運命とに

本文を読む

フランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(12)

著者: 二本柳隆著(石塚正英編)

2.フィヒテの「フランス革命論」の基本的性格  フィヒテにとって、フランス革命は何よりもまず、人類史に一つの輝かしき転換を与えた重要な出来事である。つまり、「フランス革命は私からすると全人類のために重要であるように思われ

本文を読む

フランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(11)

著者: 二本柳隆著(石塚正英編)

第4章 1793年のフィヒテ――フィヒテの「フランス革命論」 第1章、第2章において明らかにし、また、みてきたように、1790年代初頭のドイツの知的情況を展望するということは、とりもなおさず、ライン河を隔てた隣国フランス

本文を読む

フランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(10)

著者: 二本柳隆著(石塚正英編)

6.結語 ヘルダーの「ナショナリズム」の展望  「ヘルダーが始めは18世紀啓蒙思潮の諸理想を擁護する典型的な、ほとんど型にはまった一人、つまり人道主義者、四海同胞主義者、平和主義者であったことは、誰もが認めているようだ。

本文を読む

音と音楽――その面白くて不思議なもの(12・完)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第12回 文化の耳あるいは音の文化誌 >往< 野沢敏治さんへ  石塚正英から  シリーズ最終回ですよ、野沢さん。ここは私の問題関心であります感性文化から話題を拾います。文化の耳あるいは音の文化誌です。なお、最初に述べます

本文を読む

「一つ頭のしわがふえたよう」なキャンプ生活――『土に生きる』第6号を手にして(7)

著者: 野沢敏治

 本号は1979年12月15日、発行。特集「三芳子どもテント村」(企画・編集は菅洋子)が組まれている。その標語が「子供に自然を」となっている。一楽照雄さんの言葉であろう。  この特集は同時に「カット」特集号と言ってよいほ

本文を読む

フランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(9)

著者: 二本柳隆著(石塚正英編)

5.ヘルダーとフランス革命――ヘルダーの「ナショナリズム」論の確立    「国家は革命を避けるべきではなくて、それをわがものとせねばならない」(1)といった文章が、現在遺されている。この革命が、ヘルダーにおいてフランス革

本文を読む

倉塚平先生を偲ぶ3 韓国民主化運動支援、日韓連帯運動と倉塚平氏

著者: 和田春樹

 韓国民主化運動とは、1972年10月、朴正煕の維新クーデターにより韓国の民主的な制度の根幹である大統領直接選挙制が廃止されたことに対して闘って、民主主義の回復をめざした運動、民主革命運動のことである。1987年6月の革

本文を読む

倉塚平先生を偲ぶ2 倉塚平さんの人と学問―人間の解放を求めて

著者: 松沢弘陽

 私の報告を明治大学政経学部のお二人への感謝から始めたい。生方卓さん(以下敬称略)には、去年の夏頃から今日まで、会の構想を練り、案内の発送・会場の準備から会の後の懇親会の手配にいたるまで、細大にわたって取りしきっていただ

本文を読む